ハイレゾ×ノイキャンが生み出す、最新「ウォークマン」の真価とは?

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ノイズキャンセリングで近付くウォークマンの本質

新ウォークマン『NW-ZX100』は、初のハイレゾモデル『ZX1』の後継に位置付けられる。しかし、最上位機『ZX2』と共通するデザインや、オリジナルOSへの変更など、これまでのノウハウを継承した正しい進化を果たしている。もちろん音質的な向上もめざましく、アルミ切削ボディ+銅&金メッキのステンレス板の採用など、素材選定と細部の見直しが施されている。

音質、使い勝手ともに申し分ないが、実は最も注目すべきは、今回初めて提唱された「ハイレゾ対応ノイキャンセリング機能」だ。これまでもハイレゾ再生とノイズキャンセリングを兼ねるモデルはあったが、ハイレゾ再生を推奨されていなかった。それは、マイクで外の騒音を拾い、逆位相の音を出して打ち消すノイキャンもまた、ハイレゾ音源に適した設計が必要だったからだ。それをついに『ZX100』は叶えた。

実際、「ハイレゾ×ノイキャン」はなかなかに効果的。表現がきめ細かなハイレゾ音源を存分に楽しむには、ハイレベルなノイズバランスが必要となるが、『ZX100』は電車内など騒音が激しい場所でも、ハイレゾの響きを阻害しない空間を作り上げる。筆者の体感的には、密閉度が極めて高いカスタムIEM(耳型をオーダーメイドするイヤホン)に近い遮音性だと感じた。

「ハイレゾ×ノイキャン」の生み出す、新感覚の高音質環境は大いに魅力。ある意味、「高音質を外に」というウォークマンの本質を最も高いレベルで実現したモデルだと思う。

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▲ヘッドホンが周囲の騒音を常に分析し、3つのモードの中から最適なノイズキャンセリングを選んでくれる。

さらなる進化で高音質を使いやすく
ソニー
ウォークマン NW-ZX100
実勢価格:7万2230円 10月10日発売

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同シリーズ『ZX1』の後継モデルとして誕生。本体にノイズキャンセリング機能を搭載したことと、インターフェイスに独自OSを採用したことが最大のトピックだ。それ以外にもボディをアルミのモノコック構造とし、基板技術や使用するはんだまで見直すことによって、音質をさらにブラッシュアップしている。

ファーストモデル『ZX1』の後継機となる実力を全方位解説

洗練されたボディデザイン
アルミ切削のボディは、シャーシと一体となったモノコック構造を採用。剛性を高めるとともに、外観上の質感も向上させている。前面には「Aシリーズ」を思わせる操作ボタンを配置し、ラウンドしたサイド部のデザインはフラッグシップの『ZX2』譲りと、「ウォークマン」シリーズそれぞれの良いとこ取りを実現したデザインとされる。

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▲サイドは『ZX2』を思わせるラウンド形状に仕上げられており、自然に手の平になじむデザインに。音量ボタンはHOLDスイッチの位置もアクセスしやすい。

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▲ヘッドホンジャックは真鍮切削パーツを用いて強固に仕上げられる。接触抵抗や経年劣化を抑えるとともに、デザイン上のアクセントにもなっている。

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▲背面はラバーグリップとされており、手になじむ素材感を実現。アンプを内蔵した部分の膨らみは、絶妙に指に引っ掛かるので持ちやすい。

独自の高音質設計
シャーシ構造から細かい使用部品まで、徹底的に手を入れることでさらなる高音質化を実現。モノコック構造のシャーシがクリアで力強い低音域再生を安定させ、基板の構造見直しはより引き締まった低音と伸びやかな高音に貢献する。アンプの電源や、バッテリーからの電源供給回路も刷新され、より豊かな臨場感を生み出す。

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▲ハイエンドオーディオ用に独自開発した「高純度無鉛高音質はんだ」を採用。金属素材を見直すことで、低・中・高域のバランスが向上。

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▲プリント基板のVIA部分を銅メッキで穴埋めして、電源の安定などを図る技術を採用。

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▲電気信号を安定させる「低誘電率基板」を採用。アンプの電源は、周波数特性が良くノイズの少ない電気を供給する「OS-CON」を使う。

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▲リアシャーシには銅メッキと金メッキを施し、低インピーダンス化したステンレス鋼板を用いる。基板との接触抵抗を最小限に抑える配慮。

ハイレゾ音源をもっと扱いやすく
バッテリー性能の向上などにより、従来モデル『ZX1』の2倍以上の連続再生時間を実現する。携帯しやすいサイズ感も相まって、外出先でも長くハイレゾ音源を楽しむことが可能。ノイズキャンセリング機能で屋外でも自然な静けさの中でハイレゾ音源を聴ける。PCMやFLAC、DSDなど幅広いフォーマットに対応しているのもうれしい。

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▲microSDカードスロットを装備。ハイレゾ音源を入れたカードを使えば何曲でも持ち歩ける。

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▲ハイレゾのFLAC音源では45時間、MP3音源では何と70時間もの連続再生を可能としている。

SPEC
サイズ:W54.4×H120.1×D15.4mm 液晶サイズ:3.0型 再生時間:55時間(FLAC 96kHz/24bit、ノイズキャンセリングOFF時)Bluetooth:対応(LDAC対応) Wi-Fi:非対応 充電時間:約5時間/非公表(USB/AC) 内蔵メモリ 128GB 外部メモリ microSD×1(最大128GB) 重量 145g

編集部のFIRST IMPRESSION!!
ポップスにも合う力強いサウンド
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手の平に収まるサイズ感はなかなか。タッチパネル非搭載は違和感を覚えるかもしれませんが、音楽再生に特化したリニアな操作感が得られます。肝心の音色傾向はメリハリのあるバランスで、特に低域はボリューム感がありリズムを躍動的に表現します。ポップスが好きで、低域にパワーがほしい人にもってこいのサウンド!

 

エントリー機もノイキャン対応に
ソニー
ウォークマン NW-A25HN
実勢価格:3万110円 10月10日発売

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ハイレゾ対応のエントリーモデルも「A20」シリーズに進化。ハイレゾ音源対応のノイズキャンセリング機能を搭載し、より静かな環境で高精細な音源を楽しめる。圧縮音源をハイレゾ並にアップサンプリングする機能も搭載。FLAC音源で約40時間、MP3音源では約50時間の連続再生に対応する。

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▲デジタルアンプの電源には上位モデル『ZX1』にも採用されていた「POSCAP」コンデンサーを搭載。低音から高音まで安定した電源の供給が可能で、より透明感のある音が再生できる。

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▲厚さ約8.7mm、重さ66gのボディはハイレゾ対応のオーディオプレイヤーとしては世界最小・最軽量。アルミ素材を使ったボディは剛性だけでなく、デザインも高品位な仕上がり。

SPEC
サイズ:W43.6×H109×D8.7mm 液晶サイズ:2.2型 再生時間:40時間(FLAC 96kHz/24bit、ノイズキャンセリングOFF時)Bluetooth:対応(LDAC対応) Wi-Fi:非対応 充電時間:約4時間/非公表(USB/AC) 内蔵メモリ 16GB 外部メモリ microSD×1(最大128GB) 重量 66g

編集部のFIRST IMPRESSION!!
前機種とひと味違う自然な音色
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意外とナチュラルなサウンドに驚きました。ジャンルを選ばないその音は、先代の「A10」シリーズよりも音質の基礎が高く感じました。使い勝手の良さは前シリーズから変わらずです。『ZX100』と同じくノイキャン搭載こそ最大のメリットでしょう!

 

文/野村ケンジ、増谷茂樹、編集部 撮影/星武志(estrellas)

※『デジモノステーション』2015年11月号より抜粋

関連サイト
ウォークマン製品情報ページ