古い=イマイチは大間違い。オールドレンズで個性的な1枚を撮る!

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ミラーレスカメラの大ヒットなどもあり、劇的に市場を拡大したレンズ交換式カメラ。ここ数年はカメラメーカーらの啓蒙活動もあってか、キットレンズを卒業して別売レンズに挑戦する人も増えてきている。

そんな中、その選択肢の1つとして注目を集めているのが往年のフイルムカメラ向けに製造・販売されていた“オールドレンズ”だ。最新鋭レンズがその進化の過程で失ってしまった“個性”を色濃く残していることがオールドレンズならではの特性。かつて多くのカメラ愛好家を魅了した往年の名玉はもちろん、それほどではない中堅クラスのレンズでもその面白さを味わうことができる。「単に綺麗に撮るのはもう飽きた」そんなふうに思い始めているカメラファンにこそ試してもらいたい。

 

【知っておきたいオールドレンズの基本】

マニュアルフォーカスでピント合わせ
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▲オールドレンズは原則としてAF非対応。慣れていないと面倒に感じがちだが、熟練の域に達するとむしろAFよりも速く合焦できるという。

装着にはマウントアダプターが必須
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▲旧世代マウント向けに開発されているオールドレンズを最新カメラに装着するためには対応するマウントアダプター(別売)が必要となる。

原則として中古レンズのみの流通
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▲ほとんどのオールドレンズは既に生産終了済み。カメラ専門店やWebショップ(写真)などで中古品を探すところから始めねばならない。

 

【プロが教える!! オールドレンズのはじめかた】

Q.どんな人が買っているの? 予算はどれくらい?

A.最近は若い人がとても増えています。何でもクリアに写ってしまう最新鋭レンズとは異なる、“味”のようなものを期待しているお客様が多いようです。最初に買う一本として人気なのは4万円〜の単焦点レンズ。ブランドへの信頼や在庫の豊富さなどからライカMマウントのレンズが特に人気です。

Q.古い=写りが悪いという印象があるんだけど

A.確かに設計・製造技術は年々進歩していますが、近年のレンズはAF機構内蔵や小型化など、写り以外に求められるものが多く、本当の意味で画質本位なものが作りにくくなっています。その点、オールドレンズは純粋に写りだけを追求したものばかり。むしろ画質的な満足度は極めて高いのです。

Q.マニュアルフォーカスとか面倒くさそう……

A.AFには対応していませんが、最新ミラーレスカメラでは多くの製品がオールドレンズを快適に使うための機能を搭載するようになりました。ピントの合っている位置をモニタに表示してくれる「フォーカスピーキング」などはその一例。オールドレンズでも快適に撮影を楽しめます。

Q.オールドレンズに向いているカメラ本体は?

A.オールドレンズは基本的に35mmフイルムカメラ向けに開発されているので、フルサイズセンサー搭載機がベストです。その点で言うとソニー『α7 II』は今、最もオールドレンズに適した製品の一つ。手ぶれ補正機構も搭載しているため、当時のカメラよりも撮りやすいと言えるかもしれません。

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▲今回疑問に答えてくれたのは新宿・Map Camera本館の小野さん(左)と土田さん(右)。初心者も大歓迎とのこと。

 

【これから始めるのに最適! おすすめオールドレンズ5】

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そのクセすら愛おしい“じゃじゃ馬”オールドレンズ
ライカ
ズミルックス M35mm F1.4 2nd
中古参考価格:28万3600円

1960年代から20年以上に渡り製造されたロングセラー。開放での撮影時は極めてソフトな描写となるが、絞り込むにつれ急激にシャープさを増していく。その独特なボケ味などからも“クセ玉”などとも評されるが、あえてこれを愛好するファンも多い。

SPEC
ライカ Mマウント f=35mm F1.4

ズミルックス M35mm F1.4 2ndで撮影するとこんな感じ!
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1950年代の名作レンズを彷彿とさせる写りを最新技術で“復刻”
コシナ
Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4S.C VM
実勢価格:3万6780円

ライカMマウントと互換性を持つVMマウントを採用。いまだ“新品”を購入できることと、手に取りやすい価格で入門者を中心に高い人気を誇る。あえてシングルコーティングとすることでクラシカルな色調を再現した。

SPEC
コシナ VMマウント f=40mm F1.4

Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4S.C VMで撮影するとこんな感じ!
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「瑞光」の名に恥じぬ優れた描写力が自慢の一本
オリンパス
F.ZUIKO 50mm F1.8
中古参考価格:1万4100円

「OM」シリーズの標準レンズだったこともあり、現在でも比較的入手しやすい1本。価格からは想像できないほど写りが良く、開放からしっかりした描写を見せる。発色控え目だがそれもオールドレンズらしい“味”に。

SPEC
オリンパスOMマウント f=50mm F1.8

F.ZUIKO 50mm F1.8で撮影するとこんな感じ!
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薄型・軽量ボディが光る実用派パンケーキレンズ
ニコン
Ai Nikkor 45mm f/2.8 P
中古参考価格:4万9800円

現在でもニコン製一眼レフで使われているFマウントのMFレンズ(もちろんニコン製一眼レフにはアダプターなしで装着可能)。2006年まで製造されていたこともあり、最新鋭レンズにも負けない発色・描写力を備えている。

SPEC
ニコン Fマウント f=45mm F2.8

Ai Nikkor 45mm f/2.8 Pで撮影するとこんな感じ!
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プロフォトグラファーからも愛用された憧れのクラシック
コンタックス
Planar T*85mm F1.4 MM
中古参考価格:9万8000円

ライカと並ぶ、オールドレンズ愛好家垂涎のカール・ツァイス「プラナー」銘レンズ。開放での柔らかさと、絞り込んだときの立体感を見事に共存させており、ポートレートから風景撮影まで幅広い被写体に対応できる名玉だ。

SPEC
コンタックスヤシカマウント f=85mm F1.4

Planar T*85mm F1.4 MMで撮影するとこんな感じ!
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文/山下達也(ジアスワークス) 撮影/松浦文生
機材協力:Map Camera(http://www.mapcamera.com/

「中古参考価格」はあくまで目安であり、相場の変動やレンズの状態などによって大きく前後します。この金額での流通を保証するものではありません。
作例の撮影には『α7 II』もしくは『OM-D E-M5 MarkII』を使用し、それぞれ『Voigtlander VM-E Close Focus Adapter』もしくは『OMアダプター MF-2』を使用しています。

※『デジモノステーション』2015年7月号より