【レビュー】5軸手ぶれ補正で暗所も余裕!機能盛りだくさんの『OM-D E-M10 MarkII』

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『OM-D』シリーズ最軽量のボディに、金属外装を採用したエントリー機とは思えない高級感のあるモデル。有効1605万画素の撮像素子は従来機から変更はないが、手ぶれ補正機構が3軸から5軸へと強化され、約4段分の効果が得られるようになった。

EVFは236万ドット有機ELを採用、さらに電子シャッターを新しく搭載し、1/16000秒の高速シャッターや無音撮影に対応。写真を加工するアートフィルターや、長時間撮影で光跡を写すライブバルブなど、こだわりの撮影機能も充実している。レンズキットでは、小型ボディにマッチする収納時22.5mmとスリムな電動パンケーキズームが付属するのもポイントだ。

■基本性能をチェック

5軸手ぶれ補正であらゆるぶれを防止

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5軸手ぶれ補正機構は、上下左右方向のシフトや角度、回転方向のぶれに対応。マクロ撮影や望遠撮影など様々なシーンで効果を発揮する。

細部までこだわった質感の高いボディ

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上面のダイヤル類にはローレット加工が施されており、美しさと合わせて操作性も向上。また、銀塩時代のOMシリーズを模した電源レバーは、マニアにはたまらないギミックだ。

■すばやく撮れるAF機能

画面タッチで楽々ピント合わせ

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タッチシャッターを有効にすると、画面をタッチするだけで合焦後即座に撮影する。動物や子供など、ランダムな動きのある被写体でも撮りやすいのが特徴だ。

■充実した表現効果

ピント位置を変えて連続撮影

合成前
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合成後
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ピント位置を変えて最大999枚まで撮れる。ピント移動は10段階で調整でき、画像をフォトショップの「レイヤー自動合成」を使って編集すれば、1枚のパンフォーカス写真にできる。

■画質をチェック

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キットレンズの28mm相当で撮影。歪みや周辺像の乱れが少なく、スリムなズームレンズにしては満足。画質はシャープやコントラストが強めでメリハリがある。発色は自然で、鮮やかな色合いが好みなら“i-FINISHに設定するといい感じになる。

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84mm相当の望遠側でも、最短で25cm、撮影倍率0.46倍相当の近接撮影が可能で、マクロレンズ替りとしても優秀。開放絞りはF5.6と、特別明るいわけではないが、グッと被写体に近寄れば、背景を大きくぼかして撮ることができる。

■結論
『OM-D』シリーズ共通のクラシカルなデザインを踏襲した小型ボディは、エントリー機としては珍しく2つのコマンドダイヤルを備え、絞りなどの操作がスムーズに行える。シャッターボタンが大きく押しやすいのも好印象だ。

ボディ前後には小さいながらもグリップを備えホールド感は良好。別売の専用グリップを付ければ、手の大きい人でも持ちやすい。アタッチメント方式でバッテリーやメディア交換に手間取らない優れものだ。

従来機と比べ、わずかにサイズアップしたが、重量は約8グラム軽量化。自分好みの機能を割り当てられる“Fn”ボタンが2つから3つに増えている。小型ボディ造りに対する工夫が伝わってくる。

EVFは解像度が上がったのに加え、液晶から有機ELに変更されたことで階調も滑らかに。また、秀逸なのが表示のダイナミックレンジを拡大する新機能“OVFシュミレーション”。EVFでは見えにくかった明暗部が、まるで肉眼で見ているかのように表示される。明るさや色調は反映されないが、被写体の細部まで確認しながら撮影できる。さらにEVF撮影で活用したいのが、画面タッチで即座に測距点を移動できる“AFターゲットパッド”機能。使ってみると移動動作がすばやすぎて多少慣れが必要だった。測距点サイズが大きめで、1点よりも3×3点に設定したほうが操作はしやすかった。

画質は上位モデルと同じ有効1605万画素の撮像素子で、ほぼ同等の写り。高感度もISO1600まではノイズレス。ISO3200を越えるとノイズや解像感劣化は見えるが十分実用範囲内。また、夜の街をスナップしてみたが、1/4秒程度まではぶれが目立たず、手ぶれ補正の効果が実感できた。

電子シャッターは無音撮影でき、ピアノの発表会など静かに撮影したいときに便利。また、一味違った写真にできるアートフィルターも充実している。上位機種では外付けのストロボを内蔵しているのもメリットだ。室内で撮りたい時など、意外と活躍するシーンは多い。

エントリー機と言えば、つい初心者向けと考えがちだが、本機は操作性や機能、画質は上位機に引けをとらない実力を備えている。

■『E-M10 MarkII』をおすすめな人は??
撮る楽しみを味わいたい人に

タッチ操作で明るさや色調を調整できる“ライブガイド”や、すばやく撮影ができる“タッチAFシャッター”などの簡単に撮影できる機能は初心者にもやさしいが、所有欲を満たす高級感や、カスタマイズできる操作性など上級者に向けた魅力も満載。お手軽だけではもの足らず、こだわりを持って写真を撮りたいお父さん世代におすすめだ。

オリンパス
OM-D E-M10 MarkII

実勢価格:10万3670円

サイズ:W119.5×H83.1D×46.7mm
重量:約390g
撮像素子:4/3型Live MOSセンサー
有効画素数:1605万画素
EVF:有機EL(約236万ドット)
液晶モニタ:3.0型可動式(約104万ドット)
手ブレ補正:センサーシフト式5軸手ぶれ補正
連続撮影枚数:約320枚
記録メディア:SDメモリーカード(SDXC対応)

文・作例/岡田清孝 撮影/松浦文生