【IFA 2015現地レポ】“デジモノ心”をくすぐった展示製品11選

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ヨーロッパらしい“デジモノ”、お好きでしょう?

9月2日から7日までドイツ・ベルリンで開催された国際家電見本市『IFA 2015』は、世界50カ国から1645にものぼるブースが出展される巨大イベント。会場内には、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの家電製品やオーディオ関連機器と並んで、最先端のデジモノも数多く出展されていますが、ヨーロッパ市場向けだからなのか、多機能よりは質実剛健、単機能ながらデザインと機能に優れている製品の比率が高いという印象。イベントに展示されていた膨大な製品の中から、ここではそんなヨーロッパらしい“デジモノ”をピックアップしてご紹介しましょう。

iKettle & Smarter Coffee(Smarter社)
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今年のIFAの目玉の一つはIoT(モノのインターネット)ということで、会場ではスマホでコントロールできるたくさんの家電製品が出展されていました。世界初のインターネットとつながるスマートな電気湯沸かしポット『iKettle』を開発したイギリスのSmarter社は、最新版の『iKettle 2.0』と新たにスマート・コーヒーメーカーを発売。専用アプリからタイマー機能で時間や温度をリモートコントロールできるのに加えて、朝の目覚めに合わせ自動でお湯をわかしたり、家に近付くと自動でコーヒーを淹れてくれたりと、新しい機能が追加されています。Apple Watchにも対応していますが、あくまで求める機能は「美味しい飲み物を作ること」というシンプルさに好感が持てます。ポットは99.99ポンド、コーヒーメーカーの『Smarter Coffee Machine』(名前もシンプル!)は179.99ポンドでオンラインから購入できます。

Smarter社

Activité Pop(Withings社)
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IFAではApple Watchの影響もあり、ソニーやサムスン、LG、レノボ、ファーウェイなど、大手メーカーを中心にかなりの数のスマートウォッチが出展されていましたが、Withings社の『Activité Pop』は見た目が完全なアナログウォッチなところが魅力。毎日身に付けるものだから、薄くて軽くて使いやすくするため、あえてデジタル機能はすべてスマホアプリ側に集約したとのこと。スイミングトラッキングもできて、8カ月充電不要という点も、スマートウォッチは欲しいけど既存のデジタルデザインは重くて、厚みがあって苦手というユーザーに受けそうですね。価格は149.95ユーロでコーラルピンクを含む4色があります。

Activité Pop製品情報

Aura(Withings社)
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日照時間が短いヨーロッパでは日本以上に不眠症に悩む人が多いのか、「スリープコンパニオン」と呼ばれる眠りをサポートするIoT製品も複数の製品が出展されていました。そのうちのひとつ、Withings社の『Aura』はベッドサイドに置くライト兼睡眠モニターで、オーロラのようなやさしい七色の光と音楽で眠りをサポートしてくれます。専用シートをベッドの下に敷くため正確なセンシングができ、学習機能がその人の体調に合わせて最適なあかりや音楽で快適な眠りと目覚めを提供してくれるそう。しかもストリーミング音楽サービス「spotify」と連動させて、毎朝違う曲で目覚められるのもうれしいところ。価格は189.95ユーロで、眠りに最適な音楽はサイトからフォローできる仕組みです。

Aura製品情報

triby(INBOXIA社)
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冷蔵庫にマグネットではりつけられるラジオ? と思い気や、Wi-Fiでつなげてステレオスピーカーにしたり、液晶画面にはスマホから手書きメモが送れたりするなかなかのスグレモノが『triby』です。子供や家族との伝言ツールとしても使えるのはもちろん、独自の3D音声再生機能でパワフルなワイヤレススピーカーとして持ち歩くのもよさそう。199ドルで10月発売予定です。

triby製品情報

MOKTAK PRO(YAMAZOKi社)
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どこでも手軽に音楽を聴きたいというニーズが高いのか、Bluetoothスピーカーもたくさん種類がありましたが、『MOKTAK PRO』は丸いボールを2つに割ったようなユニークな形状が特徴。テーブルや棚に置いてもいいし、首にぶらさげても使えそう? 価格は129.9ユーロで8色のカラーバリエーションがあります。

MOKTAK PRO製品情報

JABRA ECLIPSE(Jabra社)
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日本でもおなじみのBluetoothヘッドホンメーカーJabra社が、専用ドックでチャージできるシンプルでコンパクトなBluetoothイヤホンを展示。重さは5.5gで、1回の充電で10時間連続使用と7時間の通話が可能です。空港やクルマの中でも使用できるレベルのノイズキャンセリング機能と、音楽を聴くための品質も確保されていて、通話の着信は本体をダブルタップするだけ。ボタンもスイッチも無いスッキリとしたデザインが特徴です。価格は129.99ドルで、色は今のところ黒のみのです。

JABRA ECLIPSE製品情報

MixStik(MAGNIFIED SELF社)
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カクテルを作るマドラーにスマホでコントロールできるライトを付けるとあら不思議、レシピに合わせて適切なお酒の分量が表示されるというアイデアグッズ。SDKが公開されているので、他の何かを測るのにも使えます。間もなくクラウドファンディングで資金調達を開始するそうなので、気になる人は早期オーダーを要チェックです。

MixStik製品情報

QiStone+(Fone社)
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石の形をしたオーガニックなワイヤレスポータブルチャージャー『QiStone+』。Androidは専用のチップを挿し込むだけ、またiPhoneは専用シートを使うだけで簡単にワイヤレス充電できるようにするキットです。開発しているFone社は製品のデザイン性を重視していて、できるだけデジタルらしくない自然な状況でモバイルデバイスを使えるようにするため、置くだけでチャージできる木製テーブル『FurniQi』のプロトタイプも展示していました。『QiStone』は79.99ドルで日本にも発送してくれるようですよ。

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Brewie(Brewie社)
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会場で見た一番ベルリンらしかった家電製品が、家庭用ビール醸造マシーンの『Brewie』です。大きめのオーブンレンジ程度のサイズをした、ゴツくて、デカくて、イカツイ見た目がいかにも“ドイツ製”をアピールしています。ただの冷蔵庫に見えそうですが、最先端のエンジニア技術がコンパクトに集約されていて、スマホでお好みのビールのレシピをオーダーして、届いた材料をメニュー画面に表示された通りに仕込んだら、あとは毎日5~6時間の運転で、5~14日間(レシピによる)待つだけで、約20Lビールが醸造できます。素人でもいろいろな味の自家製ビールを簡単に醸造できるとあって、展示コーナーでも大注目でした。材料もきれいに使いきるようにレシピも作り込まれていて、面倒なゴミ処理にもちゃんと配慮されている点なども認められ、スタートアップとしては多くの投資家からの支援を受けています。日本では自家醸造が原則禁止なので使えませんが、10月に1600ユーロで発売開始予定だということです。

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SPIN remote(SPIN remote社)
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IFAでは優れたユーザーエクスペリエンスを提供する製品を表彰する「UXデザインアワード」を実施しており、今年は15カ国から50製品がノミネートされています。優秀賞に選ばれた製品が集められた特設コーナーでは、機能もさることながら、シックで落ち着いたデザインで、部屋の中に置いても違和感のないデジモノが集まっていました。そのひとつ、『SPIN remorte』は「Kickstarter」のキャンペーンを今年1月に達成したばかりのIoTコントローラーで、Bluetoothや有線で接続したデバイスをボリュームボタンのようにひねってコントロールできる機能を備えています。さらに、複数のデバイスを同時につなげて、ボタンをクリックするだけで切り替えられるのが特徴。どのデバイスにつながっているのかが色で表示されるのもスマートです。

SPIN remote製品情報
UXデザインアワード

『IFA 2015』は、『International CES』や『CEATEC Japan』などの国際展示会に比べると、派手な演出も音楽もコンパニオンのお姉さんもほとんど見かけない、言ってしまうととても地味なイベントですが、出展されている製品をじっくり見ると、使いやすそうで日本市場にも受け入れられやすそうなモノが多いと感じました。展示会場を回っていても、家電製品を見ているというより、インテリアの展示会を見ているような気分になるのもひとつの特徴だと言えるかもしれません。あえてヨーロッパ型の技術の進化に合わせないマイペースなモノづくりのほうが市場に受け入れられ、最終的な勝者になるのかもしれない、そんなことを感じさせられた展示会でした。

文/野々下裕子

関連サイト
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