耳元でライブが始まったかと思った。SHURE初ハイレゾイヤホン「KSE1500」試聴

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

音楽を再生したらライブが始まったのかと思った……それくらい感動……。

遮音性の高い耳掛けスタイル、通称「SHURE掛け」で有名なSHUREが、「ポータブルリスニングの基準を塗り替える」と銘打った、スペシャルなイヤホンシステム『KSE1500』を発表しました。

SHURE2
▲アンプとイヤホンセットのシステム。イヤホン部はSHUREおなじみの形状に見えますが……。

アンプ部は96kHz/24bit対応のDACを搭載しており、なんとSHURE初のハイレゾ対応になっています。ついにSHUREからもハイレゾ対応製品が出たかー、と感慨深い思いもありますね。ただ、このアンプ部はハイレゾ対応よりも重要な役割があるのですが、それについては後ほど。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
▲iOS/Android/Mac/PCとのUSB接続に対応。USB入力とLINE入力の切り替えもできます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
▲4バンドのイコライザーも搭載。別で自分好みのカスタム設定も4つ保存できます。

個人的には価格もインパクト大。税別で36万円前後(!!!!)と、まあオーディオの楽しみにどっぷりハマったギーク向けの製品ですね。ただ、発表会で聴いてきた音があまりに素晴らしかったのでその感動だけは何とかお伝えしたく!

「ポータブル機器のもたらすモビリティを損なうことなく比類ない明瞭性とディテールを再現」とSHUREも言っている通り、音は非常〜〜〜に細かく、鳴る音の一つ一つがたくさんの粒の塊に感じられるほど。その秘密は、今回採用された「コンデンサー型ドライバー」にあります。通常、コンシューマーのヘッドホンは「ダイナミック型ドライバー」か、サイズが細小で複数基の搭載もできる「バランスドアーマチュアドライバー」が主流。しかし、そのどちらでもないコンデンサー型を採用することで、極めて速い音の立ち上がりや、極低音から極高音まで鳴らすワイドレンジ再生を実現したとのこと。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
▲「限りなく無質量」を叶えたドライバーとその振動板。極小ゆえに精度の高さを保ちつつ、高速駆動を実現しているそうです。

またコンデンサー型ドライバーは、通常のヘッドホンアンプでは駆動できません。つまりセットのアンプはコンデンサー型専用のアンプなのです。従来製品であれば、コンデンサー型用のアンプは据え置きでしたがあくまでポータブルにこだわったのは、スマホ視聴の普及など時代のニーズを考慮してのこと。もう一つ加えると、ポータブルアンプとセットのコンデンサー型はSTAXなどほぼ開放型です。でもKSE1500はSHUREのノウハウを注ぎ込んだ高遮音性を実現したイヤホンのため、世界初かつ真の意味でのポータブルコンデンサー型と言えるモデルなのです、ここ本当に重要。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
▲アンプ部は現行ポータブルアンプと同等のサイズ感。

なじみの薄い技術が多く長く語ってしまいましたが、もう少しだけ実際に聴いた感想を。音は細かいだけじゃないんです。コンデンサー型の特長でもありますが、音の広がりがすごく大きい。そのステージ感のリアルさたるや、まるで耳元でライブが始まったのかと思うほど。ポール・マッカートニーの「Here Today」を聴いたんですが、これまで聴いてきた音だとアコギとストリングスが左右にちゃんと分離してますね、くらいの感じだったんですが、これで聴くと「アコギは左の大体1〜3m手前で弾いてて、ストリングスはもう2mくらい斜め奥かしら…?」みたいなところまで自然と入ってきちゃう。。高級機らしくパワーは強すぎずとてもフラットなんだけど、ポールの声も細くて「つぶつぶ」してるし……いまこの瞬間に耳元で歌われてるのと変わらないんじゃないかと思うほどのリアリティ、泣けそうです。この感動はハイレゾ音源を初めて聴いたそれを超えているかもしれない、そう思うほど。

36万円超えの価格はそう手は届かないかもしれない、でも「人生の一本」に選んでもいいと思えるほどの感動がありました。発売は12月末〜2016年1月予定、最大級の感動を得たい人はぜひ。

関連サイト
KSE1500製品情報