360度全方位をカバーするクルマの安全対策体験

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体験する機会の少ない予防安全技術の「今」を体験
「ぶつからない」ことを謳った自動ブレーキなど、最近のクルマでは事故を未然に防ぐ予防安全技術が急速に普及している。こうした技術を実現しているのは、周囲を監視するカメラやセンサーなどのデジタル技術。監視対象も前方のクルマだけでなく、側方や後方の障害物や歩行者などまで広がってきている。

特に日産では、こうした予防安全技術を「Safty Shield」(セーフティシールド)と呼び、その監視対象は360度全方位に及ぶ。そんな日産の予防安全技術を体験する機会に恵まれた。

専用のテストコースで普段は体験する機会の少ない自動ブレーキなどの作動を実体験。ドライバーからは見えない2台前のクルマや死角から近付くクルマを検知する機能など、安全技術の「今」が感じられた。

【Safety Shield 1:前方
PFCW(前方衝突予測警報)
2台前のクルマの動きもミリ波レーダーでキャッチ
高速道路などで、前方のクルマが急に減速した時、あるいは車線変更した先行車のさらに前に減速したクルマがいた時、ドライバーは衝突事故や玉突き事故の危険にさらされる。そんな危険を避けるため、日産ではミリ波レーダーで2台前のクルマの動きを捉え、ドライバーに伝える技術を開発。前の前のクルマの動きを検知することで事故を未然に防止できる。

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▲縦にクルマが3台並んだ状態で発進。目の前のクルマが大型のため、この状態ではドライバーからは2台前のクルマのことは全く見えていないが、ミリ波レーダーではきちんと相対的な速度差までをモニタリングしている。

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▲2台前を走る赤いクルマが急ブレーキ! 前方の白いクルマはそれを避けるために左に車線変更する。一般公道でもあり得るシーンだが、速度が出ていて、ドライバーが2台前のクルマの動きを予測できていなければ衝突事故につながりかねない場面だ。

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▲「PFCW」ではメーターパネルの表示と警告音で2台前のクルマが急減速したことを知らせてくれるので、ドライバーは予め減速したり、ブレーキをかける準備をしておくことが可能。ここでもしっかりと止まれた。

エマージェンシーブレーキ
レーダー、もしくはカメラで障害物を見極める
予防安全技術の代名詞的な存在が前方に対象物を検知すると自動でブレーキがかかるエマージェンシーブレーキ。日産では検知にミリ波レーダーを使う方式とカメラを用いる方式の2種類を投入しており、その両方を体験できた。それぞれ得意とするシーンは異なるが、どちらも対象物の直前できちんと停止。ブレーキのかかり方は急だが、これはドライバーがこの機能に頼らないようにするための味付け。

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▲「スカイライン」に搭載されるエマージェンシーブレーキは、ミリ波レーダーを使った方式。距離の離れた対象物も捉えることができるため、速度差がある高速からのブレーキングにも対応できる。

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▲時速80kmまで加速し、対象物を検知して自動的にブレーキがかかるシーンを実際に体験。目標物の直前でしっかりと停止するのを体感できた。あくまでも緊急時の機能のため、ブレーキのかかり方は急。

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▲低速でのエマージェンシーブレーキは、実際にハンドルを握って体験できた。写真の「エクストレイル」に搭載されているのはカメラ式で、歩行者などクルマ以外の対象を捉えるのに優れている。

【Safety Shield 2:側方
BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知警報)
死角から近付くクルマも感知して知らせてくれる
ミラーの死角にいるクルマに気付かずに車線変更しようとして、ヒヤリとした体験をしたことのあるドライバーは多いはず。センサーを使えば、そうした死角にいるクルマも検出できるので、危険を避けることができる。ドライバーが気付かずに車線変更しようとすると、警告音とインジケーターで注意を喚起し、車線内に戻す方向に力も加える。

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▲この状態では赤いクルマはミラーに写っておらず、ドライバーは振り向かなければ確認することができない。この状態で車線変更をしようとすると……。

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▲サイドミラー横のインジケーターが点滅するとともに警告音が鳴ってクルマの存在を通知。さらに元の車線に戻す力もハンドルにかかる。

【Safety Shield 3:後方
踏み間違い衝突防止アシスト
アクセルとブレーキを間違えても停止してくれる
駐車場内などで発生しやすいのが、アクセルとブレーキのペダルを踏み間違えて急発進してしまい、壁や人などに衝突してしまう事故。超音波ソナーで周囲の障害物をセンシングし、障害物がある場合はアクセルを踏んでも急発進しないようにするのがこの機能。ドライバーが気付かず、さらにアクセルを踏み込んだ場合には、自動ブレーキも作動させる。

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▲近距離の対象物を捉える性能に優れた超音波ソナーで周囲を監視。写真のように壁などの障害物を検知している場合は、アクセルを踏み込んでも急発進しない。

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▲アクセルを床まで踏み込んでも急発進しないだけでなく、ドライバーがそのことに気付いていない場合は、ブレーキもアシスト。壁の直前でしっかり停止。

ライター・増谷と編集部・小林の体験談
増谷 自動ブレーキなどの存在は知っていても、なかなか実際に体験する機会は少ない。そういう意味で、とても貴重な体験でしたね。

小林 自分のクルマに付いていても、試すわけにはいきませんからね。高速からのブレーキングは結構ドキドキしましたが、しっかり止まるのを体験できた。急ブレーキだからビックリしますが。

増谷 スムーズに止めることも技術的にはできるけど、ドライバーが頼らないようにわざと急ブレーキにしてるみたいですね。運転席からは見えていない2台前のクルマの動きもしっかり捉えている「PFCW」にはビックリしました。

小林 レーダーだとそこまで検知できるんですね。

増谷 逆にマンホールの蓋などの金属物も検知してしまうので、地面にあるものには反応しないとか、そういうプログラミングが大事みたいです。

小林 クルマの進化もプログラミングがカギを握る時代になっているんですね。そうなると完全に「走るデジモノ」なんだと実感しますね。

 

文/増谷茂樹 撮影/生駒安志

※『デジモノステーション』2015年8月号より抜粋

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