遠くの被写体もばっちり撮れる、強力ズームカメラに注目!

手軽なスマホカメラでも、本格派レンズ交換カメラでも到達できない、コンパクトカメラの独壇場が数十倍級の光学ズームレンズを搭載したウルトラズーム機。最新モデルでは光学60倍にまで到達しており、肉眼では見えないような遠くの被写体も大きく撮影できるようになった。

毎日持ち歩くには少々大きめなのだが、いざという時のためのセカンドカメラとしては大あり。旅行やイベント用カメラとして一台持っておくと撮影の幅が大きく拡がるだろう。富士フイルムの春モデル『FinePix S9900W』のように、3万円台で買える低価格な選択肢も充実し始めている。

また、強力なズームレンズを搭載しつつ、ポケットサイズにもこだわったコンパクトハイズーム機も大人気。最新モデルであるパナソニック『DMC-TZ70』、キヤノン『PowerShot SX710 HS』では光学30倍ズームを達成。普段使いも可能なサイズなので、1台で全てをこなしたいという人にはこれらの製品がおすすめだ。

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パナソニック『LUMIX DMC-TZ70』(実勢価格=4万8060円)。ほぼ同スペックだった先代『DSC-T60』からあえて画素数を減らすことで、高感度画質を向上させたコンパクトハイズーム機。

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0.2型116万画素のEVFを搭載。小型だが見え方は悪くない。もちろんアイセンサー搭載だ。

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ズームレンズはf=24mm相当からの光学30倍。超解像iAズームでは60倍相当まで望遠可能。

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カメラを構えた状態で各種撮影設定を変更できるコントロールリングをレンズ周りに配置した。

【評価人のコメント】
1/2.3型センサーの適正画素数は1000万画素前後だと考えているので、画素数を減らすという判断は正しかったと思います。また、EVFを内蔵している点も◎。がっちり固定して撮影できるので、望遠時でもぶれずに撮影できるでしょう。いろいろな意味で誠実に作られたカメラだと感じました。唯一タッチパネル非対応なことだけが残念です。(プロフォトグラファー永山)

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富士フイルム『FinePix S9900W』(実勢価格=3万5100円)。f=24~1200mm相当の光学50倍ズームレンズ搭載モデル。最短1cmからのスーパーマクロ撮影も可能など幅広い被写体に対応するのが売り。先代『S9400W』と比べ、EVFの性能が大幅向上している(約23万画素→約92万画素)。

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このクラスの製品では珍しい乾電池駆動に対応。アルカリ単3電池4本で約300枚の撮影が可能。

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グリップ部のほか、レンズ胴部にもズームレバーを配置。左手でもズーミング操作を行なえる。

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自慢の光学50倍ズームレンズはF2.9〜6.3。デジタルズーム併用で最大100倍まで拡大できる。

【評価人のコメント】
レンズ交換式カメラでは到底到達不可能な光学50倍ズームがお見事。レンズ性能に比してコンパクトなので、運動会などで悪目立ちすることなく我が子をアップで撮るなどできます。グリップが大きく、しかも軽量なので持ちやすいのも良いところ。もう1つ何か使い方を提案するような仕掛けがあれば「AA」をあげられた製品です。(プロフォトグラファー永山)

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キヤノン『PowerShot SX710 HS』(実勢価格=4万1900円)。f=25mm相当からの光学30倍ズームレンズ搭載機。『DMCTZ70』(右ページ参照)とは真逆に、先代モデルから高画素化。ほか、動画撮影時の5軸手ぶれ補正(電子式併用)の効果を向上などといった機能強化が施されている。

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動体をズーム撮影する際に便利なフレーミングアシストボタン。押すと一時的に画角が引きの状態になる。

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本体サイズは小型・軽量だが、ボタンサイズは大きめに作られており、操作感を向上させている。

【評価人のコメント】
自慢の高倍率ズームレンズをより効果的につかえるようにした「フレーミングアシスト」機能がユニーク。運動会はもちろん、バードウォッチングやスポーツ観戦など、幅広いシチュエーションで役立ちそうです。各種ボタンが押しやすいのもポイントが高いですね。ただ、モードダイヤルの配置だけはいただけません。回しにくいです。(プロフォトグラファー永山)

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キヤノン『IXY 640』(実勢価格=2万3540円)。「IXY」ならではの小型ボディに光学12倍ズームレンズ( f=25mm相当~)を搭載。先代『IXY 630』と比べ有効画素数が2020万画素にアップしている。

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手で握ってしまえるほどコンパクト。レンズ部分もほぼ突起がないためポケットに入れておける。

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光学12倍ズームレンズはF3.6~7。望遠端ではかなり暗くなってしまうのが泣きどころか。

【評価人のコメント】
光学ズーム性能では『PowerShot SX710 HS』にかなり劣りますが、携帯性、コストパフォーマンス重視という人にはこちらもおすすめです。普段撮りなら光学12倍ズームもあれば事足りるので、特に大きな不満を感じることはないはず。ボタンも大きめで使いやすかったです。ただし、最盛期の「IXY」と比べて若干安っぽくなってしまったのだけが残念。(プロフォトグラファー永山)

評価人/プロフォトグラファー
永山昌克

海外スナップ写真を中心に活躍する写真家。97年からはカメラレビューの執筆開始、これまで試用した製品は千台以上。カメラグランプリ選考委員も歴任。

取材・文/山下達也(ジアスワークス)
撮影/松浦文生