携帯電話にキノコを食べさせる!? 次世代バッテリーは秋の味覚がお好き

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「キノコのいいダシ(電力)、出てまっせ!」

食欲の秋、旬の食材の代表的なものの一つがキノコですよね。鍋物に入れたりするとたまらないんだー、コレが。しかし先端科学の世界では、食べるだけじゃない、一歩進んだキノコ活用の道が模索されているのだそう。「Nature」のウェブサイトに掲載された論文によると、カリフォルニア大学リバーサイド校の研究者たちは、携帯電話や電気自動車を動かすための電力をキノコから得ようと試みているのだといいます。

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▲実験では、500度、700度、1100度といった高温処理をしている。つまりキノコの乾物ってこと?

ここで用いられるのは、大きめのブラウンマッシュルームである「ポートベロー・マシュルーム」。日本ではちょっと前にフレッシュネスバーガーがこの品種を使ったベジタブルバーガーを提供していたこともありますね。研究者たちは、このキノコの表面部分を加熱した際に形成される多孔質のカーボンナノリボンに着目し、これをリチウムイオンバッテリーに応用できると考えているとのこと。

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▲ナノレベルの微細な世界での実験なので、これを見ただけではキノコの話とは思えませんね。

発表されている論文の内容はあまりにも専門的なのでここでは深く触れませんが、1100度の高温で処理されたキノコ表皮の素材に1gあたり260mAhのバッテリー容量を持たせることを実現したとされています。これは現行のスマートフォン内蔵バッテリーのおよそ10分の1以下ですが、これからの発展に十分期待できる数字と言えるでしょう。

また、ポートベローマッシュルーム由来の電池材料は、バッテリー寿命の向上にも貢献すると見られていたり、バッテリーから環境に有害な物質を減らすこともできるなど、採用するメリットは非常に多そう。今後はこのように、植物や菌類に由来する素材が次々とハイテク機器に使われるようになっていくのかもしれませんね。

 

文/ワタナベダイスケ

関連サイト
Bio-Derived, Binderless, Hierarchically Porous Carbon Anodes for Li-ion Batteries(Nature)