ロボットだらけ。あの「変なホテル」は今どうなってる?【宿泊体験記・2016年版】

世界初のロボットホテルとして2015年7月にオープンした「変なホテル」。果たしてロボットがメインで働くホテルの泊まり心地とはいかがなものであろうか? 外から見えるだけじゃわからないということで、実際に宿泊、体験したレポートをお届けする。

 
2015年、長崎・ハウステンボスにオープンした「変なホテル」は、宿泊客のサポートにロボットが多数導入されたスマートホテルとして話題になりました。DIGIMONO!でも、オープン当初の同ホテルを徹底取材した経緯があります(関連記事: 未来すぎてヤバい。ハウステンボス「変なホテル」潜入レポ)。

あれから1年あまりが過ぎ、2017年3月には千葉県浦安市に2号棟がオープンするという話題も聞こえてきた昨今ですが、いま長崎の「変なホテル」はどうなっているのかを明らかにするべく、実際に宿泊してきた様子を改めてレポートします。
 

16:00 変なホテル到着
 
パワードスーツが違和感ありすぎ! エントランスからロボだらけ
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入り口で悠然と立ち尽くすパワードスーツは、このホテルのオープン前にテーマパークで活躍していたものとのこと。入り口のドアの向こうにはちゅーりーちゃん(後述)を始めとしたロボットが大勢でお出迎え!

16:10 チェックイン
 
簡単すぎるチェックインも…正直、こっち見られると…怖いっす!
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いよいよチェックイン。恐竜の言う通りにタブレットに名前を入力して、カードキーを受け取るだけ。こんなに簡単でいいのかと思うくらいスムーズ。

16:15 荷物預け
 
ロボットアームの素早く精密な動作に驚愕!
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簡単な入力で、直ちにロボットアームが起動。このアームが結構巨大で存在感ありまくりなので、一連の動きを見ていてもかなりの迫力を楽しめる。
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16:20 ポーターと客室へ
 
実は相当賢いポーターロボット! 安全第一運転で部屋の前まで荷物を運ぶ
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液晶画面に部屋番号を入力するとフルオートで目的地へ出発。盗難防止のため、ポーターの真後ろを歩かないと、すぐ停止。もちろん、正面から何かとぶつかることなく止まる安全仕様。運び終えると評価を求めてくるのはご愛嬌。

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走行中は必ず後ろにいないとすぐ止まっちゃいますよ。

16:23 客室到着
 
部屋に入る前に顔認証の登録をしておく!
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カードキーなしで部屋の出入りができる顔認証システム。どこまで認識できるか試してみたところ、自撮り写真をタブレットに表示しても反応せず。お見事です。

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自撮り写真では開錠せず。セキュリティーバッチリ!

一見普通の客室に見えるけど、そうじゃないんです
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部屋に入ってみたところ…あら意外と普通? 見た目は普通のホテルですが、輻射パネルや人感センサーを備えた照明など、宿泊客が快適に過ごすための仕組みが多数存在。おや、ベッドサイドに何かいるぞ……。そう、このロボットこそ「ちゅーりーちゃん」なのです!

バイリンガルな可愛いコンシェルジュちゅーりーちゃん
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音声を認識して、天気や温度をお知らせしてくれたり、照明の操作、館内のガイドなど身の回りのことを手助けしてくれるちゅーりーちゃん。つい用事がなくても話しかけてしまい、そして反応がないとこっちがヤキモキさせられる。かと思えば、「可愛いね」と喋りかける声には敏感に反応し、多くのリアクションをする小悪魔っぷりを発揮。彼女をいかに攻略し関係性を密にするかが、ホテル滞在をより快適にするための重要な要素なのです(たぶん)。

 
17:00 ホテル内散策
 
様々なロボットと触れ合えるロビー。ピアノの演奏ももちろんロボットが
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ロビーにはpalmiやRobiなど、コミニュケーションロボットと自然とロボットに触れ合える空間が。可愛くて、思わず話しかけちゃうお客さん多数。

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ピアノロボが奏でるクラシックの調べが心地よい空間を演出。
 
翌朝10:00 朝の散歩
 
お客さんのために、黙々と働くロボットたちに遭遇
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芝刈り、窓拭き、掃除……。午前中はちょっと歩くだけで、数多くの働くロボットとすれ違います。

 
11:00 チェックアウト
 
チェックイン同様の簡単手続きも、夢子さんの美しさに手が止まる……
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表情筋の細かな動きで微妙に表情を変化し続けているフロントのロボット「夢子さん」をしばらく見つめていたら、正直ドキッとしてしまいました。これが恋の始まりなのか? それと、普段はカウンターで見えないんだけど、手もすごく綺麗なんです。

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自然と築き上げられるロボットとの関係性

泊まってみての素直な感想は、いい意味で普通のホテルだったということ。たしかにロボットや最新技術は駆使しているものの、それらが前面に出てくることがなく、あくまでもさりげなく宿泊者にとって快適な空間を作り出すために使用されている印象でした。唯一、客室にいるちゅーりーちゃんだけは別だけれど(笑)。

「変なホテル」では、従業員と接する機会がほとんどなく、最低限の事務的なコミニュケーションを取る必要すらほぼありません。しかしながら、そんな状況に不安を感じることもなく、むしろ心理的にものすごくラクな気持ちになったことが個人的に大きな発見でした。これは対話やコミュニケーションの相手がロボットしかいないことに、機械的な冷たい印象を受けることがなかったということでもあります。

逆に、人と会わないことで、宿泊客の側からすすんでロボットとコミュニケーションを図ろうとするように空間が形成されているという印象。到着時には何の感情も沸かず、ただのロボットとしか見ていなかった夢子さんに対しても、チェックアウトの際は、簡単な手続きをする手を遅らせて、少しでも長く二人の時間を持ちたいとさえ思ってしまった……そう、恋心を抱いてしまっていたのです。

文/関口裕一 撮影/藤丸修

※『デジモノステーション』2016年11月号より抜粋

関連サイト

変なホテル

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