何を食べてもうまい店。荒木町「道しるべ」【和食、鍋】

梶原由景の「間違いだらけのアプリde飲食店選び」

食にも精通するクリエイティブディレクター梶原由景が、足で見つけた”間違いない名店”を毎月紹介する。

 
今月の間違いない名店

道しるべ 荒木町 (和食、鍋)


住所:東京都新宿区荒木町3-1
電話:03-5357-7578
営業時間:17:00〜24:00
定休日:日曜祝日

自分なりの店選びの判断基準とは?

この連載のタイトルに「飲食店選び」とある。普段友人や仕事先の方々とご飯を食べに行く時、お店をどうやって選んでいるだろうか。大体の場所やジャンルからグルメ系口コミサイトで検索する。ランキング上位の店から電話する。もしくは日頃からサイトを閲覧した際にピンときたお店をお気に入り登録やブックマークしておいて、いざという時に見直して予約する。時には電話ではなくオンライン予約サービスを利用する……などなど。

なるほどこの時代、便利なサービスを各種利用しない手はない。手帳に手書きでみっちり飲食店情報が書いてあるのも素敵だけど、簡単な方がいい。しかし、お店を選ぶ際参考としているそのランキングや口コミ。それは果たして信用に値するのだろうか。そもそもお店に付けられているその点数の根拠は何なんだろう? 絶賛している人は普段何を食べ、何と比較してそう言っているのだろう?

ある食通の方が、普段コンビニの弁当やファストフードを食べている人には、白身の魚の本当の味はわからないと言っていた。点数をつける側の判断に委ねるのは賢明なのか。自分のお店選びは間違っていないのだろうか。

と、長々ネガティブな要素を並べてきたが、決して間違いをあげつらい、正すことを目的とした連載ではない。もし判断基準をアプリやサービスに依存するとしたら、たまにはそこから視線を外し自分なりの店選びの一助としてほしい。そんな思いが、この連載タイトルには込められているのだ。

東京の伝統料理「ねぎま鍋」

さて、「何を食べても美味しい店」というフレーズがある。これも重箱の隅をつつき始めたらきりがない。野暮なツッコミは無用だ。とりあえずは、僕にとっては「何を食べても美味しい店」があるので、ここではそれを紹介しよう。

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看板メニューはねぎま鍋。落語の題材にもなるくらいの東京の伝統料理だ。それだけに江戸時代からのレシピを踏襲したお店も多いけど、荒木町の「道しるべ」は一味違う。通常ネギは筏切りされるが、こちらでは細かく斜め切りにされ、ネギの旨味をより強く感じる仕様。こだわりのネギは那須の白美人ネギ。鮪は希少なスナズリという部位を使う。

この鍋の命ともいうべきだし汁の張られた鍋をコンロにかけ、沸騰してきたらまずは鮪。そしてネギをこれでもかと投入。再度軽く沸騰したらもう食べ頃。鮪にあまり火が通っていない状態でまず一口。素性の確かさが感じられる。そして煮込んでいくうちにネギも追加し、だし汁も足していくわけだが、このスープが何者にも代え難い味となる。これだけでアテになる破壊力。旨味しか感じない。滋味とはまさにこのことだろう。

▲お通し
▲お通し

いきなりメインの鍋の説明となったが、実はお通しから別格。必ず小さな握り寿司が添えられる。

▲クリームチーズの味噌漬け
▲クリームチーズの味噌漬け

ビールが進んで仕方ないのがクリームチーズの味噌漬け。また天ぷらや焼き魚が絶品だ。まさに「何を食べても美味しい」状態。そうそう、ねぎま鍋にはちゃんと〆が用意されている。「うどん」とあるがちょっと想像しているものとは違う。こちらは是非実際にお店に足を運んでご確認を……。

▲銀ダラ西京漬け焼き
▲銀ダラ西京漬け焼き

●ちなみに編集担当がアプリで調べてみた…

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口コミのコメントは概ね良好で、それぞれ3点台後半から4点と高得点をつけているにも関わらず、なぜか総合評価が3.19点と低得点となのは、なんだか納得がいかない……。これではせっかくの美味しい「ねぎま鍋」や「クリームチーズの味噌漬け」などに辿り着けない。

 
文/梶原由景
幅広い業界にクライアントを持つクリエイティブ・コンサルティングファームLOWERCASE
代表。Webマガジン『honeyee.com』、デジタルメディア『Ring of Colour』などでオリジナルな情報を発信中。

関連サイト

道しるべ 四谷三丁目/鍋(その他) [食べログ]