ゲームレビュー/ウルトラストリートファイターⅣ(後編)

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どんな時間でもネットワーク対戦の相手が見付かるのがうれしい『PS3』『Xbox 360』で発売中の『ウルトラストリートファイターIV』。レビュー後編のテーマは、ネットワーク対戦の楽しみ方や勝負の駆け引きなどについてお届けしていく。

■ネットワーク対戦
初心者同士で腕を磨きつつ
上級者のリプレイに学ぶ

前回のレビューを書いた後も、筆者は練習や情報収集を欠かすことなく続けていた。プライべートのほとんどは『ウルトラストリートファイターIV』漬けである。普通のゲームならこのくらい時間と労力を費やせば、ほぼ極めた状態になれるものだが、格闘ゲームは基本、対戦相手が人間となる。その技術や定石は奥深く、まだまだ覚えることが山積みといったところ。

肝心の勝率は……正直あまり変化がないのだが、プレイしている時の感覚はだいぶ変化したように思える。何をされたかわからずに負けることが減り、自分がどんなミスをしたのかがうっすらとわかるようになってきた。相手の動きが自分の想定範囲のものになってくれば、勝利まではあと少し。もちろんこちらの出方が変われば、相手の出方も変わる。しかしそれすらも頭に入れていけば、いつかは互角に近い戦いを楽しめるようになるはずだ。

筆者がネットワーク対戦を行なう時は、「ランクマッチ」と「リプレイチャンネル」を選ぶことが多い。仲間内などで行なわれる「チームバトル」や「トーナメント」でも勝利を狙いたいと思っているが、今はもっぱら観戦のために参加している感じだ。やはりアーケードで修練を積み重ねてきた連中は腕が違う!
■ランクマッチ
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対戦結果に応じてPP(プレイヤーポイント。そのプレイヤーの強さの指標)BP(バトルポイント。そのキャラクターを使いこなしているかの指標)が増減する対戦。自分と同程度のPPの相手を検索できるので、互角の勝負を楽しみやすい。
あまりに腕が違う相手と対戦すると、本当に何もさせてもらえずに負けることも多い。同じ程度の強さの相手を探せるのはうれしいポイント。

■リプレイチャンネル
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試合のリプレイを、1人でも複数人でも鑑賞できるモード。うまい人のプレイを参考にできるのはもちろん、保存しておいた自分のリプレイを「師匠」と一緒にチェックし、今後の課題を一緒に考えることなどもできる。

自分自身のリプレイをじっくり見ると、プレイ中に気が付かなかったあれこれが見えてきて勉強になるもの。筆者もあと一歩で勝ちを逃した試合などを中心に、リプレイを観かえすようにしている。

■読み合いと駆け引き
反射神経を頼りに遊ぶ
アクションゲームとの違い

「対戦格闘ゲームは読み合いが面白い」とはよく言われることだが、実際にはどのような攻防が繰り広げられているのだろうか。せっかくの機会なので少し詳しくお伝えしてみよう。

現代の格闘ゲームにおいては、「相手がしゃがんだのを見て中段判定の技(しゃがみガードできない技)を出す」「相手が飛んだので対空技を出す」という、反射神経に任せたプレイスタイルでは勝つことは難しくなっている。おそらく中段技は手痛い反撃を受けるだろうし、対空技は十中八九間に合わないはずだ。

なぜなら、前者のケースは自分が攻撃しているようで「攻撃させられている」状態であり、後者はこちらの対空技が「間に合わない」ことを見越して飛び込んでいることが多いため。もちろん、過去の格闘ゲームでもそうした部分での読み合いは重要だったが、こと「ストリートファイターIV」シリーズでは、その比重がさらに大きくなっているように感じる。

相手との間合いを変えたり、上段、下段と構えを変えたり、あえて小さなスキを見せたり。戦い慣れているプレイヤーは実際に攻撃を繰り出す前に牽制を行ない、相手の力量を測ったり、先手を取るか受けに回るかを判断している。いわば、剣豪同士の勝負のようなイメージだ。(こちらはテンポがえらく速いが)
例えば「相手から遠ざかる」という守備的な行動にも、さまざまなリスクが存在する。後退すればステージ端に追いつめられやすくなり、またリーチの長い下段攻撃や、ダッシュからの投げにも弱い。しかし、そのリスクを素直に攻めたのでは、遠ざかっていた側の想定内の動きでしかない。簡単に防がれるか、反撃を受けてしまうだろう。

そして強いプレイヤーは、このような一手先の読みだけではなく、二手先、三手先を見据えた読みを、同時に複数の状況を想定しつつ行っている。自分にとって都合よく相手が動いた場合はもちろん、そうでない場合も、その後の行動パターンを何種類も持っているのだ。
ただ、上級者はどんな状況にでも対応できるかと言えば、実はそんなこともない。タイミングがシビアな操作は、ある程度予測していたタイミングでしか行えないし、ダメージの大きな技を防ぐために何かを諦めるしかない場合もある。だから臆せずに、まずは自分の精いっぱいの力をぶつけてみることが大切だ。たとえ負けても、「一見スキに見えたあのタイミングで攻めに転じると痛い目にあう」などと、何らかの教訓を得られるだろう。

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▲例えば、Aの動きをした後、必ずBの技を出すといった単調さは、相手に読まれやすい。しかし、単調さをあえて印象付けておき、そこにつけこもうとした相手の裏をかくという戦法もある。相手の動きを読みきれていなくても、意識的に自分の行動パターンを変えることで相手の意表を突くことで、勝ちを狙えるのだ。

■まとめ
あと一戦、もう一戦と遊んでしまう
「ストリートファイター」の魔力

PS3/Xbox 360版の発売から約2週間、本作にどっぷりと浸るような日々を送った筆者。残念ながら対戦で満足のいく戦い方ができたことは数えるほどだが、それでもあと一戦だけ、もう一戦だけとネットワーク対戦を続けてしまう中毒性がとんでもない。これぞ対戦格闘ゲームの元祖が持つ魔力、といったところか。

ソフトの発売直後ということもあり、キャラクターを使いこなしているプレイヤーもまだ少ない。新たに参戦するなら今が絶好の機会ではないだろうか。しかしまあ、良い感じに連勝できるようになると、えらく気持ちがいいんだろうなあ……などと夢想しつつ、今はただただ精進あるのみ!

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●ハード:PlayStation 3/Xbox 360
●発売日:発売中(2014年8月7日発売)
●価格:各3990円(パッケージ版・税別)
●ジャンル:RPG
●プレイ人数:1~2人(オンライン時2~8人)
●メーカー:カプコン

公式サイト
http://www.capcom.co.jp/sf4/

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文/高橋祐介