セルフィーミラーレス!? 『OLYMPUS PEN Lite E-PL7』

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小型軽量のミラーレス「PEN Lite」シリーズの最新作。クラシックカメラ風デザインを上位「PEN」シリーズから継承しつつ、独自の下開き液晶や別ブランド入門機『OM-D E-M10』ゆずりの3軸手ぶれ補正を搭載。
これまでの同シリーズとデザイン上で大きく異なるのは、前面から両側面にかけてを革風の素材で覆ったこと。また、従来はメーカー名だけだった前面のロゴは「OLYMPUS PEN」というブランド名の表記になり、レンズ取り外し用のボタンが四角い形状から丸形になった。全体としては、適度に高品位な雰囲気を漂わせつつ、親しみやすさも感じるデザインだ。

■基本機能をチェック
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センサーはローパスフィルターレス

撮像素子には4/3型1605万画素Live MOSを搭載。解像感重視のローパスレス構造ながら、モアレは画像処理エンジンによって低減されている。

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デザイン刷新で高級感UP

従来は背面あったコントロールダイヤルを天面に移動したほか、グリップの形状を変更するなど、各部のデザインと操作感をブラッシュアップ。

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Wi-Fiによるスマホ連携対応

Wi−Fi機能を「PEN Lite」シリーズとして初搭載。タブレットやスマホとつないでリモート撮影や画像閲覧が楽しめる。

モニタは下方向に回転
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液晶の可動範囲は、従来モデルの上170度/下65度から、本モデルでは上80度/下180度へと変更。同社では、下開きを「自分撮りに最適なモニタを追求した結果」とうたっている。

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液晶下段には、eポートレートボタンやシャッターボタン、カスタムセルフタイマー切り替えボタンが自動表示。カスタムセルフタイマーでは、タイマー撮影の間隔と回数を指定できる。

自撮りをサポートする便利機能も盛りだくさん
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手ぶれ補正は、一般的な上下と左右方向の角度ぶれ補正に、光軸回転ぶれ補正を加えた3軸補正に対応。自分撮りの際にも重宝する。

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「iAUTO」モード選択時に表示されるeポートレートボタンをONにした場合は、自動検出した人物の肌を滑らかに補正してくれる。

■画質チェック
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180度回転させた液晶モニタを使って、子供の気を引きながら撮影。逆光ながら顔検出機能によって、顔が暗くならず最適な露出となった。画質については、肌の質感を的確に再現する発色の良さと、ハイライト部から中間調にかけての滑らかなトーン描写が確認できる。

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ライブコンポジットを選び、1コマの露出時間を2秒に設定した上で撮影開始。すると、車のライトが作り出す光跡が刻一刻と増えていく様子が液晶上にリアルタイムで表示。それを見ながら、十分な光跡になった時点で停止。約180秒で、光跡が美しい夜景写真ができあがった。

■結論
実機を手にしてまず目を引かれたのは、ほかのカメラではあまり見られない「下開き」の液晶モニタを採用したこと。可動の角度は上に80度、下に180度に対応。180度開いて液晶をレンズ側に向けることで、撮影者自身を被写体にした「自分撮り」が気軽に楽しめる。従来機が採用していた「上開き」モニタと比べた場合、ボディ側のシャッターボタンを使わず、液晶タッチで撮影を行なう際、下開きのほうがタッチしやすい利点がある。手を伸ばした際にレンズ部をさえぎる失敗がなく、ボディ上部によって画面の一部分が隠れて見えにくくなることもない。
個人的には、普段自分を撮りたいと感じることはまずないが、子供と一緒に記念写真を撮りたい時は時々ある。そんな用途に打って付けだ。もちろんローポジションやハイポジション撮影など自分撮り以外にも、液晶可動は重宝する。従来機に比べて、液晶アスペクト比が16:9から3:2に変更されたことで画面が一回り大きく表示可能になったことや、モニタが精細化したこともうれしいポイントだ(従来モデルでは約46万ドット→約104万ドットに解像度がアップしている)。
機能面では、今年2月発売の『EーM10』から継承したライブコンポジットが気に入った。これは、夜景や星空を撮る際、設定した一定秒数で連続撮影を行ない、その複数のカットをカメラ内で自動合成することで、1枚の写真として仕上げる機能だ。通常の長時間露光による夜景撮影とは異なり、周辺に明るい建物がある場合でも、建物側が露出オーバーになることなく、星や車のライトなどを光跡として手軽に記録できる。
また、新シーンモードとして「流し撮り」を、新エフェクトとして古い映画風の動画に仕上げる「オールドフィルム」をそれぞれ追加。複数カットを1枚の写真にまとめて記録するフォトストーリー機能や、マニュアルフォーカスの際のピーキング機能、WiーFiによるスマホとの連携機能なども新搭載した。フラッシュを内蔵していないことは個人的に不満だが、それ以外はオートからマニュアルまでの多機能が詰め込まれたカメラとして十二分に楽しめた。

■『E-PL7』をおすすめな人は?
ミラーレス入門者やファミリー層に

小型ボディをいかして日常感覚で持ち運びつつ、目に留まったものを気軽に撮影できるスナップカメラ。フルオートでも十分使えるが、必要に応じて各機能を細かく設定できる奥深さも備えている。コンパクトカメラからステップアップしたいミラーレス入門者のほか、家族や友人とのツーショット撮影を楽しみたいファミリー層にもおすすめ。

オリンパス
OLYMPUS PEN Lite E-PL7

[EZレンズキット]実勢価格:8万7470円
[EZダブルズームキット]実勢価格:10万3670円
[ボディのみ]実勢価格:7万1270円

サイズ:W114.9×H67×D38.4㎜ 重量:357g 撮像素子:4/3型LiveMOS 有効画素数:1605万画素 液晶モニタ:3.0型液晶(約104万ドット) ファインダー:なし レンズマウント:マイクロフォーサーズマウント 手ぶれ補正機構:センサーシフト式 シャッター速度:1/4000〜60秒 ISO感度:100~25600相当(拡張含む) 動画記録形式:MPEG-4 AVC(1920×1080/30pまで) 記録メディア:SDメモリーカード(SDXC対応)

文・作例/永山昌克 撮影/江藤義典