スマホで始める“デジタルサイクリング”のススメ

暑さが本格化する前のこの時期は、自転車でちょっと脚を伸ばしてみるには良い季節。
自転車ツーリングに出かける際、あると便利なのがスマホ。現在地の確認などに使えるだけでなく、専用のアプリをインストールしておけば、自転車専用のナビや速度などを表示するサイクルコンピュータとして使ったり、走ったルートや消費カロリーなどを記録しておくこともできる。
そんな、自転車生活に役立つアプリを3種類試してみた。

●道に迷いやすい人におすすめの「自転車NAVITIME」

まず試したのが自転車専用のナビアプリ「自転車NAVITIME」。乗り換え案内や徒歩ルートまで含めたトータルナビで有名な「NAVITIME」がリリースする自転車に特化したナビアプリだ。
Android用とiOS用がそれぞれ用意され、Android版が無料、iOS版は400円でダウンロードできる。

ルート検索は通常のナビアプリと同じように目的地と出発地を入力するかたち。自転車ナビならではの機能と言えるのは、「推奨ルート」のほかに「距離が短い」「坂道が少ない」「大通り優先」「裏通り優先」などルートの種類を選べること。ユニークなのは「坂道が多い」ルートを選ぶこともできることだ。あえて坂の多い道を走ることでトレーニング効果を求める人におすすめだ。

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▲目的地と出発地を入力。もちろん、現在地を出発点とすることも可能だ。ルートは6種類から選ぶことができ、月額200円~のプレミアムコースに登録すれば「サイクリングロード優先」も選べる。

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▲ルートは地図上に表示されるだけでなく、高低差のグラフも見られるのが自転車ナビらしい。

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▲ルート案内は一般的なナビと同様でわかりやすい。曲がり角までの距離を1m刻みで細かく表示してくれる点が自転車での使い勝手を考慮している。「節電」モードを選ぶと、画面表示を消して、曲がり角が近づくと振動と音声で案内してくれる。スマホの電池を節約したい場合や、スマホをポケットに入れたまま使いたい場合などに便利だ。

ルート案内以外に便利なのが、スポット検索機能。カフェやコンビニ、温泉/銭湯、駐輪場などサイクリングの際に役立つスポットを検索できる。
地図の中心周辺での検索のほか、距離や走行時間でエリアを選べる機能もあり、例えば「片道1時間で行ける温泉」「片道10kmで行けるラーメン屋」などを探すことができる。
限られた時間でサイクリングを楽しみたい時などに使える機能だ。

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▲地図の中心から1時間30分で行ける温泉施設を検索(左写真)。そこまで走ることが目的なので、近くの施設は表示されない。右写真のように周辺の駐輪場を探すことなどももちろん可能。

ちょっと良い自転車を手に入れると、足を伸ばして遠出してみたくなるが、道に迷うことが不安だったり、そもそもちょうどいい距離にあるスポットを見つけられないなどの理由で一歩を踏み出せずにいるサイクリング初心者の人におすすめしたいアプリ。もちろん、経験者であっても役立つ機能は数多い。

●サイクルコンピュータ代わりに速度などを表示する「PanoBike」

少しサイクリングに慣れてくると「自分は今どれくらいのスピードで走っているのか?」といったことが知りたくなるもの。専用のサイクルコンピュータを購入すれば、そうしたデータは簡単にわかるようになるが、そこまで本格的なものでなくても……、という人は「PanoBike」というスマホアプリを試してみよう。

自転車用のバッグや工具などを作っている「Topeak」というメーカーが手がけたアプリで、走っている速度や、それまでの最高速度や平均速度などを表示。走行距離や走行時間などもわかる。
GPSを使って計測しているので、速度の正確性はそれほど高くないが、そこまで本格的なデータを測りたいのでなければ十分。拡張性も備えていて、「Topeak」製のBluetooth接続のセンサーを使えば、心拍数やケイデンス(ペダルの回転数)、ペダルを踏むパワー(ワット)なども計測できる。
iOSとAndroid用のアプリがリリースされていて、どちらも無料で利用可能。

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▲「PanoBike」の走行中の画面。速度(撮影のために止まったので0になってる)や平均速度、最高速度、走行距離、走行時間などが一覧できる。斜度や標高なども表示する。

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▲過去の走行記録も参照することが可能。目的地を定めていない走行の記録は「Topeak Trip」と表示される。走行距離や速度のほか、消費カロリーなどもわかる。また、それらのデータをグラフで表示する機能も搭載。

●走行記録をクラウドに保存し、共有も可能な「Strava」

だんだん長い距離を走るようになると、走ったコースや、同じコースを走った際のタイムなどを記録して比較したくなるもの。「PanoBike」でも履歴を記録しておくことはできるが、世界的に人気が高く、ユーザーが多いのが「Strava」というサービス。

元はガーミンなどのサイクルコンピュータで記録したデータをクラウド上に保存できるサービスだが、無料のスマホアプリもリリースされており、スマホでデータを記録することも可能だ。

スマホアプリで記録できるのは、距離、走行時間、最高速度、平均速度、獲得高度、消費カロリーなど。速度は区間ごとに記録されているので、どこでどのくらいの速度を出していたのかも記録することができる。

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▲「Strava」アプリの記録中の画面。速度や距離などは表示されているが、サイクルコンピュータのように見ながら走るというより、記録を開始したら画面はスリープ状態にしてポケットなどに入れておくという使い方が適している。スリープ中でも記録は続けてくれるので心配いらない。

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▲記録されたデータは、このように確認することができる。走ったコースが地図で記録されるほか、距離やタイム、獲得高度、消費カロリーなども記録。速度や高度の変化はグラフでも表示される。

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▲過去の記録はスマホからも一覧できる。プロフィールのトップ画面からは過去28日間の要約(走行距離や時間など)を見ることも可能だ。また、自転車だけでなくランニングにも対応しているので、そのデータも合わせて管理できる。

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▲過去の記録はクラウドに保存されているのでPCからも確認可能。月間の走行距離などをカレンダー上に表示する機能もあり。

そして、このサービスの面白いところは、SNSとなっているところ。過去の走行データはフォロワーに公開できるので、同じ仲間内で走った距離などを競ったりすることができる。

また、設定された区間のタイムを「Strava」の利用者間で競う機能も搭載していて、同じコースを走っている人たちの中で、自分のタイムがどれくらいの位置にあるのかを知ることが可能。また、1ヶ月にどれくらいの距離を走ったか競うイベントなどもSNS内で開催されており、その数値は世界中のユーザーと競える。

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▲地図上でタイムの比較区間に設定されている場所を探すことが可能。その区間の詳細を見ると、距離や高度差、平均勾配などのデータのほか、ほかのユーザーがどれくらいのタイムで走っているかも確認できる。「KOM」はその区間を一番速く走った人に与えられる称号。

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▲「チャレンジ」の項目を選択すると、「Strava」内で実施されているタイムや距離を競い合うイベントを見られる。例えば、その月に何km走ったかを競い合うようなイベントがあり、世界中のユーザーと記録を競い合える。

自転車はアナログな乗り物だが、デジタル製品を活用することで、サイクリングをより楽しむことができる。特に新たに自転車用ナビやサイクルコンピュータなどを購入しなくても、手持ちのスマホを活用するだけでナビからデータの記録、保存までができてしまう。
梅雨の晴れ間に、今回紹介したアプリを入れたスマホを持ってサイクリングに出てみてはいかがだろうか。

(増谷茂樹)