新世代の電動クルマ椅子「WHILL」に乗ってきた

「100m先のコンビニに行くのもあきらめてしまう」
そんな車椅子ユーザーの言葉をきっかけに開発されたのが電動車椅子の『WHILL Model A』だ。

わずかな距離の買い物でさえ、気軽には出かけられない。
多くの車椅子ユーザーは、移動に対してそんあ社会的な不安や物理的な障壁を感じてしまっている。
筆者も実際に車椅子に乗ったことがあるが、歩いている時は気付かないほどのわずかな上り坂や、ちょっとした段差が人力で動く車椅子には大きな障害物となる。
そして、そうした物理的な障害があることが、気軽に出かけることへの心理的な障壁となってしまっている。
そんな不安や障壁を取り払い、車椅子ユーザーもそうでない人も「乗ってみたい」と思えるパーソナルモビリティ、それが『WHILL Model A』の開発コンセプトだ。

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WHILL
Model A
価格:95万円

『WHILL Model A』の動力は電気。手元のコントローラーを前後左右に押すことで、まるでマウスを操作するように直感的に操ることができる。

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▲手元のコントローラー。

機能的な大きな特徴は、その前輪で、縦方向に転がる誌車輪に横方向に動く24個の小さなタイヤが装備されている。この小さなタイヤが横方向に動くことで、小さな回転半径で方向転換をすることが可能になり、砂利道や凸凹、段差のある道での走破性も大きく向上させている。

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▲24個の小さなタイヤが装備される特徴的なフロントホイール。

そして、もう1つの大きな特徴はそのデザイン。従来の電動車椅子に比べると、圧倒的に乗り物としてカッコイイ。デザインだけで「乗ってみたい」と思わされる仕上がりだ。
コントローラーを装備したハンドルは、使用状況に応じて可動するので、例えば食事の際などは後ろに倒して邪魔にならないようにもできる。シートは前後方向にスライドするので、乗り降りにも便利だ。

利便性と機能、それに「乗ってみたい」と思わせるデザインを併せ持った、これまでにないパーソナルモビリティだ。

その『WHILL Model A』に実際に試乗できる機会を得た。乗らせてもらった場所は、日本橋三越本店の特設スペース。屋内・屋外を問わず移動をサポートするパーソナルモビリティの快適さを体感できるよう設けられたスペースだ。


▲日本橋三越本店のスペースで試乗。限られた店内のスペースでも、快適に方向転換が可能で、音も静か。直感的に操作できるので、初めての試乗でも不安なく乗ることができた。

試乗時に感じたのは、コントローラーの操作に対して直感的に動いてくれるということ。前後にコントローラーを倒せば前後移動ができることはもちろん、右に倒せば前輪が前を向いたままでも横方向に可動するので、狭いスペースでも方向転換が可能だ。
また、コントローラーを斜めに倒せば、その方向に移動できるのも今までの電動車椅子にはなかった感覚。意のままに操れる感覚は、乗り物として文句なしに楽しい。

今回は試すことができなかったが、特徴的な前輪の機構から凹凸がある路面や、未舗装路での走破性も高い。次回はそんな場所で試乗してみたいと感じた。
車椅子ユーザーではない筆者も「もっと乗っていたい」「もっと色々な場所を走ってみたい」と思わされる試乗体験だった。

(増谷茂樹)