PS Vitaゲームレビュー/俺の屍を越えてゆけ2(前編)

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わずか2年で命が尽きる「短命の呪い」、人との間に子を成すことができない「種絶の呪い」。ふたつの呪いをかけられた一族は、神々と交わることで血脈を残し、復讐を成し遂げる……。15年間愛され続けたRPG『俺の屍を越えてゆけ』続編、そのレビューをお届けします!
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■討伐
まずは迷宮で鬼討伐
経験値&「奉納点」をゲット!

平安後期、相次ぐ天変地異を鎮めるべく、とある武家一族が人身御供の名の元に惨殺された。殺害の黒幕は、当代一の陰陽士として名高い「阿部晴明」。やがて一族は蘇るが、晴明は彼らに二つの呪いをかけていた。わずか2年しか生きられない「短命(たんめい)の呪い」、そして人との間に子を残せない「種絶(しゅぜつ)の呪い」。唯一の希望は、神々や同じ境遇の他の一族との間に子を成し血を受け継げること。一族は晴明への復讐と呪いからの解放をめざし、宿命に立ち向かう。かくして、一族の新たな歴史が幕を開ける!

「俺の屍を越えてゆけ」シリーズは、主人公一族が子から孫へと命をつなぎ、宿願を果たす世代交代RPG。通常のRPGは最初から最後まで同じ主人公でプレイすることが多いが、このゲームの場合、どう頑張っても約2年で寿命を迎えてしまう。そこで、神々との間に子供を残し、一族そのものを育てていく……というのが実にユニーク。少しずつ強くなっていく一族の姿に、親心のような、自分の分身を見るかのような、不思議な愛着が湧くはずだ。

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▲スタート時に、初代当主を作成。『PS Vita』のカメラでプレイヤーの顔を取り込めば、自分に良く似た当主が誕生する。本名に近い名前でプレイすれば、一族への愛はさらに深まるはず。ただし、データをネットに公開する人は、公開してOKな範囲にとどめること。なお、職業も8種類の中から好きなものを3つ選べる。

一族は、「討伐」と「交神(こうしん)の儀」によって少しずつ強くなっていく。まずは、鬼の巣食う迷宮に討伐へ。敵とぶつかると戦闘が始まり、勝利すれば「戦勝点」(経験値)や交神に必要な「奉納点」、戦利品が得られる。奥へ進むほど強い敵が待ち受けているが、その分リターンも大きい。時には迷宮の閉ざされた扉を開く鍵が見つかったり、中ボスが潜んでいたりすることも。迷宮内では時間が経過し、1カ月過ぎると拠点となる屋敷に帰るか討伐を続行するか聞かれるが、つい「もう1カ月!」と延長してしまう。

ただし、無理は禁物。あまり無理をさせると、一族キャラクターの健康度が下がり約2年の天命を待たずに死んでしまうこともある。私の場合、調子に乗っていたら一気に2人の戦力を失った上、他の人も続々と寿命を迎え、あっという間に一族が残り2人に……。一度崩れると立て直しが大変なので、くれぐれも人に優しいプレイをおすすめしたい。

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▲画面右下には、時間経過を示す火時計が表示される。赤い火が灯っている間は、珍しい戦利品が入手しやすくなるので積極的に戦闘に挑もう。最大4人で協力して同じ技を重ねがけする「併せ」、職業ごとに用意された「奥義」などド派手な技も。

■交神
顔で選ぶ? 能力で選ぶ?
好きな神様と子作りざんまい!

さて、討伐で「奉納点」を貯めたら、お待ちかねの「交神の儀」! 一族の血を残すために神々と交わるのだが、お相手選びが悩みどころだ。できるだけ優秀な神様との間に子を成したいが、能力の高い神と交わるには大量の奉納点が必要。奉納点を節約するか、ドカンと使って優秀な神様と交わるかが思案どころであり、それを考えるのが楽しみでもある。しかも、中盤からは「夜鳥子」(ヌエコ)という人物が一族に加わり、夜鳥子を加える為にも奉納点が必要なるので奉納点のやりくりがさらに重要に。その上、神様は油断すると地上に降りて行方不明になってしまうため(条件を満たせば、また戻ってくれる)、「ちょっと奉納点は高いけど、今のうちに交わっとく?」といろいろ悩むのがこれまた楽しい。

また、能力だけでなく容姿まで子供に受け継がれるのも大きなポイント。私は初代当主がタヌキみたいな丸顔だったので(私の写真から作ったんですが)、シュッとした一族を育てようと能力度外視でイケメン神様を選び、子作りに励んでみた。途中でザビエルみたいなてっぺんハゲ(命名:ザビ蔵)が生まれた時はどうしようかと思ったが、少しずつ美形路線になっていき家系図を眺めるのが楽しみに! ……というように、プレイヤーが思い思いの一族を作れるのがこのゲームの醍醐味。自分の手で作り上げた一族だからこそ、頭の中でいろいろな物語を想像し、思い入れも深まっていくはずだ。

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▲人間のような姿の神様のほか、カエル神、ハニワ神などもいてバリエーション豊か。遺伝により、生まれた子の頭にツノやケモノ耳が生えることも。ちなみに、私の一族は時々丸顔が生まれるものの、徐々に美形も増えてきた。ネットを介して自慢するのも楽しい。

■まとめ
サポートキャラが一族を指南
初心者でも遊べる親切設計

討伐、交神の他にも、拠点となる街の発展など一族がやるべきことは数多い。せっせと戦い、せっせと子供を作り、せっせと街に投資。RPGでありながら育成SLG的な側面もあり、チマチマ系ゲームが好きな人にはたまらないタイトルと言えるだろう。

一方、やるべきことが多い分、敷居の高さを感じる人もいるかもしれない。でも心配無用。「コーちん」というサポートキャラがやるべきことを教えてくれるので、初心者でもサクサク進められるのだ。最初のうちはコーちんに毎月の計画をおまかせし、慣れてきたら自分の考えで行動するのがおすすめ。他にも「今日は難しいこと考えたくないけど、ゲームは進めたい」という時に、コーちんのプランを採用する、という遊び方もできる。この親切設計が、今回の進化点のひとつと言えるだろう。

次回は、最大の進化ポイント「遠征」について紹介する予定。他のプレイヤーとの交流が待っている!

俺の屍を越えてゆけ2
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●ハード:PlayStation Vita/PlayStation Vita TV
●発売日:発売中(2014年7月17日発売)
●価格:5800円/4800円(パッケージ版/DL版ともに税別)
●ジャンル:RPG
●プレイ人数:1人
●メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント

公式サイト
http://www.jp.playstation.com/scej/title/oreshika/2/

©2014 Sony Computer Entertainment Inc.

文/野本由起