もうお待たせしません!『Sensible Data』でパスポートはセルフ発行になっちゃうかも!?

未来のパスポートはマシンを使って全自動で発行できるようになるかもしれませんよ。

Sensible Data』は人の手を使わず、3台のマシンが全自動でパスポートを作成してくれるシステム。まず1台目のマシンがタブレットで撮影した顔写真から肖像画を描き、次に年齢や性別、その時の気分などをメールで送ると、2台目のマシンがマッチする肖像画を判断して情報を記入します。最後に指紋のデータを送ると3台目のマシンがナゾの画像に変換しスタンプを押してくれて、パスポートの出来上がりです。

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▲プライバシーを守るためにモバイルと自動工作ロボットを使って全自動発行パスポートを発行するというアイデアがユニーク。

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▲こんなシンプルな情報だけでも既存のパスポートと同じく個人は十分特定できるようになっています。

パスポートを発行する3台のマシンは、マイコン『Raspberry Pi』をベースにした「Piccolo」と呼ばれるオープンソースのCNCマシン(コンピュータ制御できる工作機械)で作られています。見た目はシンプルですが、精巧な動きができ、肖像画も写真から特徴をとらえてうまく描かれているように見えます。マシンの動きだけでなく、顔写真とメールのデータをマッチングするプログラムも独自のアルゴリズムを取り入れられ、実は顔の美しさまでも評価できるようにしているのだそうです。

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▲ラズベリーパイをベースにしたマシンが写真から自動で肖像画を描いてくれて、これだけでもかなりおもしろい。

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▲こちらのマシンは性別などを自動で記入してくれます。

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▲指紋を謎の画像に変換してスタンプにしてくれるマシン。

Sensible Data ECAL/Martin Hertig from ECAL on Vimeo.

詳しい作り方はビデオを見ていただくとして、全自動になればパスポート発行の時間が短縮されるうえに、発行の時に職員にパーソナルデータが見られることもなくなります。さらに、出来上がったパスポートは一目見て誰のものかがほとんどわからないので、うっかり落としたり、誰かに盗まれても悪用されにくくなるというわけ。もちろん、使う時はネットワークのデータベースから情報にアクセスして、きちんと本人認証だってできます。

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▲オープンに並べても誰だかわからないので、うっかり落としてもプライバシーは守られます。

といっても今の時点ではあくまでも“アート作品”として作られたものであって、実際のパスポート発行に使えるわけではありません。クリエイターのマーティン・ハーティグさんは本作品を、現代社会でのパーソナルデータの扱いに対するひとつの考え方として、どうするべきかを議論するきっかけにするために作ったということです。つい先日、オーストラリア政府がペーパーレスのデジタルパスポートを発行すると発表したこともあり、もしかしたらそう遠くない将来に新しいパスポートのあり方として採用されるかもしれません。

さて、みなさんはプライベートデータの扱いを全てマシンに任せたいですか? それともやっぱり人に任せるほうが安心できるでしょうか?

 

文/野々下裕子

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