ジャーナリスト石野純也コラム第9回「中国メーカーの台頭」(後編)

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スマホ業界の勢力図が、大きく変わろうとしている。一気に主役に躍り出たのが中国メーカー。低価格に品質が加わり、シェアも急拡大中だ。その最新動向を、現地取材も交えてお届けする。

※前編の記事はコチラ

Web販売で一気にパイを広げたシャオミ

これらの大手メーカーとは大きく戦略が異なる新興メーカーが、冒頭で触れたシャオミ。上海で開催されたモバイルアジアエキスポのキーノートスピーチに登壇した共同創業者のリン・ビン氏は、「年間6000万台の販売が視野に入っている」と自信をのぞかせる。事実、グローバルで5位につけているだけでなく、中国市場ではサムスンを抜き1位に躍り出ており、その勢いは止まらない。最近では、グーグルでアンドロイドの責任者を務めていたヒューゴ・バラ氏を引き抜き、海外展開にも注力し始めている。
シャオミと大手メーカーとの大きな違いは販路にある。リン氏が「販売コストを徹底的に抑えた」と語るように、同社の端末は基本的にWebサイトのみで販売されている。「ネットの声に耳を傾けることにも注力している」(リン氏)と言い、こうした真摯な姿勢が熱狂的なファンを生み出すことにつながった。
シャオミの端末ラインナップは安価なモデルが多いものの、性能面に抜かりはない。例えば、1699元(約2万8200円)の『Mi3』という端末には、NVIDIAのクアッドコアプロセッサ「Tegra 4」を採用し、カメラのセンサーは高画質が売りのソニー製で1300万画素と、スペックは十分だ。同様にタブレットの『MiPad』には、192基のGPUを搭載した「Tegra K1」を世界で初めて採用している。しかも価格は1499元(2万4800円)と市場平均価格よりも安価となる。
こうしたシャオミの急成長に対し、大手メーカーという立場のファーウェイも全面対抗の姿勢を見せている。「販路をWebに絞ってコストを抑え、低価格を実現した」(関係者)と言う、「Honor」シリーズを投入。メインのラインである「Ascend」シリーズとはブランドを分け、シャオミの得意なボリュームゾーンを狙う格好だ。
ほかにも、中国には回転カメラを搭載した端末が有名な「Oppo」や、世界最薄5.5㎜の端末を開発した「Gionee」、豊富な機能で人気を集めた「Coolpad」など、幅広いメーカーがひしめき合っている。まさに群雄割拠の状態だ。日本市場は特殊と言われているが、一方で、最近ではグローバルモデルに近いSIMフリー端末のラインナップも広がっている。ファーウェイに続き、日本に進出するメーカーが出てきても不思議ではない。その時に備え、今から注目しておきたい。

世界で存在感を増している中国メーカーに注目!

その他の中国メーカーの最新スマホをチェック!!

■Huawei
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▲グローバルでシェアを伸ばすファーウェイは、中国市場に特化した対シャオミ端末として「Honor」シリーズを投入。

■Coolpad
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▲キャリアおすすめモデルに選出されたこともあるCoolpad。価格以上の高い性能が魅力で、北米にも進出している。

■Gionee
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▲“薄さ”で他社との差別化を図るメーカー。2月発表のモデルは、厚さわずか5.5㎜。金属筐体の質感も高い。

■Oppo
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▲上部のカメラが回転し、イン・アウト両方を兼ねるギミックが特徴の『N1』が印象的。写真は、『N1』の小型版となる。

取材・文/石野純也


石野純也 プロフィール
出版社勤務時代に数々のケータイ関連誌を立ち上げた後、ケータイジャーナリストへ転身。昨秋は電子書籍「ソーシャルゲームの最新トレンド!」(KADOKAWA)を上梓した。