終末世界を生き抜くなら、800羽のウサギが住む「大久野島」へ向かえ!

テーマ=『デジタル×価』

“最強のよそ者”として、数々の業界でビジネスに変革をもたらし続けてきた伊藤嘉明が、”趣味も仕事もフルスイングする価値”について考える連載コラム『伊藤嘉明の「人生万事振り切るが価値」』。今回こそはゾンビやサバイバルの話を置いといて、可愛い動物のお話でも……と思ったらやっぱり……!?

 
2016年7月に報じられた「ソニーがロボット事業に再参入!」というニュース。素晴らしい。いつものことではあるが、誰かが何かに取り組む、という話があると、必ずといっていいほど、自分は何もできないし、やらないくせに、偉そうに講釈ばかり垂れて否定しまくる専門家たちが大勢しゃしゃり出てくる。当時のトップであるハワード・ストリンガー氏の判断で、ロボット事業から撤退したのにも、経営陣にしかわからない判断要因があったわけでしょうから、株主でもない輩は黙っていてほしい。個人的には素直に歓迎したいニュースだった。

当然、AIBOというぺット型ロボットのことを思い出したのは私だけではあるまい。で、それにちなんで、ぺットといえば犬派か猫派どっち? と聞かれることが多々ある。僕は両方好きだし、両方とも飼っていた経験がある。だから、答えは両方いけるクチ。動物は基本的に大好きである。というわけで、今回は動物について書いてみたい。

瀬戸内海の大久野島は人口たったの20人、ウサギはなんと800羽!

さて、そんなニュースを見ていた時、ある意味物好きな我が連載コラムのファン約3名から(一人増えた♪)、「最高です! ぜひゾンビについて再度深掘りした内容で書いてください!」と熱烈なリクエストをいただいた。そんなファンの皆様のために、急遽予定を変更し、「わたしとぺットとゾンビと海と」という夢のコラボタイトルでコラムを進めよう。そんなもん読まねぇよ! とほざく輩には、ソニーのロボット事業参入に対して偉そうに評論する批評家連中と一緒にゾンビなってください。ということで、人生万事振り切るが価値!

先日、コカ・コーラ時代に一緒に仕事をした戦友と楽しく飲んだ時に聞いた話。瀬戸内海に大久野島という島がある。野生のウサギが800羽、人口は20人程度、というウサギ好きには夢のような楽園。少し前にメディアでも“ウサギの島”として取り上げられていたから、知っている人もいるだろう。実はこの島、大日本帝国軍が毒ガス兵器を秘密裏に製造していたため、かつては地図にも載っていない時代があったという黒歴史を背負う、スゴい島。

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昔は毒ガス兵器を作っていたために地図にものらなかったようなこの島が、今はウサギの島……嗚呼、なんてドラマチック。毒ガスよ、サラバ! ウサギさんいらっしゃい! ……島の詳細は勝手にググってもらうとして話を進める。

さて、ここ大久野島には要塞さながらの施設が廃墟として残っている。廃墟マニアにも大変オススメな場所だ。それにちなんで、今回のテーマ、「わたしとウサギとゾンビと廃墟」(だったっけ?)、皆さんに特別に、前々回連載で途中まで教えてあげた“ゾンビアポカリプス(終末期)”を生き残る方法〈中級編〉を伝授しよう。

ゾンビワールドで生き残るには、コミュニティ作りこそが重要

ここで頭の良い読者諸君は気付いたかもしれない。そう、大事なのはゾンビから逃げ延びて生き残ること。大久野島の話を聞いた時に、ゾンビマニアの私の中で、ここを目指すのが一番良いと神の啓示があったのだ。

なぜって? 島にはフェリーで行くしかないので、ゾンビからは隔離されている。島の人口は国民宿舎で働いている20名弱。仮にアポカリプスで国中がゾンビに汚染され、観光客としてゾンビになった人が侵入したとしても、ゾンビ人口はたかが知れているだろう。新宿界隈で籠城するよりはずっといいはず。そう、大久野島は人類最後の楽園なのだ。ウサギごときに取られてたまるか!

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なにより、大日本帝国陸軍の秘密基地だっただけに、ある意味要塞。なんたって、地図にも載ってないのだから!(今は掲載されているけど)。そして、大久野島の大多数を占めるのは可愛いウサギ。“ゾンビアポカリプス”の一番の敵は、実はゾンビではなく人間自身、ひいては精神的弱さなのである。そのあたりを素人の皆さんは誤解しているようなので覚えておいてください。テストにも出ますよ。ゾンビワールドでは結局、生存した人間同士のイザコザ、精神力の弱さから始まる揉め事で、生存者たちのコミュニティが崩壊するというパターンは、ゾンビ研究家やゾンビハンターの間では小学校高学年程度の基礎知識ですから。“ゾンビアポカリプス”の恐怖感、絶望感、不安感、焦燥感……、要因は無数である。

ただ、ゾンビワールドに備えて日々猛訓練をしている私にとってはワクワクである。そんな時に可愛いウサギを眺めていたら、癒されること間違いない。ウサギ万歳。しかも可愛いだけじゃなく、動物性たんぱく質もたくさん♪ ウサギは高級なフランス料理にも出てくるわけで、ゾンビワールドで毎日フランス料理……ボンジュール、ボナペティ。まさに最高である。800羽いるから間引きを兼ねて調整すれば、かなり豪勢にフレンチ三昧。寒くなったら、ウサギの毛皮のコート着てウサギ鍋。心が疲れたらお洒落なコートに包まれながら、ウサギの可愛い仕草に癒されてください。

“ゾンビアポカリプス”の暁には、目指すべきは大久野島に決定! でも問題が1つある。東京からはたして瀬戸内海の大久野島まで辿り着けるのか? それには相当に高度なゾンビワールドサバイバルテクニックが必要になる。しかもこのコラム読者たちが全員大久野島を目指したら……。最低でも3人は来るから、コミュニティをうまく作れるかどうか……。考え出すとキリがないが、これもトレーニング。今回はイメージトレーニングを日々から行いなさいよ、という話でした。

じゃあ、ゾンビにやられない生存法の詳細は?

そこはもう少し引っ張ることにしたので、今回は教えてあげない♪ では、みなさん御機嫌よう。ついでにフレンチ風に“オルヴォワール”。

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文/伊藤嘉明

※『デジモノステーション』2016年11月号より抜粋

連載バックナンバー: 伊藤嘉明の「人生万事振り切るが価値」

いとうよしあき/外資系ブランドのPCを自衛隊に納入し、日本一の大型案件を成立させる。マイケル・ジャクソンの名盤『THIS IS IT』を約230万枚売り上げ、社会現象に。『R2-D2型移動式冷蔵庫』『ハンディ洗濯機COTON』という世界初の家電を世に送り出したビジネスマン。著作に『どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力』(東洋経済新報社)など。