2014年後半は、2万円前後のプチリッチなヘッドホンがクル?

2万円前後という価格を軸に製品を俯瞰し、そこからロック、R&B、JAZZの各音楽ジャンルにマッチする18モデルをチョイス。そして、オーディオ評論家の中林直樹氏に音質はもとより、フィット感やデザインなども加味してハイコストパフォーマンス機を選定してもらった。中林氏の全体の印象は次のようだ。

「特に印象的だったのはインナーイヤーでオーディオテクニカ『ATH-IM02』、オーバーヘッドではフィリップス『Fidelio L2』でした。いずれも音質面では広いサウンドステージと高い解像感を両立していました。また、この価格帯になると音質だけでなく『ATH-IM02』の軽量設計や、『Fidelio L2』の開放感を備えた装着性のような部分の質も注目できますね」

元来、特にインナーイヤーは1万円前後が市場の激戦区だと言われている。そこから倍程度に予算をアップさせると、各ブランドやシリーズの目指しているものが、より浮かび上がってくるようだ。

「その一つはドライバー構造に現われますね。複数のドライバーを搭載した製品が増えていくのがわかるでしょう。そして、例えばそれを低音再生に向けて開発したのか、広いレンジを獲得するために採用したのか、そういうメーカーの音作りの思想が鮮明になってきます。そうした傾向は、さらに上位機種との関連性を見付けることができます。この価格帯で良質な製品を見付けることは、すなわちハイエンドヘッドホンの世界の入り口に立っているのと同様のことなのかも知れませんね」

そんな少し背伸びすれば届く2万円前後のプチリッチヘッドホン、2014年下半期は下記3点に注目してみたい。

●多数のドライバー搭載モデルがメインとなるか!?
今年以前からの流れではあるが、一つはバランスドアーマチュアドライバーの多数化、かたやダイナミックドライバー×BAのハイブリッド、ダイナミック×2のハイブリッドなどの複数基搭載モデルのレギュラー化はほぼ必至。中でも上位のプレミアムラインで起こっている、BAドライバーの激しい増加傾向が、今後下位ラインにも降りていくかが焦点だろう。またダイナミックのハイブリッドにも期待したい。

●“本当の”ハイレゾ対応モデルが増加!?
昨年、オーディオテクニカから発表された『ATH-D900USB』は、USB DACを内蔵した室内用ヘッドホン。本当の意味でハイレゾ再生に対応したモデルだが、まだ後発の製品は同社からも他社からも発表されていない。ヘッドホン製品単体でハイレゾ音源の再生ができるという、画期的な手軽さを持っているだけに、同系統の製品発表に期待したいところ。2014~2015年以降のトレンド製品となるか!?

●カスタムモニタモデルの時代がくる!?
ヘッドホンのトレンドがどんどんと高級志向になっていくにつれて、カスタムインイヤーモニタヘッドホンの名前を聞くことが多くなっている。カスタムインイヤーモニタはいちから自分の耳型を採取して、そのデータを基に自分の耳型に最適な形状のヘッドホンになる。ほぼ10万円以上からのモデルだが、トレンドになればまずは5万円以内のモデルが増えるかもしれない。今後の動きに良く注目しよう。

高解像モニターサウンド低域と中高域それぞれに専用BAドライバーを搭載し、モニターヘッドホンとして使用できるオーディオテクニカ『ATH-IM02』(実勢価格=1万6070円)
高解像モニターサウンド低域と中高域それぞれに専用BAドライバーを搭載し、モニターヘッドホンとして使用できるオーディオテクニカ『ATH-IM02』(実勢価格=1万6070円)