“SIMフリー時代”本格到来の今こそ知りたい「Windows Phone」の基本

『iPhone 6 Plus』の登場で注目を集めた「ファブレット」という言葉。「スマートフォン」と「タブレット」の中間にあたる6インチ前後のディスプレイを備えたスマートフォンをこう呼ぶ。今回取り上げるのは、iOSでもなければAndroidでもない。日本ではほとんど馴染みのないマイクロソフトの「Windows Phone」OSを搭載した『Nokia Lumia 1320』というファブレット。製品名からもわかる通り、かつて世界を席巻した携帯電話メーカー「ノキア」の製品だ。今回は『Nokia Lumia 1320』を通して「Windows Phone」というOS、「ファブレット」という製品ジャンルについてチェックしていく。

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▲『Nokia Lumia 1320』は「Windows Phone 8」を採用した廉価版ファブレット。6インチと大きなスクリーン(1280×720ドット)、1.7GHzのデュアルコアCPUを搭載するもサクサクと動作する。メインメモリーは1GB、ストレージは8GBと控え目だが、MicroSDカードで64GBまで拡張可能だ。廉価版ながらLTEバンド3/7/20に対応する点もポイントが高い。その他に11b/g/n、Bluetooth4.0、NFCも装備。サイズはW85.9×D9.79×H164.25mm、重量は220g。

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▲背面のカバーを取り外すと、SIMカードおよびMicroSDカードスロットにアクセスできる。SIMカードのタイプはMicroSIMだ。『Nokia Lumia 1320は』SIMロックフリー端末なので、最近話題のMVNOの格安SIMカードでも運用できる。さらに最大8台までのテザリングも可能だ。

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▲リアカメラは500万画素、30fpsのフルHD動画にも対応。タップフォーカス&タッチシャッターや顔認識AFといった定番機能もしっかりカバー。フロントカメラは30万画素で30fpsの640×480ドットの動画記録が可能だ。標準搭載の「カメラ」アプリは、マクロ/夜景/スポーツなどのシーンモードが用意されたり、フィルター機能が用意されたり、今どきのスマートフォンのカメラ機能をカバーしている。さらにWindows Phone 8.1からは新機能「バーストモード」を搭載し、高速連写した写真の中からベストショットを選べる仕組みを持つ。

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▲ホーム画面は、Windows 8でお馴染みの「タイル」を採用。よく使うアイコンをここに配置していく。タイルのサイズ(大/中/小の3種類)や位置は自由にレイアウトできる。またアプリによっては、タイル上に情報や画像を表示させてウィジェットのように使えるものもある。

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▲『Nokia Lumia 1320』は海外向けの製品だが、日本語入力プログラムおよびキーボードを備える。テンキーモードではフリック入力が可能で、推測変換で日本語入力を行なう。変換精度もまずまずのレベルだ。

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▲メールや連絡帳、カレンダーなどの個人データは「Exchange」や「Outlook.com」のアカウントが読み込めるのはもちろん、「Google」や「Yahoo!」「iCloud」にも対応。わざわざデータを移行しなくても、現在使用中のアカウントがそのまま使える点は便利だ。

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▲「Windows Phone ストア」でアプリを購入&インストールできる。iOSの「AppStore」やAndroidの「GooglePlayストア」と同様、トップセラーやジャンル検索、キーワード検索が可能だ。

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▲画面上部のバーを下方向にスワイプすると「アクションセンター」が表示される。ここではメール着信や予定が通知さたり、画面の回転やBluetoothのオン・オフなどの各種設定にすぐアクセスできる「クイックアクション」が用意されている。

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▲6インチのディスプレイなので、モバイル向けのサイトの閲覧も快適。Windows Phone版の『Internet Explorer』はタブブラウジングにも対応し、お気に入りのサイトを「タイル」に配置することも可能だ。

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▲「ミュージック」アプリは、アーティスト/アルバム/ジャンル/プレイリスト単位で再生できるオーソドックスなもの。iTunesのライブラリーとWindows Phoneを同期してくれるPC用アプリがマイクロソフトから配布されている。

しばらく使ってみて感じたのは、Windows 8ではまどろっこしく感じた「モダンUI」がスマートフォンのユーザーインターフェースとして完璧に機能していること。目的のタイル(アプリ)をタップすると、ホーム画面がめくれるようなアニメーションで、アプリがスムーズに起動する。標準搭載のアプリは必要最小限の機能だけにとどめ、シンプルな操作性を実現しているように感じられた。実際、筆者はなんの予備知識もなく『Nokia Lumia 1320』を触ってみたが、呆気ないほど簡単に、メールやネットサーフィン、スケジュール管理はもちろん、音楽再生や写真、ソーシャルネットワーキングサービスも楽しめてしまう。初めてスマートフォンに触れるような人々には、iOSやAndoroidよりもシンプルで使いやすく感じるのではないだろうか。

ただし、1つ残念に思ったのは「地図」アプリだ。Windows Phoneの「地図」アプリは、地域や国ごとに地図データが用意されており、ユーザーがその地図データをインストールすることで初めて利用できるようになる。本稿執筆時点では日本国内の地図データが用意されていないため、ナビゲーションやルート検索などを利用できない。日本地図を表示させても白地図なのでほとんど使えないと考えていい。Windows Phoneが日本で正式展開しているわけではないので仕方ない面もあるが、地図サービスを多用する人にとっては大きな障壁となる。Windows Phoneストアにはサードパーティー製「Googleマップ」アプリが多数存在するが、グーグル本家が提供するアプリと比べるとどれも使い勝手が悪い。

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▲標準の「地図」アプリには、日本地図データが用意されいないため、白地図となっている。筆者は『gMaps Pro』というサードパーティー製アプリで「Googleマップ」を利用するが、音声案内や公共の交通機関を使ったルート検索に非対応となっている。

Windows Phone自体が日本で正式展開されていないため、「地図」サービス等に不備があるのは仕方ないが、それ以外の点では非常に完成度の高いスマートフォンだ。iOSやAndroidのような多機能さはないが、必要十分な機能がシンプルにまとめられているので、これからスマートフォンを使い始めようとしている人には魅力的な選択肢となるはずだ。もともとWindows 8を使っている人なら操作性も馴染みやすい。

興味を持った人はアマゾンやSIMロックフリー端末を扱っているオンラインショップ等で入手できるので、最近流行の格安SIMと組み合わせて使ってみるのもいい。今回紹介した廉価版ファブレット『Lumia 1320』が3~4万円前後、同じくLTE対応の廉価版スマートフォン『Lumia 636』が2万前後で入手できる。

(永井太郎)