ハイレゾは本当に凄いんです! ジャンル別に聴こえ方も解説!!

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質感と間を高めることで演奏者の意志に近付く

オーディオファンだけでなく音楽ファンにも認知度を高めつつあるハイレゾ。理屈やスペックはさておき、音楽ファンが最も気になるのは「ハイレゾってどう音が良くなるのか」だろう。ここでは「感」と「間」という2つのキーワードを挙げてみる。

例えば音色の「質感」。なめらかな音色はなめらかさを増し、心地良くざらつく声の魅力も引き出す。音を描き出す解像度の高さで質感への忠実性を高めているのだ。

また歌や演奏の「ニュアンス」もより明瞭になる。音色やニュアンスはミュージシャンの個性が最も発揮される要素で、解像感の高さで微かな響きも逃さない。場の「空気感」も高まり、空間の再現性にも通じる。細かな音も漏らさず正確に配置して、作品のリアリティが強まるのだ。音の立ち上がりの速さやキレ、背景の静かさが高まり、演奏の「間」も感じやすくなる。演奏者が意図して操るその間が生むグルーヴをハイレゾでは強く共有できる。

まずは、知っておきたいハイレゾミュージックの基礎知識を押さえよう。

音源スペックやフォーマットって何? 重要?
>まずは聞きたい音源を選ぶことが大切
ハイレゾのスペックは「96kHz/24bit」などと記され、数が大きいほど再現性が高まる。フォーマットにも下記のような特性があるが、まずは聴きたい音源を選ぼう。
WAV:元データを圧縮しない「非圧縮」音源。音質の劣化はないがデータ容量が大きく曲名なども付加できない。
FLAC:データ容量のみ圧縮する「ロスレス(可逆)圧縮」音源。元データに近い音質を実現。曲名などを付加可能。
DSD:WAVやFLACなどの音源とは記録方法が異なり、よりアナログ記録に近い特性。再生機器は限られる。

購入する配信サイト、どこを選べばいい?
>複数のサイトをチェックするのがベスト
配信サイトごとに揃えているタイトルが異なるので、面倒でも複数のサイトをチェックした方が良い。下記の主要4サイトと、それぞれの特色は覚えておこう。
e-onkyo music:アニソンからクラシック、ジャズまで幅広くカバーする。
mora:最新J-POPを中心に新曲のラインナップが多い。
VICTOR STUDIO HD-Music.:最新ナンバー寄りのラインナップで、アニソンにも強い。
OTOTOY:インディーズ音楽に強く、独自に録音した曲の配信も。

「ニセレゾ」って何? ダメなの?
>音声データをアップスケーリングする技術
CD音質などのデータをアップスケーリングすることでハイレゾ並みの表現力を持たせたもの。基本的に情報量が補完されているので聴感的に変化は感じられるだろう。
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またポップスならスタジオ、クラシックならホール、エレクトロなら仮想空間など、その場所に立っているミュージシャンの意図に寄れる。音楽ファンのそんな理想を追求することが「ハイレゾで聴く意義」だ。ジャンル別に、いつも聴いている音楽とハイレゾミュージックの聴こえ方の違いを解説しよう。

ロック
リズムにリアルな空気感が加わる!
全体の雰囲気を大きく引き上げるポイントは、ドラムの空気感の豊かさ。特にバスドラムやタムといった低音の太鼓の胴鳴りが空間を揺らしてからすっと広がって消える様子に注目だ。元の録音が生々しいほどハイレゾ化の向上も大きい。

ボーカルソング
声の表現と質感が大きく艶やかに変化する
大切なのは別項でも述べている、声の質感と歌の細かなニュアンスの再現性が向上し楽しめること。加えて言うなら、バックの演奏もより細やかに描きつつ、空間配置が立体的になることで半歩下がって、歌が主役として際立つことだ。

クラシック
大編成が演奏されている場の響きの再現性
クラシックこそハイレゾの「場の響きの再現性」の恩恵を最も強く受ける。豊かな音響になるように設計されている、音楽専用ホールでその響きを収録できるマイクセッティングで録音されることが多いからだ。その「ホールならではの響き」に絶対注目!

ジャズ
低域~高域までワイドレンジで再現し切る!
ジャズはクラシックと並びハイレゾらしい好録音&高音質の宝庫だ。特に現代的なピアノトリオにはベースやバスドラムの超低域からシンバルの超高域までをバランス良く収録した作品が多く、そのワイドレンジな再現性もハイレゾの魅力のひとつと言える。

アニソン
エレクトロの緻密かつ広大な音の配置がわかりやすくなる
アニソンが持つ楽曲特長である、情報量が多く細かな音を詰め込んだ曲では、ハイレゾの効果を十分にいかせる。傾向としては、情報量を解像感と空間性で綺麗に配置する方向性だ。

ポップス
リマスターにより楽曲全体が原曲と大きく変化
ハイレゾでのポップスジャンルは名盤のハイレゾ化に注目。ハイレゾ化に際して、ハイレゾによる効果や変化をフル活用するリマスター(音質再調整)が施されていることが多く、他ジャンルで述べたような各要素の全てが向上している場合も多い。

文/高橋敦、増谷茂樹 撮影/篠田麦也

※『デジモノステーション』2015年7月号より