最新技術から予測、未来のカーナビはこうなる

各社ともクルマ関連技術の展示に力が入っているように感じられた今年のCEATEC。その中でも、カーナビの進化に影響しそうなものを乗り物ライター・増谷茂樹がセレクト。未来のカーナビとはどうなっていくのか予測してみた。

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今年の展示の目玉はクルマ関連技術と言っていいほど、クルマに関わる技術やソリューションの展示が目立った今年のCEATEC。それだけ、クルマのデジタル化が進んでいるということを実感させられるショーでもあった。

その中でも注目を集めていたのが、人とクルマの新しい関係を構築してくれそうなUIの展示だ。シャープは「フリーフォームディスプレイ」と呼ばれるデザインの自由度が高い液晶ディスプレイを出展。これは従来は液晶の額縁部分に搭載されていたゲートドライバと呼ばれる駆動用回路を、表示領域内の画素に分散配置したもの。これによって額縁を極めて薄くするとともに、デザインの自由度を飛躍的に高めることが可能になった。

従来は四角形状が一般的であった液晶ディスプレイだが、このディスプレイならば液晶を丸形にすることなども可能になる。近年のクルマはダッシュボードのデザイン性も高まっているが、この技術を使えば丸形の液晶を搭載したカーナビや、スピードメーターと一体となったようなカーナビなども実現できるようになるかもしれない。従来の液晶ディスプレイに対する概念を大きく変革してくれるような新技術だ。

カーナビのUIとして欠かせない存在であるタッチパネルの新技術を展示していたのは京セラ。タッチパネルに触れた際に、ボタンを押したようなクリック感を感じさせるパネルは、モニタにブラインドタッチした際にも操作感を得ることができるため、ドライブ中に触れる機会もあるカーナビのUIとしては向いていると感じた。

また、クルマのハンドル部分にタッチパネルを搭載したデバイスも展示。これは、タッチパネル部分をなぞることでスクロールなどの操作ができるもので、カーナビのリモコンやステアリングスイッチのように活用できれば、モニタに手を伸ばすことなくハンドルを握ったまま地図のスクロールや縮尺変更などの操作ができるようになりそうだ。こちらも安全性と操作性の両立が求められるカーナビには向いている技術であると感じられた。

同じく京セラが出展していたのは液晶を内蔵したルームミラー。ミラーの端のほうに、ガソリンの残量や気温、天気予報などの情報を表示してくれるというアイテムで、車内でのドライバーへの情報提供のかたちとして可能性を感じるものだった。

近年のカーナビはドライバーに提供する情報量が飛躍的に増えており、それをいかに安全にドライバーに届けるかにメーカー各社は工夫を凝らしている。ヘッドアップディスプレイ(HUD)の導入もその一貫だが、ルート案内に直接関わらない天気予報などの情報は、このようにルームミラーを使う提供方法も有望だと思えるものだった。

カーナビは車内の代表的なデジタル製品だが、近年は高性能化・多機能化が進んでおり、その高機能を安全性を確保しながら、いかにドライバーに使いこなせるようにするかが問われている。そうした意味で今回のCEATECに出展されていたような技術が実用化されればカーナビの使い勝手はますます高まっていくだろう。そんな期待感を持った今回の展示内容だった。

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シャープ『フリーフォーム ディスプレイ』
シャープが出展していた技術の1つがユニークな形状に成形可能な「フリーフォームディスプレイ」。自由に形を変えることで、丸形の表示画面が実現したり、メーターとナビのモニタを共通化することが可能になる!?

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京セラ『新感覚 タッチパネル』
ハンドルの親指が当たる部分にタッチパネルを搭載。指でなぞることで、スクロールなどの操作が可能だ。実用化されれば、ナビの画面に触れることなくスクロールなどの操作が可能に。

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京セラ『液晶内蔵 ルームミラー』
ルームミラーに液晶を内蔵し、情報などの表示が可能になるアイテムも展示されていた。地図以外の情報は、こうした部分に表示させることで、ドライバーに情報を伝えやすくなりそう。