砂時計? 動く墨汁? 君は磁性流体ディスプレイを知っているか?

容器に収められた墨汁のような液体が文字や絵柄を表現する──そんな摩訶不思議なディスプレイが、間もなく実用化されそうです。「ちょっと何を言っているのかわからない」と思うのはごもっとも。百聞は一見に如かずということで、まずは現在開発中の『FERROLIC』という製品のプロモーション動画を見ていただきましょう!
Ferrolic from zelfkoelman on Vimeo.
これに使われているのは“磁性流体”と呼ばれる液体材料で、磁力に反応してカタチを変える性質を備えています。容器に磁性流体を封入し、電磁石が仕込まれたフレームから、磁力で図形や文字を表示できるようにコントロールしているというわけですね。
▲磁性流体は水槽のフレームにあたる部分に内蔵された電磁石により制御される。
磁力がかかっていないと重力で下に沈んでいくことから、液体や生き物のような独特の見え方になるのが最大の特徴。LEDや液晶といったデジタル方式のディスプレイとは全く違った表情を見せてくれます。表示する内容は、対応するノートPCやタブレットからWiFi経由で送信する仕組みになっているのだそう。
▲インクの雫が集合して数字や図形を形作っていく様子はまるで微生物のよう。
現在も開発が継続されている段階で、実用化はまだ先のことになりそうですが、公式ページでは生産予定のごく少数のプロトタイプモデルを予約注文できるようになっています。プロトタイプのお値段は7500ユーロなので、未完成のプロダクトながら日本円にして10万円を超える価格設定。とはいえ新しいモノが大好きな人にとっては、手が届かないほどの買い物ではないのかもしれませんね。
文/ワタナベダイスケ
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