「共創」でモノを生み出す「amidus」とは何か?アマダナ熊本社長にインタビュー

2003年、家電にデザインという付加価値をつけて、颯爽と登場した「amadana」。約10年の歳月を経て、今度は「amidus」で新たな家電の作り方を、そしてハイアールアジアインターナショナルとの業務提携で家電ビジネスそのものをデザインし直そうとしている。その真意を代表の熊本浩志氏に訊いた。

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「amadana」が新たな動きを見せている。

製品開発プロセスの全てをオープンに、共創の力でモノ作りをしていく「amidus」の始動、そしてハイアールアジアインターナショナルとの戦略的パートナーシップ。記者発表会での『家電業界の閉塞感を打ち破りたい』という言葉が心に残る。節目の今、熊本氏は何を目指すのか――。

「家電のビジネスモデルをデザインするというのがリアル・フリートを立ち上げた時からの想いだった。10年前には家電製品そのもののデザインがソリューションだったが、その時代は終わったということ。これからはユーザー発のモノを作るべきなんですよ。今は、モノの価値の再定義が行なわれている時。もうプロダクトそのもののデザインの付加価値で売る時代じゃない」

開口一番、これまでをこう振り返った熊本氏。従来の家電の作り方では今後通用しない。だから“共創”という新しい作り方であるamidusが生まれたのだと。

「amidusはプロジェクトとして始まるずっと前に僕の頭の中に合った言葉、つまりブランドありきだったんですよね。『編み出す』というのは日本人っぽい言葉だと思って。正義の味方が出てくるテレビ番組でも、窮地に陥ると必ず必殺技が出てくるじゃないですか。そんな感じで必殺技を編み出す日本人。編み出すという言葉はいいなぁとね」

amidus=編み出す。編んでいくとは、途中でほどけるということでもある。

「既存の家電メーカーのダメなところは途中でやめられないことにある。しかも新製品が生み出されるまでに1年以上もかけている。スピード感が重要なこの時代にこんなやり方では通用しません。やってみて、途中で気になることがあればほどいて、またやってみる。編み出すとはそういうこと。やめる勇気が持てるかどうかなんですよ。ただ、やめたからと言って、それが葬り去られるとは限らない。途中でやめたパーツを、別のプロジェクトで使うこともある。面白いじゃないですか」

amidusのやり方とは、プラットフォームを用意し、それをみんなで育てていくというもの。マーケティングでユーザーの声を拾い、それを元に商品開発をし、『さあ、これでどうだ!』とばかりにメーカー側が提示するのではなく、ユーザーが欲しいものを作っていく。自分がどうしても欲しいものを、みんなで作るから、ムーブメントが生まれるのだ。

でも、ここで忘れてはならない重要なポイントがあるという。

「コミュニティの中で生まれた“ユーザー発”のモノづくりというだけでは、魅力的な製品には成り得ない。ユーザーの中で培ったものを否定することなく、プロが関与する。そのさじ加減が大切なわけです」

プロの視点が加わることで“別注”のようなよろこびが得られる。つまり、ユーザーとクリエイターとをつなぐ役割がamidusだと言える。

さらに、これから必要なのはサプライ側、ユーザー側のそれぞれに“共創”の機会を与えるものだと熊本氏は語る。

「例えば、CODE 002のシステムユニットを見ても、1つ1つのパーツごとに集まっている企業ごとの営業マンが30人はいるわけです。オープンプラットフォームにすることで、新しいものが組み合わさってどんどん広がりを見せていく。また、その一方で、ユーザー側はこのシステムユニットに対して、思いがけない使い方をしてくるかもしれない。当初の目論見では、美容院やオフィスで使われると便利だろうなと思っていたとしても、牛小屋で使うのにいいと評判になって大ヒットなんていう想定外なことだってあるかもしれない。そこがいいんですよ、要はどうやったら生態系のまん中に位置できるかということ。コンセプトや呼び込む能力が試される時代なんだと思います」

製品を作る側、そして使う側それぞれに共創の機会を生み出すためのオープンプラットフォームを用意する。そんな“新しい家電の作り方”で家電業界をリデザインする新生amadanaから目が離せない。

▼amidus HP
http://www.amidus.jp/

電源コードが収まるシステムユニット『CODE 002』
電源コードが収まるシステムユニット『CODE 002』