ゲームレビュー/ウルトラストリートファイターⅣ(前編)

review20140818_1
アーケードで好評稼働中の『ウルトラストリートファイターIV』が満を持して『PS3』『Xbox 360』で登場!大幅なバージョンアップが施されただけでなく、初心者の練習にも配慮しているという本作のプレイ感はいかに?

■システム大刷新!
さまざまな新要素が加わり
対戦の定石も変化する

格闘ゲームブームの火付け役として多くのゲームファンを熱狂させ、今なおアーケードなどで高い人気を保っている「ストリートファイター」シリーズ。特に近年は賞金のかかった「eスポーツ」としての盛り上がりも見せており、毎年ラスベガスで開催されている世界最大の格闘ゲーム大会「Evolution Championship series 2014」の『ウルトラストリートファイターIV』部門では、なんと2000名弱の選手たちが激闘を繰り広げた。

ちなみに2014年の優勝者・Luffy選手は、アーケードタイプのスティックではなく、いわゆる手で持つ通常のコントローラータイプで試合に臨んでおり、そのことは格闘ゲームファンたちを震撼させた。日本のゲームサイトなどでもニュースとして取り上げられていたので、ご存じの方もいらっしゃるはず。

前置きが長くなってしまったが、要するに何が言いたいかと言えば、「ストリートファイター」シリーズは懐かしのゲームのリバイバルなどではなく、現在進行形で「熱い」ゲームだということ。その最新作である『ウルトラストリートファイターIV』は、これまでの定石を仕切りなおすべく、さまざまな新システムを導入している。

■ディレイスタンディング
review20140818_2

ダウンから立ち上がるタイミングを遅らせることによって相手の追撃(いわゆる起き攻め)のタイミングを外し、反撃のチャンスを作ったり、仕切り直しを図ることができるシステム。しゃがみ強キックなどでダウンさせられたときに、いずれかのボタンを2つ同時押しすると発動する。

何となく地味に思えるかもしれないが、ダウン後の攻防が重要なこのゲームにおいては影響が絶大。毎回使うのではなく、使ったり使わなかったりすることで、ダウン後に攻めてくる相手を躊躇させられるのがうれしい。
いやー実際キツいんですよ、うまい人の起き攻めは……。筆者レベルの腕では対処しきるのは難しいので、クイックスタンディングとディレイスタンディングを混ぜることで「せめてタイミングを狂わせることでミスを誘おう。誘えたらラッキー」という使い方をしている。

■ウルトラコンボダブル
review20140818_3 review20140818_4

review20140818_5 review20140818_6

ウルトラコンボとは、リベンジゲージを消費して使用する強力な必殺技。ウルトラコンボは各キャラクターごとに2種類あり、これまでは試合前にどちらかを選択して使う形式だったが、『ウルトラストリートファイターIV』では2つを同時に使い分ける第三の選択肢が登場。これをウルトラコンボダブルと呼ぶ。
ウルトラコンボダブルは対応できる状況は増えるが、個々のダメージは下がるという欠点もある。
個人的には、ウルトラコンボが一種類しか使えないことに物足りなさを感じてきたら使うもの、という認識。腕に自信のないプレイヤーは、まずはそれぞれの技を使いこなすところから始めよう(自分自身も含め)。

■レッドセービングアタック
review20140818_7 review20140818_8

相手の多段攻撃を受けて反撃できるだけでなく、攻めの途中に組みこんでダッシュなどでキャンセルすることにより、従来よりもコンビネーションの選択肢を広げられる新要素。

レッドセービング中はリベンジゲージが溜まりやすく、相手の意表をついたタイミングでウルトラコンボを出せることも大きな強みだと感じた。
……などなど、いろいろと変わった点はあるものの、「相手の行動を読み、技を当てて倒す」という格闘ゲームのシンプルな面白さは不変。格闘ゲームは久々という人は、別に全部の要素を意識しなくたっていいのだ。筆者も最初のうちは、コンピューターや身近なプレイヤー(『ストリートファイターII』時代からの因縁があるダルシム使い)を相手に、ド派手なウルトラコンボの演出を楽しんだり、昔ながらの連続技を試したりしつつ、プレイしていて疑問に感じたことをひとつひとつ調べて覚えていくという遊び方をしていた。

自分と相手の腕のレベルが近ければ、それでも十分に熱くなれるし、新しいアクションを練習して使いこなすという、最近のゲームではあまり味わえない感覚も新鮮である。

■充実の練習用モード
ガチの勝負に勝つには
あらゆる局面に対応する練習が必要

とは言え、やはりガチの対戦で相手を叩き潰すことこそが格闘ゲームの最大の魅力。そのための練習を好きなだけできるのも、家庭用ゲーム機で格闘ゲームを遊ぶメリットの1つ。本作のチャレンジやトレーニングはとても充実しており、これまでのカプコンの格闘ゲームの練習モードの集大成的な印象がある。

特に驚かされたのは、オンライン対応のトレーニングモードが存在すること。筆者のゲーム関連の知り合いには格闘ゲーム好きがちらほらといるのだが、これまでは「試合で覚えろ! 技は見て盗め!!」という大変厳しいスタンスだった彼らに、稽古らしい稽古をつけてもらうことが可能になったのである。これは革命的だ。

review20140818_9 review20140818_10
▲通常のトレーニングではできない細かい状況設定や、実戦に即した動きへの対応を学べるのが最大のメリット。練習相手も大変ではあるので、あまり無理に付き合わせないように。

いまひとつ対応できない攻めを繰り返してもらって、それを最小の被害で脱する練習をしたり、実戦に近いシチュエーションから攻撃に移るタイミングを会得するなど、筆者もオンライントレーニングをかなり活用させていただいている。頻繁に集まって遊ぶことが難しくなっている大人ゲーマーにとって、その価値は計り知れない。

■まとめ
本気で取り組む面白さは
カジュアルゲームでは味わえない

以上のように、プレイ感に大きな変化が加わったと同時に、新たなプレイヤーの参入を強く意識していることをうかがわせる『ウルトラストリートファイターIV』。筆者は今のところオンライン対戦は5回に1度くらいしか勝てない程度の腕で、勝利の高揚感はあまり味わえてはいないのだが、それでも試合の中で使えるコンボが増えてきたり、対応できる状況が増えるだけでもだいぶ試合が面白くなってきた感覚はある。

元々才能のある人に言わせれば違うのかもしれないが、こうした地道な努力の繰り返しは格闘ゲーム、ひいては対戦ゲームの1つの醍醐味のはずだ。そして数こそ少ないとはいえ、勝てることもあるというのが意外でもあった。やってやれないことはないのかもしれない。格闘ゲームは多少ブランクがあるという方も、興味があれば尻込みせず、挑戦してみてはいかがだろうか?

次週は主にオンライン対戦に関するレビューをお伝えする予定だが、そちらを書くまでにはもう少しだけ上達していたいものである。練習あるのみ、だ……。

review20140818_11
●ハード:PlayStation 3/Xbox 360
●発売日:発売中(2014年8月7日発売)
●価格:各3990円(パッケージ版・税別)
●ジャンル:RPG
●プレイ人数:1~2人(オンライン時2~8人)
●メーカー:カプコン

公式サイト
http://www.capcom.co.jp/sf4/

©CAPCOM U.S.A., INC. 2014 ALL RIGHTS RESERVED.

文/高橋祐介