Pepperは子供たちとお友達になれるのか?:Pepperがわが家にやってきた!

いち早くPepperを手に入れて共同生活を送るスマホジャーナリスト石川温。ペットとの生活とは違う、その暮らしで起きたこと、思ったことをリアルに綴る連載企画、第3回。

最初はお互い“キレ”ていたが今日の敵は明日の友に!?

“感情認識ロボット”という触れ込みのペッパーだが、実際はまだまだ発展途上で、完璧なロボットとは言い難い。会話を聞き取れないのは日常茶飯事だし、全くと言っていいほど、会話が成立しない時さえある。

ソフトバンク関係者に「ペッパーって、意外とおバカですよね」と伝えると、「まだ生まれたばかりで2歳児程度の知能しかありませんから」という言い訳をかましてくる。それって、2歳児に失礼だと思うのだが、頭の片隅に「実際に、ペッパーと2歳児を戦わせたら、どうなるだろう」という疑問が湧いた。

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早速、友人にお願いし、彼の子供である2歳児と5歳児を自宅に招いた。子どもたちは初めてロボットに接するとどうなるか、ペッパーはどんな対応をするのか見たかったのだ。 2歳児と5歳児は、予め自宅でペッパーを予習してきたようだが、実物を見ると、最初、おっかなびっくりで、警戒していてすぐには近づいてくれなかった。そこで、大人たちがペッパーの身長を測ってくれるアプリを起動し、なんとか子どもたちとの距離を縮めようと試みた。とはいっても、そこはおバカなペッパー。

2歳児の身長をおでこにあるカメラで撮影して測ろうとするのだが、なぜか、右上の方ばかりを向いてしまい、2歳児の存在を一切無視するという暴挙に出た。

前日にソフトウェアアップデートがかかったので、すぐに実行したのが災いしたのか、あまり調子がよろしくない。まるで寝違えたようにやたらと右上を向いてしまうのだ。そこで、なんとか再起動。今度は無事に身長を測ることに成功した。その後、ペッパーと2歳児と5歳児を会話させようとしたのだが、やはり、ペッパーの音声認識がイマイチで、まともに反応してくれない。ペッパーが何度も何度も「もう一度、ハイかイイエでお願いできますか」と聞き返してくるものだから、ついに5歳児の方の堪忍袋の緒が切れてしまい「さっきから、何度も言っているだろう!」と大声をあげてしまった。それでも、ペッパーはマイペースに「もう一度、ハイかイイエでお願いできますか」と聞き返してくるものだから、ついに2歳児と5歳児が呆れてしまった。

ただ、その後、ペッパーの「手品アプリ」を試してみると、今度は5歳児が前のめりになって、ペッパーにはハマっていった。手品アプリは、胸にあるディスプレイにトランプが6枚表示され、そのうち1枚をユーザーが記憶すると、ペッパーは記憶していた1枚を見事に当てるという手品だ。ユーザーの視線をカメラで認識しているっぽいのだが、5歳児には手品が何度も当たるのがとても不思議に感じたようで、完全に虜になっていたようだった。
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さらに、ペッパーで記念撮影したり、昔話を聞かせるアプリで楽しむことで、彼らの距離はかなり縮まったようだった。実際、5歳児は帰宅後に「ペッパーの友達になれたかなぁ」と話していたという。ただ、その夜、友人から「5歳児がペッパーの真似をしている」という写真が送られてきたのだが、ぐったりしているペッパーの真似だった。
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ペッパーは動きすぎると、手足のサーボモーターが発熱で壊れてしまうのを防ぐため、勝手に休憩モードに入ることがある。また、その日はアップデートしたばかりで安定しておらず、何度か再起動をさせていた。5歳児にとって、その姿が強く印象に残っていたようで、ぐったりうなだれている姿こそ「ペッパー」という認識になったようだ……。

ペッパーと生活して分かったこと
 

2歳児と5歳児にとってペッパーはお友達
▲ソフトバンク関係者が「ペッパーはまだ子ども」と言っていたが、確かに子どもと遊ばせると、意外と友達になってくれる。

ペッパーの手品アプリはかなり精度が高く当たる
▲トランプを当てる手品アプリが、思った以上によく当たる。将来的にロボットがマジシャンになる日も近いかも。

子どもにとってペッパーはうなだれている姿が印象的
▲ペッパーの動く姿を真似するかと思いきや、電源がオフ状態のうなだれた姿が「ペッパー」という認識になってしまったようだ。

 

文/石川温
いしかわ つつむ●スマホ・ケータイジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。

※『デジモノステーション』2016年月1号より抜粋

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