【レビュー】1型センサー&光学25倍で超望遠を”ふだん使い”『Powershot G3 X』

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キヤノン『PowerShot G3 X』は、1.0型センサーと光学25倍ズームを搭載したレンズ一体型のコンパクトカメラだ。同社の1.0型センサー搭載機といえば、光学4.2倍ズーム機『PowerShot G7 X』が好調な売れ行きを見せている。そのセンサーサイズを継承しつつ、さらなる高倍率化と高機能化を実現したのが本機である。

35mm換算の焦点距離は24~600mm相当で、開放値はワイド側F2.8、テレ側F5.6に対応する。テレ側の開放値はあまり明るいとはいえないが、気軽に持ち運べるコンパクトボディでこの焦点距離を実現したことは、1.0型センサー搭載モデルでは画期的だ。

■基本性能をチェック

高画質1.0型センサーを搭載
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1.0型(13.2×8.8mm)センサーを搭載。多くの高倍率ズーム機が備える1/2.3型センサーに比べて約4倍の面積があり、感度や階調表現で有利だ。

タッチ操作対応“自撮り”モニタ
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上に180度、下に45度まで可動するチルト式の液晶モニターを装備。静電容量方式のタッチパネルに対応し、2本指のマルチタッチも行なえる。

1型センサー搭載機では画期的なズーム倍率と強力なマクロ性能
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ズームは、グリップ上部のレバーで操作する。鏡胴部にリングについては、マニュアルフォーカス操作や感度変更などを割り当てることが可能だ。

f=600mm相当までの強力ズーミングが自慢
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光学ズームのテレ端では600mm相当。さらにデジタルズームやプログレッシブファインズームを併用すると、最大2400mm相当の焦点距離が得られる。

撮りやすさを最優先した操作性
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ボディ背面の右上には、AEロックボタンとAFフレームボタンを装備。また十字キーの下にはDRIVE-AFボタンを備える。

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電子ダイヤルとコントローラーホイールのほか、背面のショートカットボタン、動画ボタン、側面のMFボタンは割り当て機能のカスタマイズができる。

■画質チェック

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ズームをテレ端に合わせて、シャッター速度を1/80秒の中速にセットした。そして、離陸する飛行機の動きに追従させながらカメラを横に振りながら撮影。背景部分にブレが生じる一方で、飛行機はシャープに写り、スピード感のある写真となった。

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天面のアクセサリーシューにトランスミッター『ST-E3-RT』を取り付けたうえで、外部ストロボ『600EX-RT』の光を横から当て、花芯が立体的に見えるようにした。細部までを表現できる解像感の高さと、濁りのない澄んだ発色を確認できる。

■結論
キヤノン『PowerShot G3 X』の最大の魅力は、1.0型というコンパクトカメラとしては大きなセンサーを搭載しつつ、広角から超望遠までの幅広いズーム域に対応し、なおかつボディを小型軽量にまとめたことだ。1.0型センサー搭載機と言えば、これまでは光学3倍前後の倍率が主流で、高倍率のタイプでも8~16倍程度。それ以上の倍率が必要な場合は、画質に劣る小さなセンサー搭載機を選ぶしかなかった。しかし本モデルでは、センサーサイズとボディサイズを妥協することなく、ワイド側24mm相当、テレ側600mm相当の強力な光学25倍ズームを実現している。

ボディは、四角い本体にベースに円柱状のレンズを組み合わせたオーソドックスなスタイル。ただしダイヤル部にレッドラインがあしらわれるなど、細かな点で凝っている。グリップは大きく突き出ていて、ホールド感は悪くない。防塵防滴に対応し、短時間なら小雨程度の環境下でも使用できる。

ユニークな撮影機能としては、「フレーミングアシスト」に注目したい。望遠撮影の際、レンズ側面のボタンを押すことで一時的にズーム倍率を下げて、見失った被写体を再発見できる機能だ。また人物の顔が一定のサイズに保たれるようにズームが自動的に行われる「オートズーム」や、人物などの被写体が画面外にフレームアウトした際に、自動的にズームダウンが行われ、見失った被写体を見つけやすくしてくれる「サーチアシスト」などといった機能も備える。

そのほか、ズーム位置やフォーカス位置を記憶するズームメモリー機能や、星空を光跡として記録する「星空」モード、1回のシャッターでエフェクト付きの6カットを同時記録できる「クリエイティブショット」などを搭載。連写は最高で約5.9コマ/秒に対応。ただしRAWモードでは連写速度が大きく低下する点は残念だ。

トータルとしては、光学25倍という幅広いズーム域に加え、オートからマニュアルまでの多彩な機能によって、あらゆる用途に対応できる撮影自由度の高いカメラだと感じられた。荷物の量を減らしたい旅行用にも最適だ。

■『PowerShot G3 X i』をおすすめな人は??
1.0型センサーの魅力を望遠で拡大!

トータルとしては、手軽なスナップから、機能を駆使した本格撮影まで多彩なシーンで活躍する自由度の高いカメラと言っていい。大型センサーの画質を高倍率で楽しみたい人や、レンズ交換の手間をかけたくない人、超望遠を日常感覚で体験したい人などに最適。望遠時の操作性を考慮すれば、オプションのEVFは是非入手したい。

キヤノン
PowerShot G3 X

実勢価格:11万4690円

サイズ:W123.3×H76.5×D105.3mm
重量:733g 撮像素子:1型CMOSセンサー
有効画素数:2020万画素
液晶モニタ:3.2型液晶(約162万ドット)
光学ズーム:25倍(f=24~600mm相当)
解放F値:F2.8-5.6
手ぶれ補正機構:レンズシフト式
連続撮影枚数:約300枚
記録メディア:SDメモリーカード(SDXC対応)

文・作例/永山昌克 撮影/松浦文生