風の本質を知り尽くした中津川製作所の本気

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国内屈指の換気扇技術を持つ中津川製作所が本気で開発
三菱電機
DCモーターSEASONS R30J-DS
実勢価格:3万1310円

三菱電機の中津川製作所。戦時中に疎開工場として建てられた工場だったが、終戦と同時に工場引き揚げの危機に直面する。が、地元中津川市民たちからの強い要望もあり、戦後再び息を吹き返す。以来70年に渡り、扇風機作りに邁進。“若葉色”の扇風機、プラスチック羽根を初採用、さらには自動給油装置、透明羽根、首振り角度調節など、当時としては画期的な独自技術を次々と開発していった。現在、扇風機の生産は海外に移ったものの、引き続き開発設計を担当するほか、換気扇、ロスナイ、ジェットタオルといった三菱電機の風製品を数多く生産。また、他の工場で生産される空調製品の“風”の開発にも根幹部分で携わっていることなどから、“風の中津川”の異名を持つ。

そんな中津川製作所の設計開発により、三菱電機は14年ぶりに扇風機の新規ラインナップを追加した。5月1日に発売したDC扇風機「SEASONS」がそれである。扇風機といえば当然、その心臓部のひとつである羽根の形状というのは、各メーカーのこだわりが詰まっており、本機の羽根「エクストラウイングレットファン」もウイングレット形状を取り入れた独自の7枚羽根を採用。DCモーターと組み合わせることで、圧倒的な低騒音化に成功している。

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▲高効率なDCモーターを搭載し、独自開発した7枚羽根と組み合わせることで、圧倒的な低騒音&低消費電力を実現している。きめ細かな風量5段階切替や滑らかに変化するリズム風を吹かせることを可能にした。

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▲先進の気流制御技術やDCモーターの採用により、一番風量の強い強運転時でもささやき声(30dB)並みの低騒音化を実現している。おやすみ時やリラックスタイムのための微風は、屋外で木の葉がふれあうわずかな音(20dB)よりも、もっと静かな約12dB。ほぼ無音だ。

ウイングレット形状は、現在国内シェア50%弱を占める同社換気扇の羽根「ダブリュキューブファン」にも採用されている、同社にとってもこだわりの技術だ。羽根の外周部を滑らかに湾曲させることで、圧力の高い風下側から圧力の低い風上側への風の流れを制御。渦の変動を抑える独自技術であり、家電以外の分野では、例えば、多くの航空機の翼などにも採用されている。

さらに風の本質を見極める同製作所だからこそ、いかに遠くまで風を届かせるかを追求した結果、扇風機の羽根をカバーするファンガードの形状をも突き詰めた。「ロング気流ファンガード」は、風の拡散を抑制し、エネルギーを効率化するために、フロントカバーのラウンドパターンを、羽根の回転方向とはあえて逆方向に湾曲化。より静かで到達距離の長い気流を作ることで、スムーズな空気循環を実現している。

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▲最大10mのロング気流はサーキュレーターとしても高いパフォーマンスを発揮。上下と左右の動きを立体的に組み合わせて、首を振る。室内の空気の撹拌や洗濯物の室内干しにおすすめ。

このように扇風機にとってなにより重要な風を生み出すため、国内屈指の換気扇技術などをベースに、風を知り尽くした中津川製作所が開発した「SEASONS」。その時の流れをも感じられる心地良い風は、一度誰もが体感すべき価値があるものだろう。

SPEC
サイズ:W370×D370×H580・1020mm 重量:約5.8kg 自動首振り角度:(左右)3段階:50°/90°/180°、(上下)2段階:上:90°/下:10°、上:40°/下:10° タイマー:(入タイマー)2/4/6時間、(切タイマー)1/2/4/6時間、おやすみタイマー 消費電力:最大15W~最小4W

文/滝田勝紀 撮影/下城英悟(GREEN HOUSE)

※『デジモノステーション』2015年7月号より