ジャーナリスト石野純也コラム第9回「中国メーカーの台頭」(前編)

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スマホ業界の勢力図が、大きく変わろうとしている。一気に主役に躍り出たのが中国メーカー。低価格に品質が加わり、シェアも急拡大中だ。その最新動向を、現地取材も交えてお届けする。

サムスン、アップルを猛追する中国メーカー

サムスンがスマホ事業の利益を大きく減らし、ソニーも「Xperia」の戦略の見直しにかかっている。こうした大手メーカーを尻目に、大きく伸びているのが中国メーカーだ。いずれも、大手メーカーがボリュームゾーンとして狙っていた中価格帯以下の端末を得意とし、巨大な中国市場をバネに販売台数を大きく伸ばしている。
実際、その販売台数は世界シェアという大きな括りにも表われている。米調査会社のストラテジー・アナリティクスによると、スマホの世界シェアでは3位から5位までを中国メーカーが占めている。1位のサムスン、2位アップルもシェアを大きく落とす中、ファーウェイ、レノボ、そして新興企業のシャオミ(小米)の躍進が著しい。グローバルではファーウェイが20.1%、レノボが15.8%、シャオミが15.1%と大きなシェアを獲得した。
とは言え、これらのメーカーを日本で見かけることは少ない。店頭かろうじてファーウェイの「Ascend」が並んでいる程度。欧米でも状況は似ており、店頭での主流はやはりサムスンやLG、ソニー、アップルといったメーカーとなる。
一方で中国市場を見ると、様相が変わってくる。これらの中国メーカーが開発した、安価で質も比較的高い製品が店頭に多数並べられている。インカメラで広角撮影ができたり、ディスプレイが大きかったり、デュアルSIMに対応していたりと、現地ニーズを的確にくみ取ることにも抜かりはない。
ただ、ファーウェイ、レノボは中国でメジャーなだけでなく、海外でもその名が知られるようになってきた。ファーウェイは13年からブランド戦略を一新。日本でも発売される『Ascend P7』など、プレミアムラインに力を入れ、欧州での存在感を徐々に高めているところだ。レノボはPCメーカーとしては既に巨人とも言える存在。スマホの知名度はまだまだだが、グーグルからモトローラを買収して、一挙にメジャーの仲間入りを果たした。海外での知名度が高いモトローラブランドで、中国の外に打って出る方針だ。

世界で存在感を増している中国メーカーに注目!

現在、急成長を遂げているXiaomi(シャオミ)の最新スマホ

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▲急成長中のシャオミだが端末を店頭で見かけることは少ない。Web販売が中心のためだ。新古品に高値が付くことも。

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▲共同創業者リン・ビン氏が、上海のイベントで講演。中国では注目の企業家で、来場者は真剣に耳を傾けていた。

※後編は9月3日にアップ予定です

取材・文/石野純也


石野純也 プロフィール
出版社勤務時代に数々のケータイ関連誌を立ち上げた後、ケータイジャーナリストへ転身。昨秋は電子書籍「ソーシャルゲームの最新トレンド!」(KADOKAWA)を上梓した。