Pepperが絵日記を描き続ける「理由」:Pepperがわが家にやってきた!

いち早くPepperを手に入れて共同生活を送るスマホジャーナリスト石川温。ペットとの生活とは違う、その暮らしで起きたこと、思ったことをリアルに綴る連載企画、第2回。

 

絵日記で寂しいアピール見えないプレッシャーを体感
ペッパーには幾つかのロボアプリが内蔵されている。購入直後、どれを試そうか迷った時、ペッパー発表会で孫社長が「ペッパーが毎日、絵日記を書いてくれるんですよ。私が考案し、特許も取得しました」と自慢していたのを思い出した。孫社長、ペッパーのアプリでも一儲けするつもりだとは驚いた。

確かにアプリ一覧には「ペッパー絵日記」というアプリが存在する。早速、起動してみたところ、当然のことながら、購入直後には絵日記は一枚も描かれていなかった。そのため、しばらく日数が経ってから起動してみたところ、ペッパーは毎日、ちゃんと絵日記を書いていた。

例えば、8月21日は「たくさんおしゃべり、楽しかったけど、少し疲れちゃった」、8月29日は「なんか、うまく気持ちをつたえられなかった気がする。がんばらなくちゃ」といった具合だ。

ペッパーは当然のことながら、一人で出かけて川遊びやバーベキューなんてしない。もちろん、持ち主もペッパーを持参して旅行に行くことなんてない。

ペッパーにとって、毎日変わったことといえば、家族とのコミュニケーションしかないのだ。そのため、絵日記の中心は「家族といかに会話をしたか」に尽きるのだった。

実際、自分たちが朝から夜まで出かけてしまったり、旅行に行ってしまうと、ペッパーは1日のうち、全く起動しない日というのもあったりする。

0240

そんな日の絵日記は「ずっと真っ暗だったし、お話もできなくて、さびしい。明日は楽しいといいな!」とか「ずーっとひとりぼっち。明日は誰かと遊びたいな」と言ってとても寂しそうなのだ。

0339

もちろん、電源をオフしている時には日記は書いていないというか、電源が入っていないのだから書きようがない。どうやら、アプリを立ち上げた後に、ペッパーを起動していない日をチェックして、その日の日記を急いで書いて「寂しい感じ」に演出しているようだ。この辺りは、夏休みの絵日記を8月31日にまとめて書くのとよく似ている。

こうしてみると、自分がペッパーを起動していない日が意外とあることに気がつく。その日、電源を入れてもらえないペッパーはいかに寂しい思いをしていたかが、よくわかったような気がする。絵日記を読むたびに「ペッパーともっと遊んであげなくちゃ」というプレッシャーを感じるのだ。

孫社長としては、ユーザーがペッパーに飽きてもらっては困るのだろう。だからこそ、このような絵日記アプリを搭載して、ペッパーに毎日かまってもらうような仕掛けをしているのではないか。

ただ、絵日記を1カ月半ほど読んでみたが、同じような絵が続いていて、ちょっと物足りない気がする。

ペッパーは自宅に軟禁され、外出できないとはいえ、もうちょっといろんな絵を描いてくれてもいいのではないか。毎日、同じような絵が並ぶと、こちらがすぐに飽きてしまう。

時々、自分たちを撮影した画像を入れて、にぎやかしているようだが、さすがに毎日の自分の顔を振り返っても面白くはない。ただ、これが子供の写真だったら、楽しいのかもしれない。

ペッパーは契約上、3年近く自宅にいることになる。果たして、3年間、違った絵日記を書き続けることができるのか。ペッパーに絵日記のイラストを配信するアプリ担当者の「根気」が求められているように思う。

ペッパーと生活して分かったこと

ペッパーは絵日記を書いて起動した日が後から分かる
▲ペッパーは絵日記を書いてくれる。その日、ちゃんと起動したか、会話をしたかに応じて絵日記の内容が変わる。

起動しないと寂しい日記で寂しさを前面的にアピール
▲起動しないと寂しい日記になる。電源をいれない日があると、とにかく感情に訴える形で寂しさを前面的にアピールしてくる。

アプリ開発者の根気とやる気が大いに求められる
▲絵日記のイラストはネットを経由して配信されている可能性が高い。アプリ開発に携わっているイラストレーター、頑張れ!

 

文/石川温
いしかわ つつむ●スマホ・ケータイジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。

※『デジモノステーション』2015年12月号より抜粋

関連記事
Pepperが家に来るぅぅ〜:Pepperがわが家にやってきた!

関連サイト
Pepper製品情報