一番使えるオールインワンはどれ!? プリンター頂上決戦【印刷品質編】

「最強プリンタ」は写真画質が全てじゃない!

各メーカーがしのぎを削り、毎年のように写真画質を向上させているため、今では専門店でプリントしたものと遜色ないほどの画質になっている。とは言え、プリンタ、特に複合機が活躍してくれるのは写真の印刷だけではない。書類やハガキ・封筒の宛名といった文字印刷、CDやDVDなどのレーベル印刷、スキャナを使った書類や名刺の電子化など、実は数多くのことができる。

そこで、単純な印刷画質の比較はもちろんだが、さらにサイズや機能、1枚あたりの印刷コスト、アプリを使ったスマホ連携機能など、多角的な面から細かくチェック。エプソン、キヤノン、ブラザー3社の高性能モデルで、どのプリンタが「最強の1台」なのか検証していこう。

■エントリーするのはこの3モデル!

Colorio EP-10A
エプソン
実勢価格:4万9650円
01
写真画質を重視し、基本4色にレッドとグレーを加えた新6色インクを採用。写真を自動で見分け、自然な色に自動補正する「オートフォトファイン! EX」を搭載し、どんな写真でも美しく印刷できる。A3サイズまで印刷可能だ。

04

サイズ:W479×H168×D395mm
重量:9.5kg

PIXUS MG7730
キヤノン
実勢価格:3万1460円
02
写真用の5色染料インクに加え、文字用の顔料黒インクを搭載し、写真も文書もきれいに印刷できる。操作するキーが光って教えてくれるなど、操作性に優れているのも特長。プリンタを活用できるコンテンツやアプリが充実している。
05

サイズ:W435×H148×D370mm
重量:7.9kg

PRIVIO DCP-J4225N
ブラザー
実勢価格:2万4620円
03
4色インクとなるため写真画質では他に一歩遅れをとるが、顔料黒インクによるシャープな文字印刷、ADFを使った連続スキャン、大容量給紙トレイなど、ビジネス用途に強い。大きな表やポスターを作成できるA3印刷に対応している。
06

サイズ:W480×H188×D345mm
重量:10.4kg

■印刷品質対決

写真で比較1

明るい印象の写真でテスト。光が反射している部分が飛んでいないか、人物の肌感がしっかり表現できているかを確認。

Colorio EP-10
07

粒状感がなく、細部まで表現
人物に光りが当たっている部分はしっかりと明るく、影ができている部分はしっかりと暗く、明暗の階調表現ができている。粒状感も全く感じなく、髪の毛の1本1本まで潰れていないのは秀逸だ。

PIXUS MG7730
08
画質は十分だが若干淡い印象

明るめの写真は、ほかと比べて若干淡く出力される傾向にあり、わずかにグラデーションの甘さを感じる部分もあるが、画質そのものは満足いくレベル。このあたりは好みの問題になりそうだ。

PRIVIO DCP-J4225N

09

4色インクにしては及第点か
4色インクということもあってか、少し粒状感が目立つ。L版などの小さめの用紙であればそれほど気にならないが、A4など大きい用紙では気になるだろう。加えて、ほかよりも赤が強調される印象。

写真で比較2

こちらは暗めの写真で比較。明暗の差がしっかりと出ているか、暗部が潰れていないかなどをチェックしてみる。

Colorio EP-10

10

グレーインクの強みを発揮!
グレーインクが追加されたおかげか、暗い部分での濃淡などもしっかりと印刷できている。もちろん明暗のグラデーションもしっかりと出ていて、粒状感は皆無と言っていいほどだ。

PIXUS MG7730
11

潰れもなく階調表現も良好
暗部の潰れはほぼなく、暗い部分から明るい部分へのグラデーションもしっかりと表現できている。明るい部分にごくわずかだが粒状感があるものの、ほぼ気にならないレベルだった。

PRIVIO DCP-J4225N

12

暗部の表現は若干苦手か
明るい部分は粒状感が、そして暗い部分は潰れてしまっている部分が散見された。明暗の差が大きい写真は苦手そうだ。とは言え、これ単体で見ればそこまで気にならないかもしれない。

文章で比較

A4普通紙に印刷した文字で、にじみやかすれがないかなどを比較した。一般的に文字は顔料系インクがきれいと言う。

Colorio EP-10
13

文字印刷は少し苦手のよう
入念に見比べなければ気づかないレベルではあるものの、わずかにかすれている文字や、にじんでいる文字が確認できた。写真と比べると、文字の印刷にはあまり向いていなそうだ。

PIXUS MG7730

14

シャープでくっきり印刷
文字印刷用に顔料インクを搭載しているだけあって、印刷された文字は、にじみやかすれなどもほとんどなく、シャープでかなりきれい。黒色もしっかりと出ているので非常に読みやすい。

PRIVIO DCP-J4225N
15
シャープだが、少し黒が薄め

キヤノン『MG7730』と比べても遜色ないくらい、シャープに印刷できている。また、かすれやにじみもほぼない。ほかと比べると、黒色が少し薄めだが、見比べなければ気にならないレベルだ。

判定
Colorio EP-10

写真に特化した高画質で文字はややにじむ
写真は近くで見ても粒状感がなく、グラデーションもキレイ。明暗もしっかりと表現され、文句なく3機種中トップの画質だ。文字は染料インクということもあって、注意してみるとにじみがある。他と比べ色も若干薄く、グレーがかって見えてしまう点も気になった。とはいえこれは、あくまで他と比較した時。単体で見れば気にならないレベルだ。水に濡れる危険がある宛名印刷などでは劣るが、書類を印刷する程度なら文句ない。

PIXUS MG7730

写真も文書もキレイに印刷年賀状の作成にも向く
思いっきり目を近づけて見れば、淡い色での粒状感やグラデーションの甘さも発見できるが、少し離れてしまえばわからない程度。エプソン『EP-10A』と並べて比べれば見劣りする部分もあるものの、その差はあまり大きくない。文字は専用の顔料黒インクが用意されていることもあって、シャープでにじみが少ない。写真画質だけを見れば次点となるが、年賀状のように写真と文字のどちらも印刷に使う用途では本機のほうが相性がよさそう。

PRIVIO DCP-J4225N

写真はザラつきが目立つが文書は全く問題なし
インクが4色ということもあって、少し離れて見ても粒状感があり、グラデーションもザラツキがある。写真画質という点でいえば、明らかに見劣りしてしまう。その代わりではないが、文字はにじみが少なくシャープで鮮明。同じ顔料インク採用のキヤノン『MG7730』と比べても、細い線までしっかりと出ているよう感じた。写真が残念とはいえ、グラフのカラー印刷などはキレイなので、画質を重視しない資料写真や書類の印刷に向いている。

 

文/宮里圭介 写真/松浦文生

※『デジモノステーション』2015年12月号より抜粋

関連サイト
Colorio EP-10製品情報
PIXUS MG7730製品情報
PRIVIO DCP-J4225N製品情報