軽く、薄く、そして鮮やか。8コアプロセッサ搭載の『GALAXY Tab S 10.5』

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「GALAXY Tab S」は、サムスン製タブレットのエンタテインメント機能強化型シリーズだ。大画面の10.5型モデルのほか、8.4型モデルも用意され、海外では2014年の6月から販売されている。その最大の特長は発色に優れた有機ELディスプレイを搭載していること。動画や静止画をビビッドに表示してくれるほか、電子書籍の文字をよりクッキリ表示できるなど、あらゆるコンテンツがより楽しめるようになっている。
もう1つのポイントは「GALAXY Tab」シリーズとして初めてWi-Fi版が国内正規流通する点。キャリア販売の3G/LTEモデルと異なり、月額料金不要で使える。

■基本機能をチェック

10型タブレットではかなりの軽量級
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▲本体重量は実測で466g。一般的な10型Androidタブレットが600g前後、同等サイズで最軽量の『Xperia Z2 Tablet』が426gなので、かなり軽い。

メインカメラは有効800万画素
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▲本体背面に有効800万画素のメインカメラを、前面に210万画素のサブカメラを搭載する。メインカメラ側には暗所撮影用のLEDライト付き。

指紋センサーでセキュリティも万全
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▲本体下部にホームボタン埋め込み型の指紋センサーを配置。登録したユーザー以外、ロック解除できないようにしている。決済などにも利用可能。

■注目の高精細ディスプレイ

本機の数ある美点の中でもディスプレイの性能は群を抜いている。まずパッと見で気付かされるのが発色の良さと、豊かな階調表現力、これまで見慣れたコンテンツが全くの別モノに見えるほどだ。また、表示解像度もこのクラスの製品としてトップクラス。表示の美しさだけでなく、情報量という点でも他社製タブレットを圧倒している。

発色だけでなく視野角の広さも◎
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▲有機EL(サムスン製「Super AMOLED」パネル)ならではの広視野角も自慢の1つ。自発光のため、どの角度から見ても色味が変わってしまうということがない。

ドットを感じさせない圧倒的な高解像度
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▲画面解像度は2560×1600ドット(WQXGA)。画素密度はこれほどの大画面ながら288ppiをマークしている。ほとんど印刷物レベルだ。

有機ELパネルならではの鮮やかな表示に注目
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▲『iPhone 5s』に同じ写真を表示させて比較。全体的に鮮やかに表示されるが、中でも空の鮮やかさがわかりやすく、違いが出ていた。

■充実のアプリ&基本機能

Androidの使いこなしに定評のあるサムスンならではの独自機能も満載。自慢のプロセッサパワーや高精細ディスプレイを駆使してタブレットとしての実用性を高めた。中でも最大の目玉は複数アプリの同時起動機能(マルチウィンドウ)。単に起動できるだけでなくデータのドラッグ&ドロップが可能など、PC並みの利便性を利便性を誇る。そのほかにも、OS自体に独自のカスタマイズが多数施されており、細かな部分で使い勝手が高められている。

2つのアプリを同時利用可能
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▲複数の対応アプリを同時に起動できるマルチウィンドウ表示。画面中央の境界線をドラッグすることで表示領域の大きさを調整できる。

実用的な音声操作にも対応
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▲「GALAXY」シリーズ独自の音声アシスタント「Sボイス」機能を搭載。アプリの起動など、入力した音声に応じたアクションを実行できる。

SideSyncでスマホ連携も万全
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▲Android 4.4搭載「GALAXY」シリーズをWi-Fiで遠隔操作できる「SideSync」を搭載。本体のホームボタンなども再現される。

■使い倒しインプレッション

ここ数年、7型タブレット人気に押され、やや影の薄かった10型タブレットだが、今年に入って以降、魅力的な製品の充実などによって、再び注目を集めつつある。
それらの中でもハイグレードな製品として注目を集めているのがサムスン『GALAXY Tab S 10.5』だ。とりわけ有機ELディスプレイ性能のすごさは、他に比肩するものがない。特に発色の鮮烈さは驚異的なレベル。単に派手なのではなく、Adobe RGBカバー率94%(一般的なタブレット向け液晶ディスプレイは70~80%)と広色域になっており、動画から写真まで、限りなく本来の色に近い発色で見せてくれる。なお、ギャラリーやビデオなど、特定のアプリを利用する際は独自の色調補正機能が動作し、より適切な色味に調整してくれる。映像系アプリではよりビビッドに、電子書籍系アプリではより白を白くといった具合だ。コンテンツだけに補正が適用されるという点も気が利いている。とは言え、この液晶の色味は好みが分かれるところではある。個人的にも初見では派手過ぎると思ったが、使っているうちに慣れてしまったので、さほど問題はないかもしれない。
10.5型モデルということで危惧される本体サイズの大型化についても影響を最低限に抑えている。フレーム幅を狭くするなど小型化を追求した結果、10型タブレットではトップクラスのコンパクトさに。加えて背面にドットパターンをあしらうことで持ちやすさも確保。
「どれも同じ」と思われがちなAndroid共通の操作画面も、サムスン独自のノウハウが多数投入されており使いやすい。指に吸い付くような操作感はもちろん、実際の利用シーンを研究しつくした細かな改善は賞賛に値するだろう。特に2つのアプリを1画面に表示する「マルチウインドウ」は、Facebookを見ながら予定表を入力したり、動画を観ながらブラウザで関連情報をチェック、したりといった使い方ができて便利。モバイル系OSタブレットの弱点を1つ解消したと言っても良いだろう。個人的にはホームボタンが今どき珍しい実ボタンとなる点も評価したい。あらゆる点でハイレベルな本機。大画面タブレットの決定版と言えるだろう。

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■結論

PCを置き換えられる可能性が感じられた

タブレットをPC代わりに使おうとする際に発生するいくつかの機能的、操作性的不満を解消しているのが本機の美点。写真や動画を驚くほど美しく表示してくれる有機ELディスプレイなど、PCを大きく越える点も多い。タブレットに最適化されたAndroidアプリが少ないという課題はあるものの、標準アプリだけで充分に楽しめるはずだ。

■SPEC
OS:Android 4.4 プロセッサ:Exynos 5420(1.9GHz×4+1.3GHz×4) ディスプレイ:10.5型(2560×1600ドット) メモリ:3GB ストレージ32GB サイズ:W247.3×H6.6×D177.3mm 重量:465g カメラ:フロント210万画素、リア800万画素 インターフェイス:microSDカードスロット×1、microUSB×1 通信機能:無線LAN(IEEE802.11ac/a/b/g/n)、Bluetooth 4.0 バッテリー容量:7900mAh

文/山下達也(ジアスワークス) 撮影/松浦文生