スマホを家のカギにする『Akerun』の可能性【森永卓郎ニュース解説】

カギの新システムが暮らしを大きく変える

フォトシンスは、スマートフォンを使って自宅の鍵を開けるシステム『Akerun(アケルン)』を発売していますが、さらに今回、自動ドアに対応した『Akerun Entrance』を発表しました。

『Akerun』は、自宅のドアについている鍵のつまみ(サムターン)の上から装置をかぶせ、つまみを『Akerun』で動かせるようにします。そして、専用アプリをインストールしたスマホをかざすだけで、ドアのカギを開け閉めできるというものです。2015年3月の発売以来、すでに販売1万台を超えるヒット商品になっているのですが、弱点はマンションのエントランスなどのオートロックでした。自分の部屋のカギを開閉できても、エントランスのドアを開けられなければ意味がありません。

そこで新モデルは、マンションやオフィスのエントランスに設置された自動ドアを開閉できるようにしたのです。また、パソコンからの遠隔操作にも対応しています。このシステムを使えば、ポケットにカギを入れて歩く必要がなくなりますし、遠隔操作を使えば、不動産の内覧会などにも使えます。しかし、私が将来的な使い道として期待しているのは民泊での利用です。

外国人旅行者の急増と東京オリンピックの開催が重なって、今後の深刻なホテル不足が懸念されています。政府もそれに対応するために、民泊の活用を提唱していますし、東京都大田区や大阪府では民泊条例も作られました。ただ、民泊の問題の1つは、カギの受け渡しです。カギを紛失されたり、あるいは合鍵を作られたりしたら、後で大きな被害が出てしまいます。その点、『Akerun』を使えば、お客さんごとにコードを変えることができるので、低コストで安心なカギを渡すことができるのです。

空き部屋の融通を行なう「Airbnb」というサイトの利用者は、現在世界で3500万人にも及んでいると言われます。そうした中で、『Akerun』は、大きな役割を果たしていくでしょう。

たった一つ心配なのは、これだけスマホにさまざまな機能が集中してくると、紛失したり、破損したりした時の被害がとてつもなく大きくなるということです。それを解決する技術の開発にも期待したいと思います。

フォトシンス
Akerun(アケルン)
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玄関のカギを玄関などのドアのカギに取り付け、スマートフォンでの開錠やオートロックを実現する製品。鍵のデータを友人などに送ることができるのも特長だ。一般家庭向けに加え、自動ドア対応の『Akerun Entrance』が発表された。

 

森永卓郎
プロフィール:
1957年東京都生まれ。東京大学卒業後、日本専売公社や三菱UFJリサーチ&コンサルティングを経て、現在は獨協大学経済学部教授。経済アナリストとして、テレビなど多方面で活躍。

※『デジモノステーション』2016年2月号より抜粋

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