ゲームレビュー/サイコブレイク(前編)

大量殺人事件が発生したとの報を受け、精神病院へ向かった刑事セバスチャンとその相棒たち。現場で何者かに襲われたセバスチャンが意識を取り戻すと、そこは狂気に彩られた不可思議な世界だった――。話題のサバイバルホラー、その恐怖を全2回にわたって体験!

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■ストーリー&システム
不可思議な世界をさまよい
この世の真実を解き明かせ

「バイオハザード」の生みの親、三上真司氏が真正面から恐怖を描いたサバイバルホラー『サイコブレイク』。主人公である刑事セバスチャンは、大量死亡事件の現場で何者かに襲われ、奇妙な世界へと迷い込んでしまう。鏡を使って不可思議な世界と現実とを行き来しながら、自分の身に何が起きているのか真実を突き止めてゆく。

今回はPlayStation 4版を使用し、表現がよりグロテスクになるゴアモード(18歳以上の予約購入者への特典)を適用してプレイ。家族不在、部屋は真っ暗、外は雨という絶好のホラー日和に、いざ狂気の世界へ!

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▲大量殺人現場に向かったセバスチャンは、フードをまとった謎の人物に襲われ、意識を失う。気が付けば天井から吊るされ、不気味な大男に切り刻まれる寸前!?

システムは、敵を倒しながら謎解きを進めていくアドベンチャー。とは言え、銃弾をガンガンぶっぱなし、強行突破するタイプのゲームではない。銃弾の数は限られ、ザコ敵でさえ、倒したと思っても実は転んでいるだけで突然起き上がり、襲い掛かってくる。背後から忍び寄ってナイフで仕留めるか、全力で逃げるか、随所に仕掛けられたトラップを逆利用するか、限られたマッチを使って確実にとどめを刺すか。シチュエーションに応じて、さまざまな戦術を瞬時に判断する必要がある。

……と、一度ゲームから離れると冷静に分析できるのだが、プレイ中はそんな余裕一切なし! もう、強敵が現われるたびにパニックですよ。「ヒッ!」とか変な声を上げながら、主人公を襲う不条理な恐怖と戦うしかない。とにかく怖い。ひたすら怖い。思い出しても怖い。というわけで、次項ではこのゲームの恐怖演出について迫っていこう。

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▲手持ちの銃弾やマッチの残数を常に意識しながら、バトルに挑む。ロッカーに隠れたり、走って敵を振り切ったりと、バトルを回避することも時には必要だ。

■恐怖の演出
死を強烈に意識させる演出の数々
慣れることない恐怖がここに

「恐怖」をテーマにしたゲームは数あるが、長時間プレイしているといつしか慣れてしまうものだ。最初のうちは恐怖演出のひとつひとつに慄いていても、やがて「はいはい、また来たのね」と真顔で化け物をあしらう……なんて経験をした人も少なくないだろう。

しかし『サイコブレイク』は違う。ありとあらゆる恐怖のバリエーションが詰め込まれ、いつまでも慣れることなくヒリつくような緊張感を味わせてくれる。

例えば、チェーンソーをかざして突進してくる「サディスト」や、巨大ハンマーを振り回す「キーパー」からは、その凶器が身体的痛み、死を強烈に意識させる。
蜘蛛のような体に貞子のような頭部のついた「ラウラ」、血と膿が体表を覆う「オルタエゴ」が突進、急襲する姿は、生理的嫌悪感を催させ思わず目を背けたくなる。
さらには、足元の死体がむくむくと起き上がる恐怖、逃げても逃げても後を追ってくる絶望、何かが背後にいそうな不気味な違和感、姿が見えないクリーチャーに翻弄される苛立ち、突如ロッカーから死体が転がり出た時の息が止まるようなショック。暗闇にはためく布、風に揺れる木々などの描写も巧みで、「そこになにかいそう感」を演出している。

これらの合わせ技によって、最後まで張りつめた緊張感を保っているのがこのゲームの大きな魅力だ。

では、ここで個人的に恐怖を感じたクリーチャーたちを発表します!

・サディスト

おもらし指数 ★★★★★

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▲序盤では対抗手段がなく、とにかく逃げるしかない。必死でロッカーに隠れると、チェンソーを唸らせながらヤツが接近。プレイする私も、思わず息を止めてしまうほどの恐怖……! チャプターが進むと倒せるようになるが、背後からチェンソーでグッサリやられること十数回。痛い、背中、痛い。プロレス会場で、チェーンソーを持った怪奇派レスラー「レザーフェイス」に追い回されたトラウマが疼きました……。

・突然飛び出してくるヤツ

おもらし指数 ★★★★☆

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▲扉を開けると亡霊が出現したり、ロッカーから死体が転がり落ちたり。実害はないのだが、プレイ中何度も声を上げてしまった。そりゃ「この家に入ってみるか」と近寄ったら、突然火のついた人間が飛び出してきたら驚くでしょう。油断した頃合いを見計らって出現するので、ショックもひときわ大きい。

■まとめ
恐怖と苦難の先には
達成感と爽快感が待っている

プレイしながら、何度もコントローラーを置いてため息をついた。いや、だって怖いんですよ……。クリーチャーは凶悪だし、暗闇の向こうになにかいそうだし、瞳孔開きっぱなし。数えきれないほど殺されまくる上、ゴアモードだから恐怖は倍増。現実世界に戻れる場所ではドビュッシーの『月の光』が流れているのですが、あのメロディが聞こえてくるとどれほどホッとしたことか……。

でも、その恐怖を乗り越えて、打開策を探っていくのがまた楽しい。何度もやられていると「あのタイミングでオイル缶を撃って引火すれば、敵の群れを一気に倒せるんじゃ……?」「あのトラップを使えば、敵を足止めできるはず」と、ふと自分なりの攻略法を思いつくことがある。それを実行して、思い通りに敵を出し抜いた時の気持ち良さといったら……!

というわけで、次回はシステムに関するインプレッションをお届けする予定。ゲームとしての面白さをお伝えしよう。

サイコブレイク
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●ハード:PlayStation 4/Xbox One/PlayStation 3/Xbox 360
●発売日:発売中(2014年10月23日発売)
●価格:【PS4版】【Xbox One版】7300円(パッケージ版/DL版ともに税別)
【PS3版】【Xbox 360版】5800円(パッケージ版/DL版ともに税別)
●ジャンル:サバイバルホラー
●プレイ人数:1人
●メーカー:ベセスダ・ソフトワークス

公式サイト
http://psychobreak.com/sp

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文/野本由起