3つの武器で君臨するソニー次世代4Kハンディカム

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4K時代に向けた4Kビデオカメラの最新世代モデル(ソニーの民生向け4Kビデオカメラとしては3台目)。従来モデルでは搭載が見送られたフルHD「ハンディカム」の人気機能を多数復活させるなどして実用性を大きく高めている。兄弟モデルとしてプロジェクターやビューファインダーを省略した『ハンディカム FDR-AX30』(実勢価格:14万270円)も同時発売。
4K撮影はソニー独自のXAVC Sフォーマットを採用。最大4K/30p画質での撮影が行なえるのは先代『FDR-AX100』同等だが、新たにより高画質な100Mbps撮影が可能になった(『FDR-AX100』も後日アップデート対応)。

■基本性能をチェック

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大口径光学10倍ズームレンズ搭載

カールツァイス銘の光学10倍ズームレンズ(f=29.8mm〜、F1.8〜3.4)を搭載。6枚羽根の虹彩絞りによって、美しく背景をぼかせるのも◎。

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内蔵マイクでのサラウンド録音が可能

本体上部に配置されたサラウンドマイクで、5.1ch音声の収録が行なえる。映像の情報量に負けない、臨場感あふれるサウンドを記録可能だ。

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内蔵メモリ&SDカードへ記録

64GBの内蔵メモリに約1時間15分(4K/30p/100Mbps)の撮影が可能。加えて、最大128GBまでのSDメモリーカードにも記録できる。

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内蔵プロジェクターで撮ったその場で大画面投影

プロジェクターは本体側面のモニタ裏に配置。解像度は854×640ドット、明るさは50ℓmと、このサイズでは上々のスペックを誇る。

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テレ端でも強力に動作する空間光学手ブレ補正搭載

一部のレンズだけを動作させる従来型の手ぶれ補正機構と異なり、レンズと撮像素子全体を丸ごと動作させ、より効果的に手ぶれを軽減。特にズーム時に効果大だ。

■画質チェック

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画力のポテンシャルを把握するため、薄暗い蛍光灯下という不利な条件で撮影してみたが、補正機能が上手に働き、自然な範囲でビビッドに。若干の解像感低下があるものの、屋内でこれだけ撮れれば充分だろう。

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テレ端、夜間、手持ち撮影という、さらにハードな条件で撮影ながら鉄塔の細部までしっかり捉えており、4Kならではの画になっている。かなりの高コントラストだったが、白トビ、黒ツブレもほとんど発生していない。

■結論
ソニー 『ハンディカム FDR-AXP35』の第一印象は「小さい!」。ちょうど約1年前に発売された『FDR-AX100』と比べるとそのコンパクトさが際立つ。サイズ(体積)は約30%減、重量もカタログ値で約165gも削減されているというのだから驚きだ。これなら胸を張って“ハンディ”カムと言って良いだろう。
ただし小型化を実現するために、センサーサイズが『FDRーAX100』の1型から、高級フルHDビデオカメラクラスの1/2.3型になった点には注意。面積比で約4分の1程度になり、それが少なからず画質低下につながっていた。具体的には光量の乏しい場所が苦手。
その代わり、従来4Kビデオカメラには搭載できなかった、「ハンディカム」ならではの機能を多く搭載してきている点は◎。特に「空間光学手ブレ補正」は、センサーサイズの小型化というマイナスを打ち消して余りある。手ぶれ補正効果が大幅向上したことで、『FDR-AX100』ではやや厳しかった歩き撮りや、手持ちでのズーム撮影(最大10倍)でも、手ぶれをほとんど感じさせない映像が撮れた。動きに強い100Mbpsでのハイビットレート記録対応(上記参照)も含め、旅歩き撮影や、子供の運動会の記録などには明確にこちらの方が実用的だ。
また、大きな美点ではこちらも4Kビデオカメラ初となるプロジェクター内蔵が挙げられる。残念ながら4K画質とはいかないのだが、結婚式後の飲み会会場や宿泊先のホテルなど、テレビのない場所で撮ったばかりの映像を楽しめる魅力は少しも損なわれない。光量も充分確保されているので、ちょっと薄暗い程度で充分に映像を楽しめた。
さらに大きな改善点として『FDR-AX100』で省略されていた内蔵メモリ(64GB)が復活した点も評価したい。別途高速SDメモリーカード(1万円強)を買わずに済むのはうれしい。
全体的に“お手軽感”を高めた本機だが、従来機で小さく使いにくかったマニュアルダイヤルをレンズ周りに移動して使いやすくするなどの改善も実施。ビギナーから上級者まで幅広い層を満足させるビデオカメラへと進化している。

■『FDR-AXP35』をおすすめな人は??
4Kテレビの前にまずビデオカメラを!!

4Kテレビが本格普及する前の現時点で、4Kビデオカメラを買う必要があるのかという声もあるが、思い出は機器の普及を待ってはくれない。海外旅行や子供の成長記録などを最高画質で残したい人は、たとえテレビを持っていなくても「買い」だ。2Kテレビ向けに4K映像の任意部分を切り出してフルHD表示する機能にも新たな可能性を感じた。

ソニー
ハンディカム FDR-AXP35

実勢価格:15万6470円

サイズ:W75×H155×D78.5mm 重量:約725g 撮像素子:1/2.3型1890万画素CMOSセンサー(動画撮影時有効画素数:829万画素) 光学ズーム:10倍(f=29.8~298mm相当/F1.8〜3.4) モニタ:3.0型(約92.2万ドット) ビューファインダー:0.24型(155.5万ドット) 記録メディア:内蔵メモリ(64GB)、SDメモリーカード、メモリースティック PRO Duo

文・作例/山下達也(ジアスワークス)