【レビュー】1.0型センサーで高画質に!手のひらサイズの『PowerShot G9 X』

人気の「PowerShot G」の新顔として『PowerShot G9 X』が登場。昨年発売された『G7 X」の下位にあたり、チルト液晶や十字キーを省くことで薄型・軽量化を図る。

撮像素子には『G7 X』と同じく有効2020万画素の1.0型CMOSを採用。高感度に有利な裏面照射型で、最高感度はISO12800に対応。3段分の効果を持つ手ぶれ補正や、1920×1080/60fpsの動画撮影についても上位機と同等の性能だ。

カラーはブラックとシルバーの2色を用意。茶色と銀のツートーンを採用したシルバーのモデルは、これまでの『G』シリーズに見られなかった明るい配色であり、ユーザーの裾野を広げる試みと言える。

■基本性能をチェック

開放F2.0と明るいズームレンズを搭載

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広角端でF2.0の明るさを誇る光学3倍ズームレンズを搭載。レンズ構成は6群8枚。両面非球面レンズを組み込み、小型化と高解像化を両立している。

ローレット処理で高級感を演出

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ダイヤルやレンズ周辺のコントラーリングにローレット処理を施したり、ボディのエッジにダイヤカットを配したりすることで、高品位な質感とデザイン性を高めている。

■撮影のしやすさを追求

基本操作はタッチパネルを利用

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フォーカス位置は画面をスライドさせて移動可能。被写体の一部にピントを合わせたり、人の顔にしっかりピントを合わせるのに重宝する機能だ。

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タッチで使いやすいように、ドラッグ&ドロップによるアイコンの並べ替えや、スワイプ操作によるメニュー画面の切り換えが行える。

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クイック設定では、任意のアイコンをタップするとその項目が下段にバーとして表示され、好きな設定項目を素早く変更できる。

■小型ながら豊富な機能

実用的な機能が盛りだくさん

NDフィルター有効
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NDフィルター無効
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NDフィルター機能は従来までの手動に加え、オートに対応した。晴天の屋外で絞りの開放値を使いたい場合や、長秒露光で動きのある写真を撮るときなどに重宝する機能だ。

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側面のボタン操作で素早くWi-Fiを起動でき、スマホの画面で構図を確認しながらリモート撮影や画像転送が行える。

■画質をチェック

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焦点距離28mm相当になるズームのワイド端で撮影。画像周辺部までくっきりと解像し、鉄橋や車体の金属感がリアルに再現されている。発色は彩度とコントラストがほどよく強調された見栄え重視の傾向だ。好みに応じたカスタマイズもできる。

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常にポケットに入れておき、目に留まったものを気軽にスナップする用途に最適。この写真は、足の影とシルエットがタイル模様にバランスよく重なるタイミングを捉えたもの。ホワイトバランスは「日陰」を選び、全体を赤っぽい色でまとめた。

■結論
キヤノン『PowerShot G9 X』を手にしてまず感心したのは、その薄さと軽さだ。ボディの奥行きは30.8㎜で、重量は209g。胸ポケットにすっぽりと収まり、1.0型という大きなセンサーを備えた高級コンパクトとしては画期的なボディサイズ。外装は高品位なアルミ素材を採用。また、前面から両側面にかけては吸着感のあるグリップ部材を配置し、薄型軽量ながら十分なホールド性を保っている。

電源を入れるとレンズがせり出て、約1.4秒で起動する。さらに、レンズは28mmスタートの3倍ズームで、開放値はF2.0〜F4.9。光学4.2倍ズームを備えた上位機『PowerShot G7 X』のレンズに比べるとやや見劣りするものの、ボディが一回り薄くて軽くなったことを考慮すれば、十分納得できるスペックである。AFはコンパクトでは一般的なコントラスト検出方式を採用。ズーム域を問わず暗所でもスムーズに合焦した。また、撮影間隔や液晶表示、メニュー表示などの各種レスポンスについても問題はなかった。

操作面では2つの特長に注目したい。ひとつは鏡胴部に設けたリングの回転によって、絞りやシャッター速度を直感的に設定できること。しかも新基軸として、リング操作時にタッチパネルを併用することで、設定項目を絞りやシャッター速度から素早く感度や露出補正に切り換えることも可能だ。もうひとつは、大胆にも十字キーを省略し、ほぼすべての操作をタッチパネルに集約したこと。メニュー選択や再生のコマ送りをタッチで行うのは個人的には少々戸惑ったが、スマホのタッチ操作に慣れた人なら違和感は少ないかもしれない。

撮影機能はオートからマニュアルまでひととおり完備している。さらに、星空モードがより鮮明に撮影可能になったことや、NDフィルターが自動設定可能になったことは上位機に勝る進化点。高画質と機能性にこだわりつつ、圧倒的な携帯性を実現しており、レジャーはもちろん旅行で極力荷物を減らしたい人には優秀なパートナーとなるだろう。

■『PowerShot G9 X』をおすすめな人は?
日常風景を高画質で撮りたい人に

センサーサイズが小さい一般的なコンパクトカメラやスマホでは画質に満足できないが、かといってミラーレスなどのレンズ交換式カメラは重くてかさばるのが負担だ。そんなふうに感じている人に最適な製品。身に付けて常時持ち歩いても苦にならず、サッと取り出して手軽に扱える機動力と取り回しのよさは、ほかには替えられない価値だ。

キヤノン
PowerShot G9 X

実勢価格:6万4584円

サイズ:W98×H57.9×D30.8mm
重量: 約209g
撮像素子:1.0型高感度CMOS
有効画素数:2020万画素 光学ズーム:3倍(f=28〜84mm)
液晶モニタ:3.0型(約104万ドット)
手ぶれ補正:マルチシーンIS
連続撮影枚数:約220枚
記録メディア:SDメモリーカード( SDXC対応)

文・作例/永山昌克 撮影/松浦文生

※『デジモノステーション』2015年12月号より抜粋

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