エンタメに臨場感を与える新リアルサラウンド『YSP-2500』

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音のビームを壁面反射させて前方の設置だけでリアルサラウンドを実現する、「デジタル・サウンド・プロジェクター」技術を備えた「YSP」シリーズの新ミドルクラス。薄さ51mmのボディにはφ28mmスピーカーユニット×16基を内蔵。アンプ内蔵サブウーファーは量感豊かな低音を再生する。コンテンツに最適の音場を生み出す「シネマDSP」技術の搭載も大きな魅力。
最新トレンドに合わせて、HDMI端子はシリーズ初の4K/60p対応/3D映像パススルー対応含む3系統を搭載。また、Bluetooth接続でスマホと連動し、専用アプリによるコントロールにも対応。伝統と最新技術を融合させた一台だ。

■基本機能をチェック

壁面反射を利用したリアルサラウンドを実現計

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▲複数の小型スピーカーによる音の波をビームとして放出し、壁反射させてサラウンドを生み出す独自技術。後方の音を感じるリアルな音場が特徴だ。

リアルサラウンドを生み出すスピーカー技術

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▲φ28mmのビームスピーカーを16個内蔵。最適化した内部設計で中高域の伸びを改善。サブウーファーはアンプ内蔵のパワード仕様で高音質化。

設置性の高い脱着式レッグ

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▲テレビ前に設置するサウンドバーに求められる設置性は、脱着式レッグで確保。高さは22~35mmに調整可能でスタンドを跨ぐ形でセットできる。

■YSP-2500の機能性

家庭内のコンテンツを長年楽しめる豊富な機能

元来、薄型テレビの“音”を改善するサウンドバーだが、テレビに限らず家庭内の音を高音質化するための中心機器として多機能化も進んでいる。Bluetooth対応となりスマホが専用アプリで音質調整も自由にできる万能リモコンになるし、スマホの音楽を聴くワイヤレススピーカーとしても活用できる。テレビと接続するHDMI端子は4Kパススルー対応と、長年使える高い機能性を持つ。

4Kパススルー対応

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HDMI 2.0を搭載してシリーズ初の4Kパススルー対応を果たした。BDレコーダー等で出力した4K/60p映像信号を本機経由でそのまま4Kテレビに入力できる。また3D映像やHDオーディオにも対応して高品質な映像/音楽再生が可能。

Bluetooth接続

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Bluetoothでスマホと接続。音楽再生はもちろん専用アプリの操作もできる。「Bluetoothスタンバイモード」でアプリ側から本機の起動も可能だ。

専用アプリ「HOME THEATER CONTROLLER」

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専用アプリでは基本的な操作に加えて、再生コンテンツに合わせて「シネマDSP」を切り替えたり、好みの音場位置を細かく設定するなど音の操作機能も備える。

■音質チェック

3ジャンルの映画タイトルでチェック

1、ヒューマンドラマ
永遠の0 Blu-ray 豪華版
価格:7020円 発売元:アミューズソフト

低音による臨場感と音の移動感を存分に実力発揮!

爆発音の多い真珠湾攻撃の爆撃シーンでは、爆発音の低音域がきちんとパワフルに響いて迫力抜群。零戦に乗って上空で空戦をするシーンでは、エンジン音が臨場感をもって場面を盛り上げてくれたのも好印象だった。空戦のドッグファイトでは、戦闘機が頭上を抜けて背後を取り縦横無尽に入れ替わる動きが、音の移動感と動きを表現することでリアルに再現された。

2、アニメ
アナと雪の女王 MovieNEX
価格:4320円 発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

歌声と映像の音位置を的確に合わせた心地良い音場空間

作中で雪の女王・エルサの歌うシーンを中心に視聴。作中の歌声を空間の中で響くように聴かせてくれるだけでなく、『YSP-2500』の実際に置かれている位置より高い画面から声が聞こえるので、映像と音の位置がピタリと合う。より正面方向の厚みを出して歌をハッキリと聴くには、「ステレオ+3BEAM」モードに切り替えると、ボーカルも聴き取りやすくなる。

3、ミュージック
マイケル・ジャクソン THIS IS IT
価格:2571円 発売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

部屋の中でも十分なライブ感を「シネマDSP」で実現する

マイケル・ジャクソンの『スリラー』の歌声は作中楽曲の中で上手くなじみ、サブウーファーの低音が中音域にも厚みを出して臨場感が感じられた。ライブがテーマの映画視聴は勿論、ミュージックBD/DVD再生にも実力は十分と言える。臨場感を上げるには「シネマDSP」から「MUSIC VIDEO」モードを有効にして視聴すると、よりライブ感のあるサウンドで視聴できる。

音質総論

音の移動表現が最大特長

本機の音質の最大メリットは優れた空間再現能力。『永遠の0』の様に全方向に音が回る作品では位置も把握でき、作品世界への没入感が高まる。標準の「5BEAM」モードは前方の音が軽めなので、音楽タイトルでは「ステレオ+3BEAM」とカスタムする方法も有効だった。

サラウンド感 9/10
セリフの明瞭さ 7/10
低音の迫力 8/10
中高音の解像感 7/10
音の定位感 10/10

■使い倒しインプレッション

機能と音質のバランスに長けた全方位モデル

各社からシアターシステムが発売されている中、導入する際の一番のハードルはやはり設置性だ。本機はワンボディのバー+ワイヤレスサブウーファーの構成で、現実的にテレビラックの上に置くことを考えたデザインを採用する。昨年来のテレビトレンドである背の低いデザインに合わせて、バー部分の高さは標準で51mmにスリム化。一方、ラックの上に置いた場合、スタンドに干渉する可能性もあるが、22mm/35mmの2段階で調整できる脱着式レッグを取り付けることで、どんなテレビの前でも設置できるようになった。この設置性の高さは高評価だ。
バータイプの課題であるサラウンドの再現性に関しては、「YSP」シリーズ全体の特長になるが、「デジタル・サウンド・プロジェクター」でビーム化した音を壁面反射させ、視聴位置の背後から鳴らすことで抜本的にクリア。壁の反射を利用する以上、その効果に環境の影響は避けられないが、音の反射を測定する「インテリビーム」でサラウンド効果を環境に最適化。その音場は、前方のみで表現する他社のバーチャルサラウンドとは一線を画す”真後ろ”からの再生音を体感させる。また、「ターゲット再生」機能で斜めの視聴位置にも対応できるので、テレビの正面位置にいなくても、自分のいる方向に音を鳴らすことができるのも、生活に密着した機能として気が利いている。
長く使っていくホームシアター機器だけに、さまざまな機器との接続性も重視したいポイントだ。HDMI入力端子は3系統搭載というだけでなく、4Kテレビとの接続性を考慮。最新のHDMI 2.0を採用してシリーズ初の4K/60pパススルーに対応した。また、古いデバイスへの対応性も高く、光デジタル端子×2、同軸デジタル端子×1というインターフェース構成の豊富さは贅沢の一言に尽きる。
多様なニーズに対応した汎用性についても触れておきたい。Bluetooth接続により、家で音楽を聴く際のアクティブスピーカーとして手軽に使えるようになった点や、「シネマDSP」でコンテンツごとに音質を最適操作できるなど、もはや「テレビの音を楽しむ」ではなく「家中の音を楽しむ」オールマイティなシステムの決定版と言えるだろう。

■『YSP-2500』はこんな人におすすめ!

マンション暮らしのシアターに最適

幅94cmでマッチするテレビサイズは40~55V型クラス。価格的には10万円弱と中級機になるが、サブウーファーの振動が小さいためマンション暮らしでも導入しやすいメリットがある。多機能で個人で徹底的に使い込む事もできるが、壁反射は視聴位置の自由が効く利点もあるので、他機種で最適な効果を得づらいファミリーにも推薦したい。

ヤマハ
YSP-2500

実勢価格:9万9130円

サイズ:W944×H51/73~86(レッグ未装着時/レッグ装着時)×D144mm/W147×H444×D353mm(センターユニット/サブウーファー縦置き) 重量:4kg/7.9kg(センターユニット/サブウーファー) 総合実用最大出力:107W(アンプ部32W、サブウーファー部75W)

文/折原一也 撮影/松浦文生