ゲームの在り方を変える脅威のVRシステム「Project Morphius」を徹底レビュー

SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)渾身のVRシステム『Project Morpheus』をデジモノステーション編集部が体験してみた。まだ開発段階ではあるが、そのポテンシャルの高さは驚異的。体感したからこそわかる、本機の可能性とは?(参加者=編集長・八島、副編集長・石田、ゲーム担当編集・吉田、ゲームライター・野本由起)

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八島 噂には聞いていたけど、これは確かに衝撃的だね。4月にいち早く『Morpheus』を体験した石田と吉田が、大興奮していた理由がようやくわかった。まさに、ゲームの世界に体ごと入り込んだかのような感覚。ゲームの在り方を変え、バーチャルリアリティを新定義するシステムだと思う。

石田 僕らの感動をようやくわかっていただけましたか! 360度どこを向いてもゲームの世界。仮想空間に自分が確かに存在する、不思議な感覚が味わえるんです。編集者人生で最大級の衝撃を受けました。

野本 私も初めて体験しましたが、ヘッドマウントユニットを装着した瞬間、思わず声が出ました。目の前に鎧姿の人間が“いる”んですよ。しかも下を向けば自分の足元が、振り返れば背後の景色が見える。上空からは巨大なドラゴンが襲いかかってくる。既存のヘッドマウントディスプレイを想像していると、良い意味で裏切られます。もはや別次元の体験ですね。テーマパークの体感型アトラクションを凌ぐ迫力でした。

吉田 ヘッドマウントユニットの装着感も良好です。現状の重量は500g程度くらいでしたが、前後でバランスが取れているせいか思いのほか重さを感じません。僕は眼鏡の上に装着しましたが、違和感や圧迫感もなく疲れずにプレイできます。

野本 鼻の部分に過度な重さがかかることもなくて、女性でも重さを感じずに遊べました。

石田 3Dオーディオ技術を採用しているので、音も立体的。臨場感の向上にひと役買っていると思います。

八島 前回体験した時から、何か違いは感じられた?

石田 心なしか描画が滑らかになった気がしますが、劇的な違いとは言えませんでしたね。

吉田 でも新しく体験した2種類のデモプレイは、どちらもインパクトがありましたよね。僕は『ストリートリュージュ』に熱中。仰向けに横たわり、左右に首を傾けることでリュージュを操作するんです。実際のリュージュに近い姿勢で遊ぶわけですから、没入感も深まりますよね。公道を走るので対向車もビュンビュン迫ってきて、スリル満点。超高速で流れていく景色、すれ違う車の轟音もスピード感を演出していました。没頭しすぎて、車に接触した時には変な声が出ちゃいましたよ。

八島 恐竜と触れ合う『ジュラシックエンカウンター』もユニークだったね。枝に見立てた『PS Move モーションコントローラ』を振ると、草食竜が寄ってくる。恐竜の生態を観察しているような気分が味わえて、まさに映画『ジュラシックパーク』のよう。宇宙空間や水中、工場や農産業現場などを体感できるようになれば、教育分野でも活用されそうな気がする。

吉田 NASAとの提携が決まったという話もありますよね。ゲームにとどまらず、無限の可能性を秘めたシステムだと思います。

野本 個人的には、映像を外部出力できるのが面白いなと思いました。ヘッドマウントディスプレイは一人で利用するものですが、『Morpheus』はヘッドマウントユニットを装着しているプレイヤーだけでなく周りで見ている人も楽しめます。モニタだとごく普通のゲーム画面に見えるので、プレイヤーがなぜ声を上げて興奮しているのかわからない。そのギャップがまた面白さを生んでいます。

石田 周りで見ている人が、ゲームに介入できるとさらに楽しみが広がりそう。そういう遊び方も検討されているらしいので、ファミリー層にも受けそうですね。

八島 製品化は未定だけど、まだ改良の余地はありそうだね。今回のプロトタイプでは解像度960×1080の映像を左右の目それぞれで観ていたけれど、製品化にあたってはさらなる高解像度を期待したい。これが4Kまで進化したら、怖いぐらいのリアリティを体験できそう。

石田 僕はやっぱり音が気になりますね。現状の3Dオーディオだと、まだ物足りなさを感じます。音の高低差、ヘッドトラッキングと音の連携をより明確に聞かせてほしい。このシステム、音は本当に重要だと思いますね。

吉田 前回も言いましたが、僕はコントローラーのバリエーションを増やしてほしいです。『PS Moveモーションコントローラ』のトリガーを引いて剣を握る動作がありましたが、グローブ型なら触覚が伝わってより臨場感が増すと思うんです。視覚、聴覚、触覚と来たら、あとは味覚、嗅覚も刺激してくれるコントローラーもいいですね!

野本 私はもう、ソフトラインナップに期待するぐらいですね。RPG、アクション、FPS(一人称視点シューティング)、ホラーアドベンチャー……。ギャルゲーや乙女ゲーが出た日には、現実に戻ってこられなくなりそうです。ユニークな発想のソフトがどんどん出てくると、面白くなりますよね。

八島 実用化はいつだろう。おそらく2015年以降だよね。

石田 年内に形になることはないでしょう。あと気になるのは価格です! 僕は15万円でも買いますが、その価格帯だと普及は難しそう。

吉田 非常に画期的なデバイスですが、「周辺機器」と考えると価格への目線もシビアになりますよね。『PS4』、『PS Camera』と併せて購入した時、10万円を切ってくれるとうれしいですが……。

八島 SCEらしい、思い切った価格設定に期待したいね。国内向けには、9月の東京ゲームショウで何らかのお披露目があるはず。一度体験して、ぜひその真価を味わってほしい。現状からどこまで進化するか、我々も動向を追っていきたいね。

参加者はみな圧倒的な潜在能力を感じた
参加者はみな圧倒的な潜在能力を感じた