4K画質と相性ぴったりのワイプ撮り対応!『HC-WX970M』

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▲パナソニック『HC-WX970M』

既にミラーレスカメラやアクションカムなどで幅広く4K記録ソリューションを提供しているパナソニックが、最後の1ピースとして投入した「4Kビデオカメラ」が本機。昨年発売されたHDビデオカメラのヒット機種『HC-W850M』とほとんど変わらないコンパクトボディ(クラス最小・最軽量)に、高画質4Kムービー撮影機能を凝縮させた。

また、ライバル機にない独自の機能として、『HC-W850M』で好評だったサブカメラを利用したピクチャー・イン・ピクチャー(「ワイプ撮り」と呼称)を発展搭載。Wi-Fiとスマホなどを組み合わせた「ワイヤレスワイプ撮り」も行なえるようになった。

■基本性能をチェック

<4Kビデオカメラとしてクラス最小・最軽量>
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本体サイズは従来HDビデオカメラと全く同水準。本体重量もバッテリー込みで約447gとなっており、4Kビデオカメラ最小・最軽量をマーク。

<高精細な静止画撮影にも対応>
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動画を撮影しながらの静止画撮影にも対応。撮影した4K動画からベストなコマを選択して静止画として切り出す「4K PHOTO」モードも搭載する。

<Wi-Fiを駆使した高度なスマホ連携>
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Wi-Fiを利用したスマホなどからのリモート操作(ズームなど)&撮影にも対応。対応AndroidスマホならNFCを使った簡単ペアリングも行なえる。

■高機能

単に4K解像度(3840×2160ドット)で撮影できるだけでなく、それに見合った優れた撮影機能も搭載。おなじみライカ銘レンズに加え、マニュアル撮影機能など、ハイエンドビデオカメラならではの高機能を漏れなく搭載している。もちろん内蔵メモリもクラス最大の64GBを搭載。ただし4Kムービーはデータサイズが大きいため、約1時間50分しか記録できない。より長時間撮影したい場合はSDメモリーカードを併用すること。

<こだわりムービー撮影のための機能も充実している>
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レンズ右下部に機能ダイヤルを配置。露出補正など、さまざまな撮影設定をここからマニュアルで変更することが可能だ。

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別途マイクを追加することなく5.1 chサラウンド録音が可能。4K映像をさらに際立たせる、臨場感ある音声が録れる。

<ライカ銘の強力ズームレンズ搭載>
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レンズはf=30.8~626mm相当の光学20倍ズームレンズを搭載。ライカ銘を付けているだけあり、優れた解像力を誇る。F1.8~3.6と非常に明るいのも◎。

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ライバル機と比べてワンランク上の光学20倍ズームレンズ。超解像iAズームを併用することで最大25倍までの低劣化デジタルズーミングも可能だ。

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手ぶれ補正は、光学式3軸(回転ぶれ)+電子式2軸(上下/左右ぶれ)の「5軸ハイブリッド手ブレ補正」。強力に手ぶれを軽減してくれる。

■進化点

画面の隅にサブカメラで撮影している動画をはめ込む形で記録できる「ワイプ撮り」機能は、パナソニック製ビデオカメラだけのアドバンテージ。本機では同機能を第2世代にパワーアップさせ、使い勝手をより高めることに成功している。特に4K化に伴う情報量アップは見逃せないポイントだ。

<より進化した第2世代ワイプカメラ>
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写真はワイプカメラの表示イメージ。運動会で全体の映像を収めつつ、我が子の顔をアップで撮影することなどができる。なお、サブ映像の位置はタッチ操作で四隅の好きな位置に移動させることが可能だ。サイズも3種類から選択できる。

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先代『HC-W850M』では横方向にしか回転しなかったサブカメラが上下可動(約40度)も可能に。子供を撮りながらの自分撮りも行ないやすくなっている。

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Wi-Fiを使ってスマホのカメラをサブカメラとして利用する「ワイヤレスワイプ撮り」も可能に。内蔵サブカメラを使うよりも自由度の高い撮影が可能になった(記録解像度はフルHDとなる)。

■画質チェック

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明暗差の大きい太陽光下の屋外でも、白トビ/黒ツブレを抑えた情報量の多い動画を撮影できた。4Kならではの良好な解像感もすばらしい。ただし、周辺部にわずかながらパープルフリンジ(色ズレ)が発生してしまっている。

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光量少なめの屋内撮影では少なくない量のノイズが発生してしまっている。とは言え、それでも情報量はフルHDより遙かに上。花びらや葉の質感をしっかりと再現してくれている。また、色の再現性も極めて自然に感じた。

■使い倒しインプレッション
4K対応1号機ながら文句の付け所なし!!

昨年までの4Kビデオカメラは、従来HDビデオカメラと比べて本体サイズがかなり大きく、機能的にも省略されているものが多かった。今年に入ってかなり小さな製品が登場してきているが、頑張っている製品でも700g弱と、お世辞にも「コンパクト」とは言いがたかった。

そんな中、パナソニックは4Kビデオカメラ1号機で500gを大きく下回る軽量ボディを実現。現実的な選択肢としての4Kビデオカメラの敷居を大きく下げてみせた。機能的にも従来モデルからの人気機能をフル搭載しているなど、但し書きのない、本当の意味できちんと“使えるビデオカメラ”になっている。

その上で、昨年モデルから搭載され始めた「ワイプ撮り」機能を大きくパワーアップ。4K解像度に耐えうる解像力に画質アップしたことに加え、従来はできなかったサブカメラの上下動作を可能にした。これまでもモニタ部分を回すことで上下方向の被写体に対応できなくもなかったのだが、本機ならモニタを見やすい向きに固定しつつ、サブカメラだけを被写体に向けることができる。

また、記録解像度が4倍となったことで、ワイプ撮り時の情報量も同じく4倍に。従来モデルではサブ画面の解像度に不満があり、結局はメイン画面でも全体を押さえる必要があったのだが、本機ならメイン画面をアップ撮影に集中させることが可能だ。学芸会や運動会はもちろん、スタジアムでのスポーツ観戦、多人数が参加するアウトドアレジャーなどをより効果的に撮影できるだろう。なお、フルHD撮影時に限られるが、ワイプ撮り時に小窓を挿入しないオリジナル映像も合わせて残すモードも追加されている。

気になる4K画質は100Mbpsでの記録が一般的な他の選択肢と比べて低ビットレート(72Mbps)ながら、良好な映像処理などのおかげで全く遜色ないレベルを実現。4Kらしい解像感の高さを感じさせてくれた。もちろん手ぶれ補正効果やAF速度なども上々。4Kでは手ぶれやピントの甘さをフルHDよりも感じやすくなるのだが、本機ではそれを全く感じさせない、全方位的な高画質を実現している。

■結論
4K動画撮影を楽しみたい全ての人に

動画を快適に撮影するために必要となる機能を、コンパクトなボディにパッケージングした本機は、これまで通りの感覚で4K動画を撮影できる逸品ビデオカメラ。光学20倍ズームレンズなど、「ワイプ撮り」機能がいらないという人にとっても、十分に価値ある製品に仕上がっており、4K動画撮影の決定版モデルとして幅広い層におすすめできる。

■スペック

サイズ:W65×H73×D161mm
重量:約447g
撮像素子(メインカメラ):1/2.3型1891万画素MOSセンサー(動画撮影時有効画素数:829万画素)
光学ズーム:20倍(f=30.8~626mm相当/F1.8~3.6)
モニタ:3.0型(約46万ドット)
記録メディア:内蔵メモリ(64GB)、SDメモリーカード

(パナソニック『HC-WX970M』Webサイト)
http://panasonic.jp/dvc/wx970m/

文・作例/山下達也(ジアスワークス) 撮影/江藤義典、松浦文生