いつでもどこでもハイレゾを楽しむための“三種の神器”の選び方教えます

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ハイレゾを最も手軽に始めるには、ポータブル環境を整えることで、スマホや単体プレイヤーがスタート地点となる。場合によってポータブルアンプを挟み、ヘッドホンやイヤホンが音の出口となる構成だ。スピーカー再生でハイレゾの力を引き出すシステムを揃えるよりは、場所的にも予算的にも手頃な環境だ。

ヘッドホンは普段なら自分好みに色付けできるモデルを選ぶのもありだが、せっかくハイレゾで聴くなら作品本来のバランスや情報量を素直に引き出すタイプを選びたい。

プレイヤーは最大限の音質や機能を求めるなら、やはりハイエンド機が本命となる。しかし一方で、持ち運びを考えると小型軽量機はエントリーに集中している。もちろん予算を先に決めて選ぶことも重要だ。5〜7万円をラインとして音質や使い勝手に違いが出ると覚えておこう。

ポタアンの役割はハイレゾ非対応スマホでのハイレゾ再生の実現や、アンプ部が強力ではないエントリープレイヤーの補助。自分のプレイヤーに合わせた選び方をすると良い。特にプレイヤーとポタアンは音質以外の広い視点から選ぶことも大切なので、各購入術を読み込んでほしい。

 

【ヘッドホン購入術】
選ぶべきはどんな音源でも鳴らせる“バランス型”の音質
ハイレゾの魅力はミュージシャンの歌や演奏、エンジニアの録音の意図に近付けること。それを期待するなら、低域から高域までバランス良くフラットに再生して、音源を忠実に描きそのまま届けてくれるモデルを選ぶのが妥当だ。

■オーバーヘッドの場合
外でも使いやすい密閉型でもインナーイヤーよりは、頭内定位(音が頭の中に密集する感覚)が軽い。定位が自然=空間性が良好なのでハイレゾの空間表現を楽しみたい人に合う。

ハウジング内部の空気経路まで計算
オーディオテクニカ
ATH-MSR7
実勢価格:2万8940円

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新開発のφ45mmドライバーのほか、金属を複数の層に重ねた「レイヤードメタル構造」を搭載。内部の空気の流れまでを緻密にコントロールした構造で、高解像度な原音再生に寄与している。

■インナーイヤーの場合
カナル型には周囲の騒音を強力に遮音するモデルもある。音の背景が静かになることで音量を上げずに、細かな響きやニュアンスを描きハイレゾの解像感や情報量を感じやすい。

コンパクトなボディながら抜群の解像感と装着感
クリプシュ
X10
実勢価格:1万7360円

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軽量ながら独自のバランスドアーマチュアドライバーを採用し、低域から高域までクリアでピュアな再生能力を実現する。独自開発のイヤーピースで耳へのフィット感と遮音性も高い。

 

【プレイヤー購入術】

■操作性重視の場合
普段使い慣れているスマホに近いほどより使いやすい
専用プレイヤーとしては、実は非タッチパネル画面+物理ボタンの昔ながらの操作系も意外と使いやすい。しかしスマホ慣れした感覚では、タッチパネル操作+物理ボタンの二段構えタイプが使いやすいだろう。

高音質モデルをスマホライクに使える
ソニー
ウォークマン NW-ZX2
実勢価格:10万3090円

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ハイレゾ対応のフルデジタルアンプを搭載し、DSD音源の再生に対応するなど再生機能の高さは折り紙付き。その上でAndroid OSを採用している点がスマホの操作性に慣れたユーザーにはうれしい。

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▲肉厚なアルミ切削のフレームに、金メッキを施した銅板を組み合わせた高剛性のハイブリッドシャーシを採用する。

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▲大型コンデンサー「OS-CON」を合計7基搭載。ノイズの少ない電源供給を可能に。

SPEC
PCM:最大192kHz/24bit DSD:最大5.6MHz/1bit サイズ:W65.1×H131.2×D18.5mm 重量:約235g 内蔵メモリ:128GB 外部メモリ:microSD×1(最大128GB)連続再生時間:約33時間(FLAC 192kHz/24bit) OS:Android 4.1

■携帯性重視の場合
スマホの重量を目安にするのが分れ目
プレイヤーは少なくとも常時持ち歩くスマホよりは軽いことが携帯性の目安だ。ただオーディオ機器は、大きく重いことは音質的に好影響であるため、音さえ良ければという人はそういう選択もあり。

シンプルなデザイン&UIで使いやすい
Fiio
X3 2nd generation
実勢価格:3万6720円

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コンパクトなボディながらDSD音源のネイティブ再生を含む多彩な音源に対応。同シリーズの『X1』で好評だったUIも継承し、使い勝手の良さも特筆もの。

SPEC
PCM:最大192kHz/24bit DSD:最大5.6MHz/1bit サイズ:W57.7×H96.7×D16.1mm 重量:135g 内蔵メモリ:非対応 外部メモリ:microSD×1(最大128GB) 連続再生時間:約12時間以上(フォーマット非公表)

■連携性重視の場合
USB DAC機能や光デジタル出力機能などの有無をチェック
プレイヤーを単体で使う分には、USB DACとしてやデジタル出力での他機器との連携は特に必要ない。しかしそのプレイヤー1台で自宅システムの高音質化が図れるため、対応プレイヤーの連携性も見逃せない要素。

豊富な出力機能に対応したモデル
アイリバー
Astell&Kern AK100II
実勢価格:10万3090円

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PCなどと接続してDACとして使用できる機能も有し、光デジタル出力やバランス出力にも対応するなどホームオーディオとしても使える連携性を持つ。

SPEC
PCM:最大384kHz/32bit DSD:最大5.6MHz/1bit サイズ:W55×H111×D14.9mm 重量:170g 内蔵メモリ 64GB 外部メモリ microSD×1(最大128GB)連続再生時間:約11時間(FLAC 44.1kHz/16bit) そのほかの機能:USB DAC、光デジタル出力、ライン出力

 

【ポータブルアンプ購入術】
対応スペックや携帯精を把握しておく
重さと音質はある程度トレードオフなので、サイズの大きなポタアンにも選ぶ価値はある。またOPPO『HA-2』のように薄く鞄等に収めやすいなど、総合的なポータビリティで判断しよう。また、ハイレゾ音源の大半は96kHz/24bit以下。それを超えるスペックやDSD音源は、配信の前に制作の時点であまり普及しておらず特殊な音源と言える。最低でも96kHz/24bit対応を押さえて、それを超えるスペックは+αの将来投資として考えてもOKだ。

オンキヨーの追い求める音をポータブルで実現したモデル
オンキヨー
DAC-HA200
実勢価格:2万4090円

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オンキヨー初のポータブルアンプながら、同社の音作りの技術が凝縮されたモデル。内蔵DACには高性能なPCM5102を採用し、アンプ部にも高品位な再生を可能とするディスクリート回路を用いるなど妥協の無い作り込み。

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▲ステレオミニ端子や光デジタル/アナログ切替式のミニ端子は前面に配置。ゲインの切替スイッチなどもこちら側に配置されている。

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▲PCやスマホと接続するためのUSBやmicroUSBなどの端子は背面に集中して配置されている。幅広い端末との接続が可能なのも魅力だ。

リモコンサイズで携帯性抜群
ディーフ サウンド
DDA-LA20RC
実勢価格:1万4220円

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接続したスマホを電源にすることでバッテリーを内蔵しないコンパクトなボディを実現。リモコンのようなサイズ感が魅力だ。96kHz/24bitまでのPCM音源を再生。

 

文/高橋敦、増谷茂樹 撮影/篠田麦也

※『デジモノステーション』2015年7月号より