加速度的に普及中の「ハイレゾ」、押さえておくべき最低限の基礎知識

ハイレゾブームの今、まず注目したいオーディオ機器はやはりハイレゾプレイヤーであることに間違いはない。ハイレゾを理解するためにも、下記の4つのハイレゾ音源にまつわる最低限の知識と市場動向は追っておかなければならないだろう。

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●1.音源フォーマットについて

【FLAC】データ容量のみを圧縮し再生時には元の音声データへと復元することで、元データに限りなく近い音質を実現する「ロスレス圧縮(可逆圧縮)音源」。楽曲名やジャケット画像データなどの付加情報が付与されているため、データの取り回しに優れる。

【WAV】元の原音データを圧縮しない「非圧縮音源」。理論上、一切音質は劣化しない。FLACに比べるとデータ容量が大きくダウンロードや保存がしにくいことや、楽曲の付加情報が紐付けられない点もあるが、対応プレイヤーソフトが豊富などメリットも大きい。

【DSD】FLACやWAVなどのPCM音源とは異なる録音方法を採用しており、アナログ記録に近い音の特性を持つフォーマット。これまでは再生機器も限られる上にタイトル数も少なかったが、配信サイトの積極的なDSD配信によりその注目度を徐々に上げている。

●2.音源スペックについて

【サンプリング周波数(Hz)】1分間にアナログ音声信号をデジタル化する頻度を示した単位で、音域の高低を表す。実際に再生できる音域は数値の約1/2までで、例えば数値が96kHzなら48kHzまでとなる。値が大きいほど音は奥行きや余韻を増す。

【量子化ビット数(bit)】サンプリング周波数と同じくアナログ音声信号をデジタル化した際の数値で、音の大小を規定する。この数値が大きいほど、より小さな音から大きな音までその大小を微細に区別して記録・再生できるようになる。

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ブロックを組んで物を作る時に、より小さなブロックで組めば細かく再現できるのと同様に、サンプリング周波数と量子化ビット数の数値が上がるほど再現度は原音へと近づく。

●3.音源を購入できるサイトについて

音源は配信サイトからダウンロード購入できる。面倒かもしれないが、揃えているタイトルがサイトごとに異なることもあるので複数のサイトを巡回するのがベスト。今後は、よりサイトごとにタイトルやサービスの特色が顕著になると予想されるので、今から各サイトの特色を掴んでおくといい。

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・e-onkyo music http://www.e-onkyo.com
・mora http://mora.jp/
・VICTOR STUDIO HD-Music. http://hd-music.info
・OTOTOY http://ototoy.jp/

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若年層の増加に伴い、e-onkyo musicはプリペイドカードを導入した。

●4.今、どんなタイトルが揃っているか

【J-POP】最もリリースの激しいジャンルで、最新タイトルがCDと同時発売されるケースも増えている。大きなトレンドは、コア層を狙った80~90年代タイトルの配信。中森明菜や松田聖子などのアイドルや、尾崎豊のようなファン層の厚いタイトルが注目を浴びている。
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【洋楽】洋楽もポップスやロックが増えてはいるものの、やはり黎明期からハイレゾ市場を支えてきたクラシックやジャズのタイトルが根強い人気を持つ。ハイレゾ初心者向けのコンパクトな入門コンピレーションが増えており、オーディオファン層のハイレゾ参入を促している。
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【アニソン】ハイレゾの認知度を前線で引っ張ってきたのがアニソンタイトルだ。ハイレゾへの理解があるユーザーとアニメファン層が合致するため、注目度は極めて高い。特に声優ユニットのボーカル曲と、サントラなどの劇伴タイトルが市場を賑わせている。
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【特殊録音タイトル】あくまでサブカテゴリーだが、特殊な録音機材を用いた音源が増えている。基本的にはDSD音源であり、中には11.2MHzという超ハイスペックな音源も登場してきた。そこまでのスペックは別として、対応のプレイヤーもその数を増やしているので今後目を離せないカテゴリー。
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文/編集部 撮影/篠田麦也

※『デジモノステーション』2015年5月号より