匠の技が光る、至高のヘッドホン。それはメイドインジャパン

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ヘッドホン市場においてジャパンプロダクツは確固とした存在感を示しているが、5万円を超えるハイエンドクラス市場は残念ながらアメリカやドイツといった海外勢に席巻されていると言っても過言ではない。

しかし2015年、日本から世界に誇れる2台のヘッドホンが誕生した。『SE-MASTER1』はハイエンド市場奪還を意識した音質最重視機。数百万円もの価値を持つ大型スピーカーの開発により培った技術を使い、日本クオリティの最上位機種として登場した。そして可変型の『THP-01』は「イヤーウエア」という市場を新たに作り出そうとしている、ガジェットとしてのヘッドホンの可能性を追求したモデルだ。

両者の方向性は次元が異なり、目線はまったく交わらない。しかしこだわりを持つエンジニアが多い日本だからこそ、ヘッドホンの世界を拡張する可能性を持った戦略機がほぼ同時期に生まれたのだろう。

 

製作期間6年、培った技術を全て“音”に注ぎ込んだ
パイオニア
SE-MASTER1
実勢価格:26万9770円

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極限。『SE-MASTER1」はヘッドホンにおける孤高の高みを目指したメイドインジャパンだ。そのサウンドは圧倒的なクオリティを持つ。スネアドラムやシンバルのヒット1つをとっても、表面がたわみながら複雑でリッチな音を作るプロセスが見えてくるかのように超高解像なトーンを優しくまとめあげる。また眼前に広がるサウンドステージは左右にも縦方向にも広く、そして奥からも音が飛んでくる。まるでスピーカーで音楽を聴いているかのごとく、ヘッドホンの領域を越えた体験を与えてくれる。

付帯音の少ない音を作り出すドライバー
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▲25μ厚のアルミニウムにパーカーセラミックスコーティングを行ない、内部損失を向上。素材由来の付帯音を低減したサウンドを奏でる。

開放的な音世界を作る構造
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▲ドライバーの繊細な動きを阻害しない完全開放型を採用。カーオーディオ開発で培った、フルバスケットマウント技術も応用されている。

ここがモノ作りのポイント!
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▲パーツの接合部が共振することで不要振動が生まれ、ドライバーが生んだ微細音がマスクされる。同機を開発したエンジニアはその対策として、内部の各所に制動パーツを採用。ヘッドバンドのスライダー内部も共振対策を行なうという徹底した作り込みを施し磨き上げた、ピュアなトーンをオーナーの耳に届ける。

SPEC
開放型ダイナミック ドライバー口径 φ50mm 再生周波数帯域 5〜85000Hz インピーダンス 45Ω

 

造形の匠と音響のプロがタッグを組んだ、ギミックの美
グッドスマイルカンパニー
THP-01 ステルスブラック
実勢価格:4万8600円

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触れて、遊んで楽しいという、今までのヘッドホンにはない男ゴコロをくすぐる要素を取り入れてきた『THP-01』。トランスフォームが可能なインナーフレーム構造は、変形プラモデルなどを開発してきたエンジニアにも協力してもらって編み出された。使われているパーツ数はなんと256。剛性感も高く、カチャカチャと動かしているだけで時間を忘れる。クラブトーンなサウンドは最新世代のEDMとマッチする。GEEK JAPANを代表するプロダクツだ。

剛性感に優れた内部フレーム
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▲何度変形させても摩耗しないように、可動部には金属パーツを採用。手に伝わる感触も心地良いものにチューニングしている。

可搬性の高い折りたたみ構造
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▲ウイングのようなヘッドバンド上部を可変させ、カーゴ内部にフレームとハウジングを収納することでコンパクトな角型に納められる。

ここがモノ作りのポイント!
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▲可動部の増加、重量増加につながる見えない部分のデザイニングなど、「ヘッドホン作りではいけない」とされている悉くを実践。しかし音作りを担当したリンキンパークのジョー・ハーンとフォステクスの手により、解像感を伴ったハイクオリティな重低音サウンドを実現しているのが見事。

SPEC
密閉型ダイナミック ドライバー口径 φ40mm 再生周波数帯域 20〜20000Hz インピーダンス 30Ω

 

文/武者良太 撮影/篠田麦也

※『デジモノステーション』2015年10月号より抜粋

関連サイト
SE-MASTER1製品紹介ページ
THP-01 ステルスブラック製品紹介ページ