蔦屋家電であらためて考えた。家電量販店はネットショップに駆逐されるのか?

5月3日、二子玉川駅の新名所『二子玉川ライズ・ショッピングセンター』内に「蔦屋書店」の新しいブランド「蔦屋家電」が誕生しました。もう、行かれましたか?

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▲蔦屋家電の看板。ロゴと並ぶアイキャッチにはエスプレッソマシンが使用されている。

二子玉川近辺の住人にとった、“この街に欲しい施設はどういったものですか?”というアンケートで、“家電量販店が欲しい”という答えが全体の2位に挙がったことが、蔦屋家電誕生の大きな要因とのこと。

蔦屋家電の店内は人文、衣、食、住、デザイン、旅行の6ジャンルをテーマに、それぞれ専任のコンシェルジュ達が常駐。家電店でも書店でもない、ライフスタイルそのものの提案をすることが同店のコンセプト。また、アートとテクノロジーの融合もテーマとしています。

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▲オブジェとして置かれている家電にも注目。ヴィヴィッドなオレンジが目を惹くイタリアの家電メーカーSMEGの冷蔵庫。相当かわいい。

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▲家電コンシェルジュは男女問わず、さまざまな経歴を持った人たちがついている。全員その道のプロであることだけは共通。

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▲一般量販店だと雑然と置かれているカタログもしっかりと見やすく並べられているのはさすが書店だ。

今回、蔦屋家電を見てあらためて考えたことが、インターネットショップの家電量販店駆逐論について。家電量販店はインターネットショップのショールームと揶揄され、さまざまな商品価格を単純比較してみると、かなりの場合、家電量販店の方が若干高めな価格設定で売られていることが多く、このままいけば、家電量販店は将来的になくなってしまうのではないか、という内容です。

じゃあ、同じ商品を買うなら、100%インターネットショップの安い価格で購入したほうがいいのでしょうか? 答えはノーです。

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▲ハウスキーピングのエリアにはブルーエア、ダイソンの空気清浄機や扇風機が並ぶ。

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▲バルミューダ製品の棚には空調家電以外に、LEDスタンド、さらには自社のこれまでの戦略などがまとめられた書籍も。

個人的に家電量販店で店員と対面しながら買い物できるメリットはたしかに存在し、それは価格差以上の価値があると思います。ただし、店員がそれぞれの分野のエキスパートであり、その知識を使い、お客を最適な商品へと導ける、そんなお店の場合ですが。

今の時代、自分でインターネットでいくらでも情報を収集し、調べることはできます。とはいえ、もちろん世の中そんな人たちばかりではなく、ことシロモノ家電を購入する人の多くは、嗜好品というより日用品を買う感覚に近い人が多いのではないでしょうか? そんなに詳しく調べることもなく、例えば「今、一番いいスチームオーブンレンジはどれ?」くらいな感覚で、少しでも安く購入しようとする人がほとんど。

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▲健康のエリアにはオムロン、タニタ、パナソニックといったメーカーの体組成計がきれいに陳列。実際に体験もできる。

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▲ガラスのショーケースにはフィリップスのグルーミング系アイテムが。

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▲酸素カプセルなども販売されているほか、有料ながらも30分1500円などで効果を予め試してから購入することも可能。1台300万円を超えるものもあり。

そこにもしコンシェルジュ的なエキスパートな店員がいたら、もっとしっかりと購入目的を引き出してくれるはず。料理が得意なのか? コンビニ弁当を温めるだけなのか? 一人暮らしか? 家族の料理を作るのか…? その上で、料理がそんなに得意ではないし、ごく普通に日々の食事を温める用途に使うだけだというなら、超高級なフラッグシップモデルではなく、価格の安いエントリーモデルなどを自信を持ってオススメしてくれるはず。

例えばこんな風に。「お客様の場合、フラッグシップモデルを購入されても、おそらくほとんどの機能を使いこなすのは難しいです。1年に1回も作らないようなメニューがたくさん登録されている高価なモデルを買うよりも、毎日使える基本機能がしっかりと備わったエントリーモデルを購入されてはいかがですか?」

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▲壁面が違うだけで、エアコンもオシャレに見える。余計なポップなどは一切なく、1商品に対して、情報は値札のみ。すべては家電コンシェルジュが答えてくれる。

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▲LED照明もデザイングッドなシーリングライトが壁面に。店舗内のエリアの明るさも絶妙で、それぞれの光がきれいに体感できる。

スペック的に「今、一番いいスチームオーブンレンジ」と、その人のライフスタイルにあった「今、一番いいスチームオーブンレンジ」は違います。そんなことをしっかりと診断した上で、さらに生活に潤いを与えるアドバイスやら楽しみまでプラスしてくれるのが蔦屋家電。

訪れることで五感が刺激され、自分にとっての新たな気づきがあったり、生活の楽しみの種を見つけられる場所。アートに囲まれた店内を散策しながら、ついでに自分の生活に役立つお気に入りの家電に出会える。新しい家電ショッピングのスタイルになるかもしれません。

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▲「美」エリアには美容系の家電や関連製品などが置いてある。

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▲「食」エリアには、シャープのスロージューサーやコーヒーメーカー、炊飯器などが並ぶ調理家電のエリアに続く。