アナログでは実現できないデジタル文房具【文具王のデジタル文具ラボ】

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今回紹介するのは、『Adobe Ink&Slide』。タブレットで絵を描く用のスタイラスペンと定規のセットで、フォトショップなどで有名な同社が満を持して発売した、初のハードウエア製品です。

アナログ代替じゃないデジタル文具
Adobe
Adobe Ink&Slide
実勢価格:1万3930円
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▲筆圧感知スタイラスペンとデジタル定規のセット。手描きのなめらかさと製図板の正確さをタブレットで発揮できる。

面白いのはこの定規。一見して定規に見えないプラスチックの箸置きみたいなモノなんですが、液晶の上に置くと、専用ドローイングアプリの画面中で板から数mm離れた位置に線が現れます。で、スタイラスで線をなぞると、フリーハンドでもぴたっと直線が引ける。定規は円や三角、雲形定規などに変化します。もちろん定規サイズも自由に変更可能。この板一つに直定規や三角定規、コンパスなどが詰まってるわけで、直線も曲線も図形も自由自在。それって絶対にアナログの定規ではできないでしょう。

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▲アプリ上で切り替えるだけで、どんな形の定規でも自由に呼び出す事ができる。

アナログの文房具をデジタルで再現しようとしても、アナログに敵わない部分は絶対に出てくる。でも、これはアナログの代替物としてではなく、最初からデジタルで使うことを前提に作られた新しい文房具なんです。

ただ、タブレットでは画面が小さすぎる。せめてスケッチブックぐらいの画面サイズがあればクリエイティブな作業道具として十分に使える。

例えば編集者が雑誌のラフを描くのも、デジタル定規で誌面原寸大の画面に四角や線を描くだけで整って見やすいものが素早くできるはず。プロダクトデザイナーが製図する時なんかも手で思ったままにきちっとした線を引けるのでいいですよね。

製図用ドラフターのように大きな液晶に円筒形のノブを置いたら画面内で自由に角度を変えて線が引けて……というのが未来の設計士の道具になったりするかも。

【文具王の研究結果】
デジタル製図のためのスーツ
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▲大画面のタブレットにデジタル定規の組み合わせは未来の製図ツールとしての可能性を感じます。コンピュータを使ったcadよりも直感的かつスマートに線が引けるはず。

■文具王■
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高畑正幸/テレビ東京系『TVチャンピオン』全国文房具通選手権で3連覇を達成。デジタルグッズは新製品ハードからコアなガジェットまでいじり倒したいこだわり派。

 

文/きだてたく イラスト/文具王 撮影/増原秀樹

※『デジモノステーション』2015年10月号より抜粋

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