今年の秋カメラは大豊作!どれを買えばいいのか総括!

「カメラの命はセンサーサイズ&レンズ」が座右の銘のライター山下達也氏と本誌副編集長・石森が、大豊作である今年の秋カメラについて語り合った。

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山下 フォトキナ前後に一気に出揃う秋カメラですが、今年も8メーカーから何と22モデルも新製品が投入されました。ごく一部を除いて一通り実機を試した上で言うのですが、今年の秋は豊作ですね。

石森 同感です。何気にスタンダードなコンパクトカメラが“全滅”しているなど特筆すべき事態も発生しているのですが、それをうっかり忘れてしまうほど、魅力的な製品が充実しています。特に高級コンパクト市場は熱いですね。個人的にはキヤノンの1.0型センサー搭載機投入に痺れました。『G7 X』にはかなり物欲をそそられました。ほか、富士フイルム「X」シリーズ2モデルの大型EVFも必見です。

山下 ミラーレスカメラに押されてちょっと勢いが衰えたかなと感じていたんですが、それを吹き飛ばすほどのパワーがありますよね。フォトキナで展示されていたパナソニックの高級コンパクト機『DMC-LX100』も4K動画撮影対応など気になる点の多い製品です。

石森 さて、そうなるとうかうかしていられないのがミラーレスカメラですが、この秋はその点でちょっと控え目。オリンパスの『PEN LITE E-PL7』やソニー『α5100』など、エントリー層に向けた製品が中心となっていました。

山下 どちらも非常に良い製品なんですが、やはり中級者以上向けのリッチな製品も登場してほしかったですね。個人的には愛機『OM-D E-M5』の後継モデルに期待していたのですが……その辺りのグレードは例年、冬から春にかけて登場することが多いのでもう少し「待ち」なのかもしれませんね。

石森 そんな中、一眼レフに関してはハイアマチュア向けの高性能モデルが多数投入されました。特にニコンの『D750』はすばらしい完成度。30万円前後で購入できるフルサイズ機としてこれ以上の選択肢はないのではないでしょうか。

山下 フルサイズにこだわらないのならキヤノン『7D Mark II』も良い選択肢だと思います。最大10コマ/秒連写など、動きの激しい被写体をしっかり撮影したいという人にオススメの名機です。

石森 こうしたカメラの基本をおさえた王道的な製品が充実する一方、さらなる差別化を意識してか、これまではあり得なかったような製品が増えたことも今秋市場の傾向です。

山下 カシオ『EX-FR 10』は中でも極め付きのぶっ飛びモデル。バリアングル液晶モニタなどで「フリースタイル」というニーズは顕在化していましたが、まさか分離するカメラを出してくるとは……。これが市場にどう受け入れられるのかすごく気になりますね。

石森 “ぶっ飛びモデル”という意味ではソニーのレンズスタイルカメラに驚かされました。まさかあんな隠し球があるとは思わなかった。

山下 Eマウント機ユーザーとしては『QX1』は本当に気になる所。新しい『iPhone 6』のNFC機能と連携できるなら真剣に購入を検討したいと思います。毎日、Eマウントミラーレスを持ち歩くのは正直ツライのですが、これならカバンの中に入れっぱなしにしておけます。いざという時の取材カメラとして役立ってくれそうです。

石森 と、思い付く範囲を述べただけでも、これだけの“興奮”に充ち満ちている秋カメラ。春に富士フイルム『X-T1』を買ったばかりなのに、もう新製品が欲しくなっちゃいましたよ。とりあえず、普段使い用の高級コンパクトが欲しいかな。

山下 そう、実はそのニーズがここ数年の大きなキーワードなのではないかな、と。これからは1台のカメラで全てをこなすのではなく、用途に応じてカメラを使い分けていく時代になるのではないでしょうか。今回の個性的な新モデル群からは、そんなメッセージを強く感じました。

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面倒なWi-Fiペアリングを一瞬で終了してくれるNFC対応も今後のトレンド。現在はソニー、パナソニック、キヤノンがこれを実現している。

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全体的にセンサーサイズの大型化が進んでいる。一眼レフではフルサイズセンサー搭載機が、高級コンパクトカメラでは1.0型以上の大型センサーを搭載した製品が人気を博している。