これぞPCの理想型。『VAIO Z Canvas』さえあれば、何もいらないかも

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昨年秋に公開されたプロトタイプで注目を集め、今や遅しと発売が待たれていたハイスペックタブレット『VAIO Z Canvas』。4コアの高速CPU、SATAの3倍以上も速いPCIe接続のSSDを採用するなど、同社の「VAIO Z」すら凌駕する性能を実現している。また、ペンでの使いやすさを重視し、画面比3対2の特殊な液晶を採用。紙のノートに近い比率だけに、特にイラストやデザインといった用途で活躍してくれるはずだ。

さらに、2560×1704ドットという高精細に加え、Adobe RGBカバー率95%を実現。写真用途でも十分期待に応えてくれるタブレットだ。

■基本性能をチェック
3通常サイズのポートがずらり
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▲USB 3.0×2に加え、SDカードスロット、miniDP、HDMI、有線LANを装備。ほとんどのコネクタが通常サイズで、アダプターなく接続できるのが○。

自由な角度で自立可能なスタンド
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▲しっかりとした強度を備えたスタンドを内蔵。ペンで書く場合でも画面の揺れがほとんどなく、快適に利用できる。角度は無段階で、自由に変えられる。

パワフルな「Core i7」を搭載
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▲4コア8スレッド動作の高速CPUを搭載。ハイエンドノートや一体型に採用されるCPUだけに、モバイル機とは一線を画す性能の高さだ。

■注目のペン機能
ペンは追従性に優れ、すばやく動かしてもガタつくことなく滑らかな曲線を描ける。本体右上のボタンを押すとタッチセンサーを無効化できるので、ペン操作に集中したい時に便利だ。また、本体左上のボタンでは、ショートカットキー機能を呼び出し可能。コピーやペースト、ペンの切り替え、アンドゥなどのよく使う機能を、キーボードを使うことなく利用できる。

思った通りに描ける高性能スタイラスペン
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▲液晶とガラスの間に特殊な光学樹脂を充填し、位置ズレを最小限に抑制。最大1024段階の筆圧に対応するほか、筆圧カーブの調整も可能だ。

タッチよりも滑らかな曲線が描ける
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▲黒がタッチ、赤がペンによる描画。どちらもほぼ同じ速度で描いているが、ガクガクとした線になるタッチと比べ、ペンは滑らかだ。

キーボードを使わずにショートカットキーが使える
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▲ショートカットキーを画面上に表示できるのが、「ショートカットキーメニュー機能」。手をキーボードへと延ばすことなく、機能が利用できる。

■使いやすい無線キーボード
キーボードは無線なので、本体への接続は不要。左手はキーボードでショートカットキーを操作し、右手はペンでイラストを描く、といった使い方も容易にできる。また、キーボードは液晶カバーのように本体に装着できるので、持ち歩く場合にも邪魔にならない。なお、キーボードの充電は、本体へ装着すると自動的に行なわれる仕組みなので、いざ使おうとした時にバッテリー切れで使えない、といった心配は無用だ。

日本語と英字配列から選択可能
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▲キーボードは薄くコンパクトながら、カーソルキーが独立した使いやすい配列を採用。日本語配列だけでなく、英字配列も選べるのがうれしい。

本体に装着すれば自動的に充電される
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▲右上のスイッチ横に充電端子を備え、タブレット本体に装着すれば自動的に充電される。もちろん、microUSBからの充電にも対応。

キーボードを含めても1.6kgを切る軽さ
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▲本体は約1.21kgあるがキーボードが軽いため、合計しても1.6kgを切る。いざとなればモバイル機としても十分活躍できる軽さだ。

■使い勝手Check!
高性能モバイル機の2倍以上の性能が魅力!
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▲CPUの性能を測れる「CINEBENCH R15」のスコアでは、「Core M-5Y10」の2倍以上。モバイル機としては破格の性能の『VAIO Z』すら軽く凌駕する。動画編集やRAW現像といった重い作業も軽快。

ファンモード切り替えで静音性を高められる!
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▲ショートカットキーメニュー機能のツールから、ファンモードの変更が可能。動画や音楽鑑賞時は「静かさ優先」、RAW現像などの重たい作業中は「パフォーマンス優先」に切り替えると快適だ。

ショートカットは自由にカスタマイズできる
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▲ショートカットは最初から用意されているが、もちろんカスタマイズ可能。キーセットの追加もできるので、線画や色塗りといった作業内容に合わせ、別のキーセットを作っておけるのが便利だ。

■結論
「タブレット」といえば省電力CPUを搭載し、タッチ操作で使える軽量なモバイル機……というイメージが強い。実際こういった製品が多いだけに、タブレットという言葉から連想されるものとしては間違いではない。しかし、『VAIO Z Canvas』に限っては、このイメージを頭から振り払う必要がある。

まず驚いたのが、搭載CPUが「Core i7-4770HQ」だということ。モバイル向けCPUとは言え、サイズの大きな15型ノートや液晶一体型モデルなどに搭載されることが多いだけに、タブレットでの採用はそれだけでインパクトが強い。もちろんその分、発熱も大きくなるが、上部のほとんどを換気口とすることで、しっかりと熱を逃がす構造が作られている。実際に長時間負荷を掛けても安定して動作する上、液晶面の最も温度が高い場所でも約40℃と低めだった。手で触ると少し熱く感じるものの、これだけ温度上昇が抑えられていれば、ペンを使う時に熱くて困るといったことはない。

クリエイター向けというだけあって、ペンの使い心地はかなり快適だ。位置のズレがほとんど感じられないし、追従性も高く、素早く動かしても滑らかな曲線が描ける。書き心地はもう少し抵抗感がある方が好みだが、不意にペン先が滑ってしまうということはなかった。特に便利に感じたのが、本体左上のボタンを押すと表示される「ショートカットキーメニュー機能」だ。その名の通りショートカットキーがワンタッチで使えるようになるため、キーボードを取り出すことなくアンドゥやペンの切り替えといった操作が行なえるようになる。右手でペンを使いながら左手のタッチでショートカットを使えば、かなり作業効率が上がるだろう。なお、このメニュー内にあるツールを選ぶと、ペンの筆圧モードを変更可能。下書きでは「硬い」であたりをつけ、清書では「柔らかい」にして強弱をつける、といったような使いわけが簡単にできるわけだ。

これ以外にも、しっかりした強度で画面の揺れが少ないスタンド、充実したインターフェイス、薄くて軽量なキーボードが付属するなど、PCの基本となる部分がしっかりとしており、ストレスを感じさせない作り。思考の妨げとなる待ち時間や不満を極限まで減らす、という明確なコンセプトが感じられる逸品だ。クリエイターに限らず、誰もが快適に使えるタブレットと断言できる。

■VAIO Z Canvasを使い倒してわかったこと
道具としての完成度がすさまじい

タブレットといえば妥協する点がいくつもあるものだが、『VAIO Z Canvas』は性能も、操作性も、機能もすべてにこだわり、道具としての矜持すら感じられるほどだ。モバイル機としても十分使える軽さだが、性能の高さを考えると、腰を据えて取り掛かる作業にこそ向いている。デスクトップの置き換えとして使いたい製品だ。

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VAIO
VAIO Z Canvas VJZ12A9AAF1S
実勢価格:26万9784円

OS:Windows 8.1 Update CPU:Core i7-4770HQ(最大3.4GHz、4コア/8スレッド) メモリ:8GB ストレージ:256GB SSD ディスプレイ:12.3型タッチ対応液晶(2560×1704ドット) サイズ:W301.0×H213.0×D13.6mm(本体部)、W301.0×H213.0×D4.4mm(キーボード部) 重量:1210g(本体部)、340g(キーボード部) インターフェイス:USB 3.0×2、SDカードスロット、HDMI出力など 通信機能:無線LAN(IEEE 802.11ac/a/n/g/b準拠)、Bluetooth 4.0 カメラ:92万画素(フロント)、799万画素(リア) バッテリー駆動時間:約7.6時間

 

文/宮里圭介 撮影/松浦文生

※『デジモノステーション』2015年8月号より抜粋

関連サイト
『VAIO Z Canvas』製品情報ページ