ライカはなぜ、私たちを惹きつけるのか?【レンズ編】

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ライカMシステムが60年以上にわたって継続されていることには、歴史の重み以上の具体的なメリットが存在する。それがレンズの互換性。ライカなら、最新のボディに数十年前に発売された古いレンズをそのまま装着・撮影できるのだ。

最新の技術で設計・製造された最新鋭レンズと、職人の手によって磨き上げられた希少なオールドレンズを同時に楽しめるのがライカの魅力。幅広い現役レンズラインナップという横軸に、時代という縦軸を合わせ、立体的にレンズを選んでいけるのもライカの愉悦と言えるだろう。

オールドレンズと言うと、古く、写りが悪いと思ってしまいがちだが、往年の名玉にはそれでしか撮れない独特の“味”を備えたものも少なくない。初心者には使いこなしや手入れが難しい面もあるが(やはり最初の1〜2本は現役レンズがおすすめだ)、そのハードルを越えたところにある価値は無視できない。
今回はそんなオールドレンズの数々からおすすめの製品をいくつか紹介していこう。

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クリアな大口径・中望遠レンズ
ライカ
LEICA APO SUMMICRON M F2/75mm ASPH.
直営店価格:46万4400円

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2012年に発売されたばかりの最新鋭レンズ。最新技術を駆使することで収差などを抑えた良好な画質を実現している。画角的には「中望遠」という位置づけで、特にポートレートや遠景撮影に威力を発揮してくれるだろう。

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▲あたかもその場の光景をそのまま切り出したかのような歪みのない明瞭な1枚に。特にピント周辺の描写力には驚かされた。

 

被写体を選ばず使えるコンパクトワイドレンズ
ライカ
LEICA ELMARIT M F2.8/28mm ASPH.
直営店価格:28万800円

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2006年、M型ライカ初のデジタル機『LEICA M8』と同時発表されたコンパクトレンズ。開放から先鋭感の高い写りはデジタルカメラとの相性抜群。絞り値にほとんど画質が影響されないことも使いやすさを高めている。

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▲隅々まで歪みなく描写。他の最新鋭レンズと比べても群を抜いた先鋭感を備えており、情報量の多い写真を撮影できた。

 

激戦区標準レンズの中でも際立つ1本
ライカ
LEICA SUMMILUX M F1.4/50mm ASPH.
直営店価格:48万6000円

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最初の1本としてもおすすめしやすいf=50mmの標準レンズ。風景撮影から屋内人物撮影まで、幅広い被写体に利用できる。F1.4と群を抜いて明るいため、特に暗い室内での撮影やぼけ味をいかした撮影時に活躍してくれるだろう。

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▲開放でも充分にシャープだが、f=5.6まで絞り込むことで立体感とキレが増した。この得がたいクリアさも本レンズの魅力だ。

 

ライカレンズ最高峰の驚異的な描写力
ライカ
LEICA SUMMILUX M F1.4/35mm ASPH.
直営店価格:62万6400円

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現行ライカレンズの中でもとりわけ高価だが、その価値を明確に感じられる1本。ずしりと重く、凝縮されたボディに最新技術とノウハウが詰め込まれている。先鋭感、ぼけ味、そしてそれが生み出す立体感で他を圧倒する。

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▲かなり強い日差しの中での撮影だったが、しっとりとしかし色鮮やかに。前景と遠景の織りなす立体感にも注目してほしい。

 

半世紀を超えて愛される生きた伝説
ライカ
LEICA SUMMICRON M 50mm F2(1st)
中古参考価格:11万300円

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50年以上前に発売された伝説の名玉。オールドレンズの中でも最も有名なものの1つで、手ごろな価格と相まって中古市場での引き合いも大きい。近代レンズとは趣の異なるフォルムも所有欲を刺激するポイントだ。

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▲ぼけの描写にややクセがあるものの、その表現力はさすがの一言。控え目ながら存在感のある発色はライカレンズならでは。

 

柔らかな描写の広角レンズ
ライカ
LEICA ELMARIT M F2.8 28mm(2nd)
中古参考価格:19万1800円

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ライカ広角レンズの定番「ELMARIT 28mm」の第2世代モデル(右記『LEICA ELMARIT M F2.8 /28mm ASPH.』はその第5世代)。最新世代モデルと異なる柔らかな画質が特徴だが、絞り込むことでシャープに撮ることもできる。

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▲F8まで絞り込んで撮影。広角レンズながら周辺部でもほとんど情報量が落ちていないのは見事だ。絞り起因の星形光芒も印象的。

 

切れ味鋭い描写力は「カミソリ」と称された
ライカ
LEICA ELMAR M 90mm F4 Triplet
中古参考価格:11万300円

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発売当時4枚レンズで構成されていた「ELMAR 90mm」のレンズを1枚減らすことで、描写力を向上させたした「トリプレット」モデル。こちらもまた『SUMMICRON M 50mm F2』同様、50年以上の時を経ている。

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▲たった3枚のレンズで構成されているとは思えない驚異的な解像感は、近代レンズに勝るとも劣らない。フレアが発生しているが、それもまた“味”だろう。

 

ノンライカもまたライカの楽しみ
コシナ
Voigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4 SC VM
実勢価格:5万4800円

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さまざまな互換レンズを楽しめるのもM型ライカの醍醐味。中でもコシナの「Voigtlander(フォクトレンダー)」は、低価格な選択肢として人気だ。過去の名作レンズの設計を最新技術で再現し、手軽に楽しめるようにしてくれた。

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▲あえてシングルコーティングとすることでクラシカルな色調を再現。オールドレンズの楽しみを新品で味わえるのもうれしい。

 

【オールドレンズはどこで買う?】
古いものだと販売から80年を超えるライカレンズ。価格帯や用途に合わせて適切な助言を受けられるMap Cameraのような専門店で選ぶのが望ましい。魅力的なレンズを実際に試写して吟味することができる。

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▲東京・新宿「ライカブティックMap Camera Shinjuku」は特にライカに強いショップの1つ。常時多数のボディ・レンズを陳列する。

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▲「Kasyapa for Leica」は歴代のライカの名レンズの試写レポートを公開するライカ専門サイト。参加型SNS「L.STYLE」では作例の投稿も楽しめる。

 

文/山下達也(ジアスワークス) 撮影/松浦文生

※『デジモノステーション』2015年8月号より抜粋

取材協力:Map Camera(https://www.mapcamera.com)
「中古参考価格」はあくまで目安であり、相場の変動やレンズの状態などによって大きく前後します。
この金額での流通を保証するものではありません。
また、オールドレンズに関する問い合わせをライカカメラに行なうことは避けてください。

関連サイト
『http://jp.leica-camera.com』ライカ公式サイト
『http://www.cosina.co.jp』コシナ公式サイト