【レビュー】『DSC-RX10II』1.0型CMOSとF2.8ズームで本格4K動画を

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同時発表された高級コンパクトカメラ『DSC-RX100IV』と同じく、1.0型センサーを搭載した高画質志向モデル。最大の特長は、開放値の明るい(全域F2.8)光学8.3倍ズームを継承しつつ、新開発の積層型CMOSセンサー「Exmor RS」を搭載したこと。これによって、スーパースロー動画や4K動画撮影、高速電子シャッター、高速連写などが可能となった。

フットワークの点では小型な『DSC-RX100IV』に及ばないが、大きくて見やすいEVFや一眼レフライクな操作感など、その使い勝手は上々。最大29分までの長時間4K動画撮影に対応していることも、本機の大きなアドバンテージと言えるだろう。

■基本性能をチェック

1.0型Exmor RSセンサーを搭載
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1.0型、有効2020万画素というセンサースペックは従来モデルと同じ。ただし、センサーの仕組みは新開発の積層型を採用。

全域F2.8の光学8.3倍ズームレンズ搭載

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焦点距離f=24~200mm相当で全域F2.8の8.3倍ズームレンズを搭載。最短撮影距離はワイド端で3cm、テレ端で25cmに対応。光学式手ぶれ補正機構も備える。

■本格派4K動画撮影対応 

専用機を凌ぐ圧倒的高画質
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4K動画の画像サイズは3840×2160ドット。これは約829万画素に相当し、被写体の細かい質感までをシャープに再現。ひと目見て、ハッとするような臨場感が得られる。

■ハイレベルな基本機能

撮影シーンを拡げる便利機能も充実

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電子ビューファインダーには、0.39型約235万ドットの有機ELを装備。大きく、精細感の高い表示が自慢だ。

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外装はマグネシウム合金製で、各部のシーリングによって防塵防滴を実現。雨などの悪天候でも安心して撮影できる。

■画質チェック

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焦点距離f=200mm相当になるズームのテレ端を使用。望遠ならではの遠近の圧縮効果を生かし、引き締まった構図を狙った。発色は、誇張を抑えたナチュラルな傾向だ。車体の金属感や木々の素材感などをしっかりと描く細部再現力の高さも確認できる。

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絞りを開放値のF2.8に、焦点距離をf=200mm相当にそれぞれ設定し、店先に飾られた造花を撮影した。拡大表示にすると素材の繊維が分かるくらい細かく描写できている一方で、背景部分にはふんわりとしたボケが生じ、立体感のある写真に仕上がった。

■結論
ソニー『サイバーショットDSC-RX10II』は、2013年に発売された光学8.3倍ズーム機『DSC-RX10』の後継モデルだ。レンズやボディの基本デザインはほぼそのまま継承。主な改良のポイントは、新開発の積層型CMOSセンサーを搭載したことと、それによって4K動画の撮影に対応したこと。4K動画といえば、本モデルと同時発表された高級コンパクト『サイバーショットDSC-RX100IV』も対応しているが、あちらは連続で最大5分までしか撮れないので少々もの足りない。その点、本モデルは最長29分の4K動画撮影が行なえる。4K動画やズーム倍率にこだわる人にとっては、こちらの方が有力な選択肢になるだろう。

加えて、センサーの変更にともない最大40倍のスーパースローモーション動画や1/32000秒の高速シャッター、約14コマ/秒の連続撮影も可能になった。いずれもスポーツや乗り物、動物、ポートレートなど動きのある被写体の撮影に役立つ機能と言える。さらに、ボディが防塵防滴に対応したことや、ファストインテリジェントAFの採用によってAFが高速化したこと、EVFが精細化し、EVFの接眼光学系にツァイスのT*コーティングが施されたことも見逃せない。

使用感としては、従来モデルから継承した鏡胴部の2つのリングによって、絞り値やフォーカスを直感的に変更できる点が便利に感じた。マニュアルフォーカス時の自動拡大表示やピーキング機能も使いやすい。

画質は、高倍率にもかかわらずズーム全域でシャープな写りを確認できた。これはレンズとセンサーのマッチングを考慮して設計できるレンズ一体型デジカメの強みともいえる部分だ。トータルとしては、実用性が高く、さまざまな撮影用途を1台でこなせる万能選手のようなカメラだと感じられた。ボディはやや大柄だが、ズーム倍率と全域F2.8の明るさを考慮すれば、むしろ小型といえる。レンズ交換の手間がかからないので、荷物の量を減らしたい旅行にも打ってつけの多機能高倍率ズーム機と言えるだろう。高額だがその価値は十分に備えている。

■『DSC-RX10II』をおすすめな人は??
静止画と4K動画を満喫したい人に
光学8.3倍という高倍率と全域F2.8の明るさを生かして、静止画と4K動画の両方を手軽に楽しめるカメラ。ボディサイズさえ納得できれば、画質と機能、操作面での満足感は高いはず。家族のイベントや我が子の成長記録を高画質で残すといったファミリーユースはもちろん、旅や風景などをテーマにした動画作品を作る用途にも最適だ。

ソニー
サイバーショット DSC-RX10II(DSC-RX10M2)

実税価格:17万940円 

サイズ:W129×H88.1×D102.2mm
重量:813g
撮像素子:1.0型CMOSセンサー
有効画素数:2020万画素
液晶モニタ:3.0型液晶(約122.9万ドット)
光学ズーム:8.3倍(f=24~200mm相当)
解放F値:全域F2.8
手ぶれ補正機構:レンズシフト式
連続撮影枚数:約400枚
記録メディア:SDメモリーカード(SDXC対応)

文・作例/永山昌克 撮影/松浦文生