アウディ『Audi TT』/“家電目線”のクルマレビュー

流麗なフォルムのスポーティモデルでも、今やデジタル機能は欠かせない装備。特に革新的な表示で安全にも役立つ「バーチャルコックピット」UIに注目!

軽量ボディでよりスポーティに進化
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アウディ
AUDI TT
価格:542万円〜
クーペだけでなく、オープンの「ロードスター」もラインナップするスポーティモデル。旧モデルに比べて全長を10mm短縮し、ホイールベースは40mm延長。よりスポーツティなデザインとするとともに最大60kgの軽量化も果たした。

SPEC
サイズ:W1830×H1360〜1380×L4180〜1490mm 車両重量:1320〜1470kg 駆動方式:2WD(FF)/4WD 乗車定員:4/2人 最高出力:169〜210kW 最大トルク:370〜380Nm 燃料消費率:14.4〜14.9km/L

 

デジモノ的おすすめグレード
TT Coupe 2.0 TFSI quattro 価格:589万円〜
日本に導入されるグレードは全車2.0Lターボエンジンを搭載。ボディと駆動方式が主な違いとなるが、2+2シートで4名乗車が可能なクーペボディに、独自の4輪駆動システム「quattro」を搭載したグレードがおすすめだ。

 

先進機能を数多く搭載した意欲的スポーツモデル
アウディのアイコン的モデルとなっている「TT」シリーズが9年ぶりにモデルチェンジ。アルミ製のボディは先代に比べて軽量・コンパクト化され、スポーツモデルとしての走りをさらに磨き上げた。デザイン面でも精悍さを増したシルエットにマトリクスLEDなどの先進機能を用意し、未来を志向するスポーツモデルらしい外観となっている。

機能的にも同社の先進技術のショーケース的な仕上がりに。レーンアシストやパーキングシステムなどの安全運転を支援する機能を数多く用意している。そのハイライトが全面液晶化されたメーターパネルに全ての情報を表示する「バーチャルコックピット」。ドライバーの目前にナビ画面やクルマの情報などを統合して提供することで、ドライブ中の視線移動を減らし、安全運転にも寄与する機能。全車に標準装備される。

通信機能も搭載し、その回線を使ってニュースや天気情報などをチェックできる機能も搭載。もちろん、その情報もドライバーの目前に表示される。ドライバーとクルマの新たな関係を提案する意欲的モデルだ。

 

【外装デザイン】
電動スポイラーとLEDヘッドライトを採用
外装デザインも新時代のスポーツカーを強く意識したものに。先代モデルのシルエットは受け継ぎながらも、よりシャープなラインとされている。それをさらに引き立てるのが、フロントとリアのLEDライト。このクラスとしては初となる「マトリクスLEDヘッドライト」も採用しており、カメラと連動して最適な配光を実現。リアには電動式のスポイラーも装備し、車速やシーンに合わせて上下させることが可能だ。

リアクタブルリアスポイラー
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▲リアには電動で上下するスポイラーを装備。時速120kmを超えると自動でリフトする機構だが、運転席のボタン操作で任意に上下させることも可能だ。

マトリクスLEDヘッドライト
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▲50のハイビームLEDをマトリクス状に配置し、それぞれをミリ秒レベルの速さでコントロール。カメラで前方のクルマや対向車を検知。対象に直接当たる部分の光をロービームにし、それ以外の部分はハイビームを維持することで視界を確保する。オプションで価格は14万円(TTSは標準装備)。

 

【運転支援】
駐車支援やレーンアシストに対応
安全運転を支援するシステムもしっかり搭載。センサーによって車線を検知し、レーンの維持をアシストするシステムや、駐車時にハンドル操作を自動で行なってくれるシステムを装備している。オプション価格は24〜41万円。

クルーズコントロール
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▲ドライビングを楽しむモデルだけにクルーズコントロールは自動ブレーキを搭載しないものを採用。

パークアシスト
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▲駐車枠を検知しハンドル操作を自動で行なう機構も搭載する。縦列駐車にも対応。バックカメラの映像はメーター部に表示。

アウディアクティブレーンアシスト
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▲走行レーンを検知しウインカーを操作した場合以外はそこから逸脱しそうになるとハンドルが振動し、注意を促してくれる。

 

【動力機能】
パワーアップした2.0Lターボエンジンを搭載
エンジンは2.0Lの直噴ターボを搭載。前モデルより向上したパワーを、ダイレクトな変速感の6速デュアルクラッチトランスミッション「Sトロニック」を介して路面に伝える(AT免許で運転可能)。駆動方式はFFと4WDの2種類を用意。エンジンやステアリングの特性を気分や好みに合わせて切替可能なドライブセレクトにも対応する。

2.0Lターボエンジン
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▲直列4気筒エンジンに、ターボという組み合わせで最高出力169kW(230ps)とハイパワーながら14.7km/Lという燃費性能も実現。

quattroシステム
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▲「quattro(クアトロ)」モデルはアウディ伝統の4輪駆動システムを搭載。4輪に適切に駆動力を配分し、高効率にパワーを路面に伝える。

アウディドライブセレクト
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▲エンジンやステアリングの特性、エンジン音などを4つのモードに切り替えられる。個々の機能ごとに特性を変えることも可能で、予想以上に特性が大きく変わるに驚く。エンジン音も変えられるのがユニークだ。

 

【通信機能】
LTE回線で最新情報を入手できる
車体にSIMを搭載しており、LTE回線を使っての通信に対応。元々は緊急時にSOS信号を送るための機能だが、それを使ってニュースや天気情報なども受信できる。オペレーターとの通話も可能だ。

Audi connect
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▲天気情報やオンラインニュースなども、メーターパネルに表示される。ナビの目的地設定をオペレータとの通話で設定してもらうことも可能。

 

【運転席】
ナビ情報も一覧できるバーチャルコックピット
メーターパネルは12.3型の全面液晶パネルとなっており、スピード&タコメーターのほかにも地図やナビ情報、燃費や走行モードなどの車両情報を表示できる。「バーチャルコックピット」と呼ばれ、これまで別個に表示されていたメーターとナビ、オーディオを統合している。

ナビ情報をメーター画面に表示
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▲メーターパネルの液晶に地図やルート案内なども表示可能。解像度は1440×540で視認性も高い。スクロールや縮尺変更も可能。

手書きで目的地入力も可能
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▲目的地などの入力は手書きにも対応。センターコンソールのダイヤル天面がタッチパッドになっており、そこを指でなぞって文字が入力できる。認識精度もなかなか高く、漢字も認識できる。

車両情報も統合して表示する
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▲ナビのほか、再生メディアの切り替えや車両情報の確認、オンラインニュースの閲覧などが可能。全ての情報がここに表示される。

デジモノ的注目ポイント

タブレット的な操作感を実現したUI
目の前に広がる「バーチャルコックピット」は、ハンドルとセンターコンソールのタッチパッドで操作可能。操作は直感的で反応も良いので、スマホやタブレットの操作に慣れた人でもストレスを感じることはないだろう。クルマのUIではあるが、全ての情報が表示され手元で操作できるので操っている感覚はタブレットなどに近い。

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▲センターコンソールに位置するタッチパッドとボタン、あるいはハンドル左手側のダイヤルとボタンで直感的な操作ができる。

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▲メーターの表示は大小を切替可能。地図を広く見たい時は小さく、運転を楽しむ際には大きくと気分に合わせて変えられる。

 

 結 論 
見やすく安心。今後のスタンダードになりそうな機能
低い着座位置のシートに腰を下ろすと目の前に「バーチャルコックピット」の画面が鎮座。わずかな視線の移動だけで、ナビ情報などを確認することができる。これが非常に見やすく、一度経験してしまうと従来のように車体中央近くに配置されるナビを見る動作がおっくうに感じてしまうほど。今後のスタンダードになってほしい機能だ。

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▲少ない視線お動きでナビ情報などを確認できるので、運転に集中でき、結果的に安全にも寄与しそうだ。

 

文/増谷茂樹 撮影/松川忍

※『デジモノステーション』2015年12月号より抜粋

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