電力小売全面自由化は損なの?得なの?自分の電力料金がどうなるのか専門家に聞いてみた

4月1日を前に慌てないまずは電気の使い方を分析

解説してくれるのはこの人
東京大学大学院 経済学研究科 教授 大橋 弘さん
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▲産業組織、競争政策をテーマとした研究に定評。電力取引監視等委員会制度設計専門会合専門委員をはじめ、数々の審議会・検討委員として電力・エネルギー政策への提言に携わる。

いよいよ各電力会社のプランやメニューが具体化され始めてきた。だが、そのプランは多様であり、複雑で分かりにくい。だからこそ、ユーザーは“待ち”の姿勢を崩さないことが得策だと大橋教授は言う。「なぜなら4月1日になっても、地域電力からの電力供給は止まりません。それに電力会社を変えても、“電気は電気”で質は同じだからです」

ユーザーにとって変わるのは契約を結ぶ電力会社だけであり、上流の発電所は現状とほぼ同じと考えれば、料金自体が最初から多くの人は大幅に安くなることはないという。

「ですが、参入電力側も地域電力側も儲けようしていますから、利益率のいいお客さんは狙われるはずです。それは現在の契約で“第3段階”を多く使用する、電気の“ヘビーユーザー”。今、月額1万5千円以上の電力料金を常に払っているような人たちは、表面上、美味しそうなプランが数多く用意されるはずです」

とはいえ、取材時点では電力自由化に関するガイドラインが経産省から出ておらず、各社メニューも概ね準備不足感は否めないと大橋氏。
「東京電力はプランを複数提示したほか、参入側もそれぞれ独自のセット割やポイント提携などをとりあえず表明し、現段階の電力料と比較しての安さをアピールしてますが、あくまですべて試算です。電気は長期的に使うもの。まず我々は、目先のキャンペーンなどに踊らされず、自分が普段どのように電気を使っているかを分析し、“本当に自分にとって美味しいプラン”が用意されてから、動いても遅くありません。慌てて乗り換えないことが大切です」